(SleepWalking)



あえない
 
刻一刻と迫ってくる桜の季節が
怖くてたまらない
その下には死体が埋まっているのでしょう
もしかしたら
誰かのいとしいだれかが


吸い上げては暖かく頬を上気させて
我が我がと咲き乱れる
巡らせたのは死と狂気だから
風に撃たれて落ちてゆく
隣の枝と手を繋いでみる
儚いちからだけど


さよならを告げる時間を
どうか与えてください
愚かでちいさなこのからだに
彩る温度に酔いしれている
動かない脚をその淵に引き寄せて

2007年03月10日(土)


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みつめない
 
わすれたくて
わすれたくて
わすれたくて

時間なんか少しも経っていないし
私はひとつもあがいていないのに

怖がっているだけ
しっている
私がいちばん

声がしないとわからないのです
だいすきなあなたであると
その程度
そうやって

傷付きたくないから逃げているの
ばかみたいに
ほんとうは毎日
会いたくてたまらないのに

2007年03月04日(日)


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わらって?
 
寝惚け眼のあなたの
髪を梳かしてあげる
ほら、そうやってまた
甘えてばかりいないで


日曜日の朝だけ
違う顔をしてる
でも低血圧なのは
私のせいじゃない


白いカーテンが揺れる
ふわりさくらの揺れる
朝を観に行きましょう
今珈琲を淹れてあげる

2007年02月22日(木)


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黒く澄んで
 
頬に落ちかかる前髪の
隙間を見ているのよ
そこに隠れている
あなたの眼を
触れて捻じ込んで
取り出してしまいたい
その藍


正面を見ては笑わない
横に首を傾げる
組んだ腕を解いて
どうして私を見つめる


口付けた指が痛むでしょう
そこに所有されている
こいがひとつ
あるのです
隙間に吹き込む
冷たい雨が

2007年02月20日(火)


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ふりきっても
 
忘れようと努力しているのです

これでも

雑踏に消えてしまえばいいのだと

あの日と同じように

降り始めた雨を超えたらそこに

トンネルを潜り抜けたら橋脚が

ぶつかる訳などありません

残るのは使わない傘だけです

トウキョウは暗い

駅のホームで立ちすくむ

もうそこには誰もいない

繋いだ手だけが転がっているのです

忘れたいぬくもりごと

2007年02月12日(月)


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ゆびきり
 
ふらふらしたあたまで考えていたの

これはうそなんだろうって

あなたのやさしい

うそなんだろうって


雪国でうまれたひと

どうして

そのてがこんなにもあたたかいのか


きっと明日になれば忘れてしまうから

次に逢うときにはまた

わたしはわたしのままでしょう

うそはしろくひかりつづけているのに

2007年01月05日(金)


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くるりくる
 
髪型をかえたの

あなたに逢えたら

きっと誉めてくれると思う

若葉のしたを歩いたら

ふわふわ、光って揺れるの

少し俯いて笑う

わたしがすきだって、言ったじゃない

だけどわたしだってずっと

下を向いてるわけにはいかないのよ

どうしてあなたは

今そこに居るの

2006年06月03日(土)


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