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■ きえていくものたちに
あたしが桜や花火や煙草に惹かれてしまうのは どれも永くはとどまっていられないものだからなんだろう 時がくれば潔く散っていくからというよりも その儚い生命力にこそ憧れてしまうのだろう 咲き誇りそして散っていく桜 夜空を彩りそして融けていく花火 美しさを添えて。 煙草はそれとは全く違うものだけれど 毒でしかないと判っていながら 毒でしかないと判っているからこそ あたしは手に取るんだろう。 1本点けて吸い込み、煙を吐き出し、そうするうちに 指の先であっというまに灰となっていくから その生命力をあたしは奪いながら あたし自身の生命力も灼いていく 1本につき5分。 火を点すごとに5分ずつあたしは死んでいく、それでいいとおもう ちりちりと燃えていくその火を見ながら 美しいな とおもう 最後にじりっと押し潰すように消す瞬間、その残酷さが 快感にも似た虚無感。 消えていくから美しいんだ とどまることがすべてじゃないんだ 消えていくからこそ、 輝くものなんだ そんなふうにおもう、あたしには消えていく勇気がないから 眩しく見えてしまうんだ
2004年07月29日(木)
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