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■ ふくすけ。
14年前のクリスマスイブ。日本総合悲劇協会の「ふくすけ」を見に行き、私は、同情や感傷とは違うもっと乾いた感情で、泣いた。あの頃、演劇をちょこちょこと見に行くようになってはいたけど、そんな経験は始めてだった。 先日、「ふくすけ」を、また見に行くことができた。21歳学生だった私も、今や35歳子持ち。本は昔よりちょーっぴり読むようになったけど、かつて私を奮い立たせた自信はしなび、無鉄砲さは多くの失敗の上でただ臆病になった。 実のところ、私は少し期待していた。またあの不思議な涙を流せるんじゃないかと。でも、実際は泣かなかった。普通に私は舞台を見ていた。面白かったけれど、前のようなこみ上げる感じはなかった。それは、私が成長したことによるのか、すれたことによるのか。なんにしても少し寂しかった。 でもまた14年後に見る機会があったら見に行きたい。そのとき、私は何を思うんだろう。同じ何かを見ることで、自分に流れた歳月や経験を確認する。それは自分が反芻するのとは違った方向から気づきをくれる。
2012年08月19日(日)
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