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風に揺れるたんぽぽ
たんぽぽ



 ◆ はじめに ◆

この日記は、ネットで出会った既婚者カップルの日記の半分です。
(もう半分はこちらです)

この日記は、二人が出会って3年目の2002年04月11日から書き始めたもので、現在の二人の毎日と、出会ってから3年間の想い出と、二人が出会うまでのそれぞれの想い出を書いています。

(たんぽぽ)




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1999年01月01日(金)



 徘徊

私は年の瀬から半月近く実家に帰っていた。
しばらく息抜きをしに帰ったのだと夫は思っていたと思う。
だけど、そうではなかった。
私は自宅に帰りたくなかった。出来るならこのままもう家には戻らないでおこうかと思っていた。
しかし、私が留守中に届いた電話料金の明細を見た夫が、怒り爆発!と言った勢いで実家に電話してきた。
「一体、何をやってたんだ! どうやったらあんな電話料金を請求されるんだ!
すぐに帰って来い!」とどやされ、私はしぶしぶ翌日実家に帰った。
その日の夕方、夫に理由を問われた。
「寂しくてついつい、、、昼間もチャットとかしてて、、、」
「それだけであんな金額にはならんやろ!」
「うん、あと、、、ネットで仲良くなった子と電話で話したりとか、、、相手が携帯の事が多いから、料金が嵩んだんだと思う、、、」
「兎に角、請求されてる分は払わんとな〜。お金どうするんや?」
「私の貯金から払います。」
「ま、当然やな。」
一応、それで夫の怒りは収まったようだった。
夜になり、布団に入った時、夫は、
「色々考えてみたんだけど、、、そんなにチャットがしたいなら、専用線にしたらどうかな? だったら思う存分チャット出来るやろ。」
と言った。
私は、悲しかった。
「私が寂しくてチャットに耽っているのは、貴方との時間が会話がもっと欲しいと思っているのに、それが叶わないからなのに、、、何もわかってくれてない。」と。
何で寂しいと言うのかを考える変わりに、専用線にしようと言い出す夫。
そういう問題じゃないだろ…と心に中でつぶやきながら、私はその日もまた夜中に起きだして、朝までネットサーフィンを続けた。
そして、新しいチャットを見つけた。



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2002.04.11
当時、子供は2歳。 身寄りのない土地でがむしゃらに子育ていていた時です。 子供もようやく片言を話すようになっていましたが、近くに友達もなく、1日に誰とも会話しない日が多かったです。そんな生活の中で、インターネットで知り合えた、同じ子育て時期のママ友は私には救いでした。


1999年01月11日(月)



 出会い

いつもの様に夫を送り出し、私は、そそくさとPCに向かった。
昨夜見つけたチャット恋楼(仮名)を覗いてみた。数人の人がおしゃべりをしていた。
しばらくROMっていると、どうもここは30歳代の人たちが集まっているようだった。
仕事の事とか、家庭の事とか、趣味の事とか、そんな事を楽しそうに話していた。
「はじめまして」私は少し緊張しながらそこに入っていった。
「はじめまして〜」とみんなが返事をしてくれ、まずは簡単に自己紹介をし合った。
その中に一見女の人かと思うHNの男の人がいた。話し方は女の人のような、丁寧な男の人のような…?でも、話の内容は男性よね…?と一度でその名前は印象に残った。(後で分ったことだが、そのHNは本名に綺麗な印象の漢字を当て字したものだった)
その日は、高校時代に聞いていた音楽と、当時の恋の想い出などの話をした。



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2002.04.12
その頃、別のチャットにも出入りしていましたが、そちらはややH系で、そこにずっと入り浸っていると、バーチャルな会話がだんだん馬鹿らしくなってきて、徐々に遠のいていたところでした。
その点、ここは昔からの友達とワイワイやっている雰囲気で本当に楽しかったです。

1999年01月12日(火)



