月香の創作ノート
水瀬 月香



 興味・・・スキップ・ビート(敦賀蓮×キョーコ)

最初はただの興味本位な一般人なのだと思っていた。
然したる意味もなく、こだわりも覚悟もなく・・・、
ただ【芸能界】という世界の華やかな部分しか興味のない
気まぐれなだけだと・・・。

その内諦めるだろうと思っていた・・・。
だが何故か気になって仕方がなかったのも真実・・・。
彼女がこの業界に入りたがっている理由を知ってさえ、
その興味は消える事はなかった・・・。

『復讐』それが彼女・最上キョーコという少女がこの
【芸能界】という一見華やかな、それでいてどろどろとした
業界へ入りたがっている理由だった。
そんなふざけた動機ではこの業界では生き残れはしない。
独り善がりな『根性』だけではやっては行けない。
そんな甘い世界じゃない事を俺は誰よりも知っている・・・。
すぐに壁にぶち当たって諦めるだろうと思っていた。
だが彼女は諦める事無くこの世界への足掛りを見出した。



そして見た彼女のプロと同等以上の『根性』。
何事もなかったかのように今俺の目の前で微笑んでいる
彼女の左足首にはひびが入っている筈だ。
その足で正座をし、微笑すら浮べて演じている・・・。
全くの素人と言っても良い筈の彼女が・・・。


・・・面白い・・・。
動機はふざけているがこの『根性』は見上げたものだ。
そのプロ級の『根性』に敬意を表してしかるべきだろう。
俺も本気でやらせてもらう。
さぁ・・・、君はどこまで俺について来られる・・・?




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・・・・・・・。(何も言葉が出てこない)
ふふふ・・・(暗笑)書いちったよ・・・、スキップ・ビート・・・。
しかも蓮さまで・・・(目を逸らし)
しかも蓮×キョーコとか書いときながら
キョーコちゃん名前しか出て来ないし・・・。
つうか蓮さま独白だし・・・。
連載始まったばっかりって良いくらいの作品だから
キャラ掴めてない事この上ないし・・・(T−T)

蓮さまファンの方、イメージ壊してたらごめんなさい!!

2002年07月16日(火)



 今はただ静かなる祈りを・・・GL

血に塗れた剣を持ち、数多の屍でもって地を埋め尽くす。
それは時に『ヒト』の物であったり、
時に『この世界』の原住生物の物であったり。
夢の中の俺はその時々によって『主』の『御使い』であり、
また『主』に刃を向ける『堕ちたる者』だった。

幼い頃から視えてしまう2つの未来。
1つは『ヒト』として『主』に抗うもの。
もう1つは『主』に従い『ヒト』の敵となるもの・・・。
俺はどちらも選びたくはなかった・・・。

生まれた時から本能として具え持つ『主』への忠誠と敬愛。
育てられたが故に持ってしまった『家族』という物への執着。
どちらも選べず、『ヒト』にも『御使い』にもなれなかった。
辛うじて『ヒト』の側へ留まれたのは『義妹』が
『主』の厭う『グローシアン』であったが為。

『ヒト』である『彼』に出会ったが為・・・。

過ぎ去った過去に『もしも・・・』なんて無意味だけれど・・・。
もしも『義妹』がグローシアンでなかったなら・・・、
もしも『彼』に出会っていなかったなら・・・。
俺は『俺』で有り得たのだろうか・・・。
『俺』でない数多の『同胞』達のように俺もまた
同じものを見、同じものを聞き、同じことを考える
『全にして個、個にして全』なる存在になったのだろうか・・・。

どちらが良かったのかは解らない・・・。
『俺』が『同胞』達より幸せかなんて誰にもわからないのだから。
『同胞』達が『俺』より幸せだったかもしれない。
『主』の御傍にあって、そのご尊顔を仰ぎ、御声を拝聴する。
それは終ぞ己には叶わなかった至福の時・・・。

生まれて始めて生身で拝謁した『主』は
『義妹』を殺そうとしていて。
『主』の姿に喜ぶいともまもなかった。
次に見えたのは決戦の前夜。

バーンシュタイ城取り巻く森で・・・。
『良いのだ』と・・・、『信じた道を行け』と御言葉を頂いた・・・。
『同胞』達と異なり、己の意思を持つ事を良しとして下さった。
『ヒト』も『御方様』もどちらも選べなかったから・・・。
『御方様』に頂いたこの身体も心もお還ししようと御前に立った。


・・・・なのに・・・・。
『御方様』の爪は俺を切り裂く事はなく・・・。
俺の剣が『御方様』を貫いていた・・・。
崩れ逝く『御方様』を前に・・・
ただ立ち尽くしている事しか出来なかった・・・。
そしてただぼんやりと・・・思った・・・。


自分は紛れもなく『ルシファー(堕ちたる者)』であったのだと。


過ぎ去った時間は最早取り戻す事など出来はしない・・・。
この手で滅ぼした『主』と『同胞』達は蘇りはしない・・・。
己が奪った命と知りつつも・・・。


今はただ・・・。
偉大なるこの世界の『神』とその『御使い』の眠りが・・・。
心安らかなものである事を1人静かに祈りを捧げる・・・。
祈るべき『主』なき静かなる祈りを・・・。


