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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年07月08日(月) --

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『ニューヨークの恋人』(その3)

☆ある女の空想と現実(あるいはその妄想と映画)。

早朝から街に出て、やっとのことで本編を観てきた。

ほとんど女性客ばかりである。 まあ、これって、カップルで観ても、何かとかえって現実的に なってしまうだろうし。田舎では男一人で観る人もまずいないだろうし。

先にノベライズされたストーリーを読んで、後からほぼその通りの 構成で進む映画を観る、これって何かの訓練になるかもしれない。 原作ものなら、ここまでぴったりじゃないし、ほとんど 脚本読んでるのと変わらないほど。

ケイトの「やったーっ!!」とこぶしを突き上げ狂喜するアクションや 失意の涙(これはメグ・ライアンの十八番なのだけど)、 古い街の重厚感やケイトのオフィスの様子、 公園デビュー(あれ以上の派手さは望めまい)、 ロマンチックな屋上デートや 花嫁候補のトリー嬢など、 かなり想像していた雰囲気に近かった。 まあ、ノベライズにも写真が入ってるから、 それによるところも大きいのだけど。

イメージとちがっていたところは、 人種の違いというか、レオポルドってやっぱり胸板厚いなぁとか(笑)、 スチールで観たより老けて見えるとか、 ニューヨークの古い館が現代にも残っていて リニューアルされているのだけど、内装が意外に明るかったとか。 摩天楼の風景は、やはり事件に配慮しているようだった。

ふたりが仲直りする屋上ディナー(企画演出レオ)のシーンでは、 背後に座っていた女性客から思わずため息が聞こえてきた。 やっぱり、ああいう状況って夢なのだ。 屋上は思ったより広々としていて、でもワルツを踊るには スペースも必要だなと思ったり。

ダイエットマーガリン「幸せ牧場」のコマーシャルに登場する レオポルド公爵の姿は、思っていたより渋く、 貴族らしさが増して重々しかった。

ひとつだけ、 ノベライズで個人的にいちばん印象的だっただけに、 本編でセリフがカットされていたのは残念だった。 ケイトが屋上ディナーのために、仕事一辺倒のワードローブから 女性らしいドレスを選び、ふとつぶやく。 「あなたのこと、すっかり忘れていた……」

おおそういえば、私も袈裟(と名づけたワンピース)を 去年の夏からまだ出していない。 (マーズ)


□ノベライズ版
『ニューヨークの恋人』
脚本:ジェームズ・マンゴールド、スティーブン・ロジャース /
編訳:池谷律代 / 出版社:竹書房文庫

□映画
『ニューヨークの恋人』(2002年初夏公開)
原題:KATE & LEOPOLD
監督・脚本:ジェームズ・マンゴールド
出演:メグ・ライアン / ヒュー・ジャックマン

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