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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年07月05日(金) --

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☆「アマテラス」と美内すずえ

美内すずえは、かつて小学校時代、
私が最初に読んだ漫画家である。
それは、昨日の続きではないけれど、タイムスリップロマンスものの
「真夏の夜の夢」だった。
彼女をはじめ、「別冊マーガレット」という月刊誌育ちの作家は、
ほとんどが短編志向だったが、その後、
和田慎二らと「花とゆめ」に移ってから長編連載を
得意としていったような印象がある。

ついにエンディングを迎えそうにない「ガラスの仮面」は
テレビドラマにもなり、数年前には本誌でまさかの連載が再開され、
マヤと真澄がお互いの恋をきちんと確認するところまでは
こぎつけたのだったが。

この「アマテラス」も、彼女の終わらない話のひとつと
みなされている。
先日、美内さんに会ったという人が、
二つの作品は終わるのか、と訊ねたというのだから、
皆思いは同じらしい。

「アマテラス」には、他に、「倭姫幻想まほろば編」という番外編もある。
なかなかにディープでマニアック。
こちらには別の主人公が出てくるが、これも一巻だけで終わっていて、
話は明らかに途中なので、またどこかで続くのかもしれない。

現在出ている「アマテラス」は、『第一部 戦士クシュリナーダ』
という副題がついているので、主人公の沙耶が、
かつて伝説のムー大陸で過ごした記憶と力、
宿命にめざめるところまでを描いている。
これから始まるであろう神と魔の闘い、
その舞台となる日本。
早く結末を読みたいものだが、どうなるだろうか。
余談だが、ゲームの「アンジェリーク」と同じく、女王を守護する
騎士の長は、金髪ロングヘアのジュリアスである(笑)
「まほろば編」にも端役ではあるが、登場していた。

天照大神を意味する「アマテラス」の醍醐味は、
日本という霊性の国の古代神話からムー大陸、
世界、宇宙へとひろがるストーリーのスケール感。
ひとりだけが持つ特別な役割に気づかされ、
とっさに力を発揮しながら
運命に身を投じる少女。

別マ時代から美内すずえが持っていた才能と
彼女の研究している見えない世界が結びついて
漫画という形を成した面白み。

かつて「はるかなる風と光」で垣間見たような壮大さ、
そして「13月の悲劇」で恐怖した異形のものの悲しみ、
「ガラスの仮面」で魅せられた、才能の開花。
その美内すずえが持てる力を総動員して挑んだ大作、
「アマテラス」。
時代的にもこの作品の完成は、「ガラスの仮面」より
急を要するように思われてならない。
もういっそ、第二部は、精神世界系の雑誌で連載しては
どうかと勝手に思うほどである。
竜宮乙姫まで登場させるのだから、
これから何が飛び出すのだろうと期待している。
(マーズ)


「アマテラス」(1)-(4) 著者:美内すずえ / 出版社:あすかコミックス(角川書店)

2001年07月05日(木) 『椰子・椰子』 (2)

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