2002年07月15日(月)



 宝物・・・オリジナル

キラキラと手の中で光るガラス玉

私以外の人には全く何の価値もないただのガラクタ

でも私には大好きな人から貰ったたった1つの宝物


あの人にとってさえ何の意味もなく

ただ私に投げ寄越しただけのガラス玉

それでも私には涙が出るほど嬉しい事でした

それでも私には哀しいほどに大切な宝物でした


アナタの関心がかけらほども私の上にはないと知っていても

それでも私はアナタが好きなのです

アナタの声を聞きその姿を見るだけで心が踊るのです

何気ない挨拶でさえそれが私に向けられたものならば

それだけで無上の喜びを感じられるのです


あぁ・・・、アナタ

アナタの心の中のほんの片隅で良いのです

私の居場所を下さい

それが私にとって何よりも大切な宝物になるから・・・

2002年07月14日(日)



 好きな人・・・テニプリ(乾不二)


『・・・ねぇ、乾・・・』

その広い背中に背を預けて呼びかければ。
手元のノートに何かを書き込みながら答えてくれる。

『何・・・?不二・・・』

乾の声で名前を呼ばれるのはスキ。
多分乾の声がスキだから聞いてて安心する。
そんな事を思いながら聞いてみる。

『乾はさ・・・僕の事好き?』
『何を今更・・・・』
『ねぇ・・・?僕のことスキ・・・?』

呆れたような乾の声を遮るようにもう一度聞く。
声が少し震えていたかもしれない・・・。
何だか自分が弱いみたいでイヤだな・・・。
そう思ってたら乾が小さく笑うのを背中越しに感じた。

『俺は不二が好きだよ・・・』

僕のスキな乾の声で好きと言われて
自分で聞いた事なのに何だかすごく恥かしい。
でも同時にすごく嬉しい。
だからさらに聞いてみた。

『じゃぁ・・・僕のどこが好き?』
『・・・今日の不二は質問ばっかりだな・・・』

乾はそう言って笑ったけれどちゃんと答えてくれる。

『ん〜・・・何処がって改めて聞かれるとなぁ・・・。
・・・にっこり笑って何企んでるか解らないようなトコとか?』

くすくすと笑いながらそんな事を言う。
それって褒められてるとは思えないんだけど・・・?
憮然とした僕の気配を感じたのか乾の笑いは大きくなってる。
肩が震えてるよ、乾。

『・・・ソレ褒めてるの・・・?・・・貶してるの・・・?乾』

ちょっと拗ねたように乾の背中に体重を掛けて凭れ掛かって
そう言う僕に乾は笑いながら僕を振り返って答える。

『好きって言ってるんだか褒めてるでしょ?
じゃぁ、逆に聞くけど不二は俺のこと好き?』

う・・・、そう来たか・・・。
乾の事・・・キライじゃない。うん。キライではないよね。
でも好きかって聞かれると良く解らない。
なんて答えたら良いんだろう・・・。

黙り込んだ僕に乾は小さく苦笑して僕の頭にこつんと
ノートを当てて言う。

『何真剣に考え込んでるんだ?それとも俺は仲間としても
不二に認めて貰えてないの?』

乾が『仲間として』好きかどうか聞いた訳じゃない事くらい
僕にだって解る。
でも乾がそんな風に方向性を逸らしてくれたのは僕の為。
乾は絶対に僕を追い詰めるような事をしない。
何だか甘やかされてるみたいでちょっと情けないけど。
今は乾の優しさに甘えて居たい。

『仲間としては最高だよね。乾は』

くすっと笑って僕がそう返せば乾も笑って『当然でしょ?』と
返してくれる。
ごめんね?乾。
今はこの関係を壊したくないんだ。
何時かはちゃんと答えられるようになるから・・・。
多分『乾は僕の好きな人』だって言えるようになるから。


今はこのまま・・・。
『大切な仲間』で居てよ・・・。


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何処が乾不二だ!っちゅうツッコミはナシの方向で。
ちゅうか不二はこんなんじゃねぇ!っちゅうのもナシで(TへT)
白いんだか黒いんだかわからんわ、女々しいわ・・・(滝涙)

不二ファンの皆さん、ごめんなさい〜〜〜〜!!!(脱兎)

2002年07月13日(土)



 麗人・・・テニプリ(リョ→手塚)

親父以外にテニスで負けるなんて思ってもなかった
俺はテニスが好きだと思ったことも
面白いと思ったことも一度もなかった
ただ親父に負けるのが悔しくて
意地でも勝ってやると思って続けていただけだった・・・


アメリカから日本に戻って来て青学に入学した
テニス部以外に入る気はなかったけれど
正直期待なんて何一つしてなかった
たかが部活ってナメて馬鹿にしていた
あの日、あの人に完膚なきまでに負けるまでは・・・