 何故か覚えていた事

2日め、また、夫が家を出るのを待って、私はPCの前に座った。
メールチェックをして、昨日入ったチャット(恋楼)を覗いた。
昨日とほとんど同じメンバーがそこにいた。
「おはようございます! 昨日はどうもお邪魔しました。(^^)」
「おはよう〜、お邪魔だなどと、そんなことないっすよ〜」
と誰かが答えてくれた。
「皆さん、会社からですか?」
「俺は自宅だよ、自営だし。」
「僕は会社です。始業時間までなので…」
「そうですか。(^^) 私は旦那さまを送り出して、一息ついてるところです。」
「主婦ですか〜(^^)」
「そうです。」
「お子さんは?」
「2歳の娘が一人」
「可愛い盛りですね(^^)」
「ええ、とっても。(^^)」
「お母さん似?」
「うん、私に似てめちゃ可愛い(^^)」
「そりゃ可愛いでしょうな〜、じゃ、お母さんも可愛いんだね。(笑)」
「あはは、どうでしょう?(^^;;」
そんな感じのたわいもない会話が続いた。
話の流れでその後、自分を有名人に例えると誰に似ているか、という事になった。
他の人の事はすっかり忘れてしまったが、彼が「さんまちゃんに似てると言われるよ」と答えた事は何故か覚えている。
私は、「ま、チャットだから、顔見えないし、良いっか!」と、ずうずうしくも自分の好きな女優さんに似ているとホラを吹きました。(^^;;




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(言い訳:でも若くてスマート(死語?)だった頃、一度だけ言われた事がある)
と、そんな話しでしばらく盛り上がって、8時を回ったころ、「また、お昼休みに〜!」と言って、それぞれチャットを落ちた。

1999年01月13日(水)



 初めての二人きり

私は、平日ほとんど[恋楼]に入り浸っていた。
朝、夫を送りだし、子供が起きて来るまでの時間、子供が機嫌よく一人でテレビを見たり、お昼寝をしている時間、そして真夜中。
そして、彼は毎日きちんと決まった時間にやって来た。就業時間前の30分間、お昼休みの1時間、就業時間後の30分間。

私は、彼が来るのを密かに心待ちにしていた。彼と話すのが楽しかったし、彼が他の誰かと話しているのを見ているのも楽しかった。
彼はとても丁寧な言葉で話す人だった。その上、場の雰囲気を読むのもうまく、良いムードメーカーになっていた。

出会って3日めの朝、たまたましばらくの間、私と彼は二人きりになった。
その時彼は私に聞いた。
「あれからどう?旦那さんは」
「え?」
私は、何を聞かれているのか分らなかった。
「仲直りした?」
「あ〜、仲直りっていうか…まぁ、普通にしてますけど、お互いに。」
彼は、私がはじめて[恋楼]に行った時に、他のメンバー(女性)相手に、例の、
夫の「専用線にしよう!」発言
について愚痴っていたログを見ていたらしかった。
彼が自分の事を気に留めていてくれているようで、私にはそれがとてもうれしかった。
「風さんのご夫婦はいかがですか?」
彼は結婚10年目で夫婦二人暮らしらしだった。奥様もお仕事をしてらして、お互いの自由な時間と、夫婦の時間とをバランス良く保った今時の理想のカップル、という感じがしていた。私は純粋に、そんな彼に夫婦円満の秘訣を聞くつもりだった。
が、彼にも不満や悩みがあった。



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1999年01月14日(木)



 シークレットモード

私たちが出会ったチャットには、シークレットモードと言って、メンバーの中で、自分が選んだ相手にだけ自分の発言を見せる事が出来る設定があった。
「おはよ! 今日は元気かな?」
彼がシークレットモードで話しかけて来てくれた。
「うん、元気だよ。(^^) 風さんは?」
「うん、元気!(^^)v」
たったそれだけの会話だったが、とてもうれしかった。

このシークレットモードは、男性が女性を誘ったり(時にはその逆もあるが(^^;;)、女性同士で、注意の必要な男性の情報を交換したり(^^;;するの便利な物だ。特に、夫婦仲がうまくいっていない主婦となれば、男性は色々は言葉で誘ってくる。そんな中で、Nさんの何気ない言葉に、私はホッと一息つけた。何故か、昔馴染みの人のようにさえ思えた。



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1999年01月15日(金)



 日曜の日暮れ時

週末の2日間、時々彼を思い出していた。
とは言え、まだ、声も顔も知らない人。

彼の言葉を思い出していた。
この1週間に彼と交わした様々な言葉を。

「明日また会える」
そう思うとうれしくて、退屈で窮屈な週末が早く終われば良いのに思った。

月曜日が楽しみな日曜の日暮れ時なんてそうそうないもんだ。

1999年01月17日(日)
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