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映画のお伴はファンタジーにはあまり興味がない、 でもスターウォーズ三部作は面白かったね、と言う ごく普通の人。 別口で読書好きな友達からも一緒に見に行こうと お声がかかりましたが、こちらはお断りしました。 だってあなたは映画見たら絶対原作読みたくなるでしょ。 本で読む楽しみを取っちゃ悪いから、映画を見た後で 私が心置きなく原作の説明ができないじゃないありませんか!
そう。映画を見た後で私が思いっきり『指輪物語』の 世界を語って盛り上がるために、映画は楽しむだろうけれど 原作には手を出さないであろう人をあえて指名して 映画『ロード・オブ・ザ・リング』に引っ張っていったのでした。 これは「三部作」の「第一部」で今回のお話は途中までだからね、 という事を予め説明しておいていざ開演。
映画終了。 世界を理解するのに全神経を集中したよ〜、という連れに じゃあ、分らなかった事があったら説明しますから 何でも聞いてください、とにやりと笑う私。
「えーと、『ロード・オブ・ザ・リング』のロードって王様のロード?」 やっぱり、疑問に思いますよね。 おもむろに映画館の出口のポスターの横に立って指で示す私。 THE LORD OF THE RINGS 「そう、王様とか主のLORD 。原題ではリングは複数なんです」 「あれ?本当だ、Sがついてる」 次に、下の副題を見て下さい。 THE FELLOWSHIP OF THE RING 「日本語訳では第一部は『旅の仲間』というんです。こっちは単数」 「わかった。こっちのリングはあの男の子の持っていた『ひとつの指輪』」 フロドですよ、主人公の名前は覚えてくださいよ。 「そうか。指輪本当はいっぱいあるんだよね、三つと七つと九つとひとつ」 人名はおぼえないのになんで数字はすぐおぼえちゃうの。 三つの指輪はエルフの王に。 「エルフって何?」 ‥‥そこから説明するのか(延々と説明する) 「ふーん、妖精だったの。何かそういう神様かと思ってた」 それであってますよ。キリスト教がヨーロッパを席巻していなかったら 日本のようにどこそこの神様、と呼ばれてしかるべき種族でしょう。 七つの指輪はドワーフの君に。 ドワーフはヨーロッパの昔話に出て来る一般的な小人です。 ほら、白雪姫の七人の小人とか。 「ああ、七つの指輪は白雪姫の七人の小人が」 違うだろう、それは。 「九つは知ってる。人間の王。ひとつの指輪の力のせいで みんな悪の王の手下になっちゃったんだね」 そうです。悪の王の名はサウロン。 「だからタイトルが複数形のリングの王なんだ。なるほどー」 その説明をしていたんでしたね。
「悪の王が戦争で負けて指輪を人間にとられた」 連れが指輪の成り立ちの復習をします。 「次に指輪を取った人が殺されて指輪が水底に沈んだ。 それから指が拾ってたね‥‥あれがゴラム?」 原作ではゴラム(日本語版ではゴクリ)の友達が拾ったのを、 羨ましがったゴラムが殺してとっちゃうんです。 「ゴラムって、あれどういういきもの?」 本来はフロド達ホビットと近い種族だったんですが、 指輪に魅せられて、人里離れて洞窟に長く暮らすうちに 姿が変わっちゃって。 「うん、洞窟にいたね」 真っ暗な中でただひたすら指輪に向かって まいぷれしゃす、まーいぷれしゃす 「ぷれしゃす。大事な──」 日本語版ですと、いとしいしと、いとしいしと。 「‥‥それをビルボが持って行っちゃったのか」 そうしてやっと、この長い物語が幕を開けるのです。
ここまでが映画の冒頭でさっと流される説明。 本筋にはそれほど関係ないのですが、 事情を知りたいと思うのが人の性。 なるほど、こういう原作は読まないけれど 映画の設定は知りたいという層のために いっぱいガイド本が出ている訳ですね。
連れは第一部にはほとんど出てこない ゴラムがとっても気になるようです。 第二部でいっぱい出て来ますよ。 「ちゃんと第二部できる?」 大丈夫です。同時製作だそうですし、 第一部の興行これだけ成功したんですから。
だから続きがどうなるかは教えてあげないけれど THE FELLOWSHIP OF THE RINGについてなら、 さあ、なんでも私に聞いて。(ナルシア)
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管理者:お天気猫や
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