あの日から俺はあの人ばかり瞳で追いかけてる
自覚があるだけにちょっとマズイよね・・・
あの人は俺と同じ男なのにさ
でもすごくキレイな人だと思う
顔だけじゃなくて誰に対しても公平なトコや
真っ直ぐに前だけを見てる瞳や姿勢
立居振舞いって言うの?何気ない動作なんかも全部が
すごくキレイだと思う


いつだったかクラスの女子が騒いでた

「あの人って『麗人』って感じだよね〜」

そんな風に言ってた
その時はまだ全然あの人に興味なんてなくて
何言ってんの?って感じだったけど
今なら解る気がする

『麗人』ってほんとは女の人に使う言葉だけどね
でも『麗しい人』って書くんだから
別にあの人に使っても間違いじゃないと思う
あの人に言ったら絶対怒られるけどね
しかめっ面で『グラウンド20週!!』って言われるのが
目に見えるみたいだよね


でもなんか悔しい
俺ばっかりがあの人を意識してるみたいでなんかヤダ
片思いなんか俺の主義じゃないし
欲しいものは何が何でも手に入れないと気がすまないし?
今の俺はあの人が欲しい
あの人の事ばかり俺が考えてるみたいに
俺のことだけあの人に考えてもらいたい


考えさせて見せるけどね
今はまだ全然あの人には追い付けないけど
絶対追い付いて追い越して
今度はあの人に俺を追い掛けさせてみせる
そうするって俺が決めたし


オレは貴方が欲しいんだ
貴方の心も体も何もかも全部が
オレって欲ばりだし手に入れるって決めたから



だから・・・

覚悟しといてよね?
絶対アンタを手に入れて見せるから
俺の事だけで頭の中一杯にして見せるから
ねぇ?手塚部長?






2002年07月12日(金)



 微熱・・・テニプリ(リョ←手塚)

竜崎先生から昔の教え子の息子が入学してくると
そういう話だけは聞いていた
アメリカでジュニア大会4連続優勝する程の腕だと・・・
正直に言うと面倒な事になったと思っていた

青学男子テニス部はただでさえ個性派揃いで
扱いに困る事しきりだというのに
そこへ来て新入部員に桁違いの実力者が入る事は
恐らく規律を乱すもとになるだろう


そして俺の推測は外れてはいなかった


越前リョーマ
アメリカ帰りでもあるこの新入部員は
全く周りに合わせようとはしなかった
何時でも何処でも自分は自分という意思を曲げない
越前はそれでもその実力でもって部内に
その存在を認めさせてしまった

確かに実力はある
才能も恐らくは俺より遥かに・・・
だが越前からはテニスに対する熱意を感じなかった
越前に負けた海堂や乾がその悔しさをバネに
努力していたというのに越前は越前のまま・・・
何も変わろうとはしなかった

このままでは越前はこれ以上は上を見ない
そう思ったから試合をしようと思った
このままで終って欲しくはなかったから・・・
もっと上を目指して欲しかったから・・・

そう思って愕然とした
今まで誰かに対してそんな風に感じた事はなかった
自分は誰に対しても同じように接する事が出来ると
そう思っていたから・・・
越前に対して特別な思いを持った自分が信じられなかった

越前と試合をした直後からずっと視線を感じる
俺を見る越前の視線を・・・
その視線に気付いてから俺の中に燠火のような熱を感じる
その熱に浮されるかのように越前の事が頭から離れない

自分らしくない
そう言い聞かせてみても効果は全くなかった
知らず瞳が越前を探しその姿を追っていた
越前が気付く前に目を逸らしてはいたけれど


熱が引かない・・・
あの日・・・あの試合の後から・・・
俺の中で微熱が続いている・・・
それを認めるのは何だか癪に障るから・・・
越前には絶対に悟られないように・・・



俺は部長の仮面を被り続ける・・・


2002年07月11日(木)



 月光浴・・・外法帖(天戒主)【完結】

冴え冴えとした月の光を浴びながら『あれ』は
痛いほどに冷たく凍えた滝の水に腰まで浸かり
静かに瞑目していた。

『あれ』はその少女めいた秀麗な顔に
微かな笑みさえ浮かべており滝の水の冷たさなぞ
全く感じてはおらぬかのよう・・・。
見ている方が凍えそうになる。

元来『あれ』は自分の身体を労ると言う事をしない。
寒さ暑さもさしては感じぬと言う。
確かにどれ程凍りそうに冷たい水に入ろうと
『あれ』が体調を崩した事などありはしない・・・。
だからと言って黙っていられるというものでもない。

天戒は聞えよがしに大きな溜息を吐き
真冬の滝の水に浸かりながら
月光浴を楽しむ『彼』に不機嫌そうに声を掛けた。

『いい加減に水から上がれ・・・、龍・・・』

うっとりと目を閉じ月の光を楽しんでいた彼・龍那は
天戒の少々不機嫌そうな声にふうわりと目を開け
声のした方へ顔を向けた。
そして声の主を確かめると嬉しげに満面の笑みを見せる。
そんな龍那の様子に再び大きな溜息を吐く天戒に龍那は
ことりと小さく首を傾げ不思議そうに天戒を呼んだ。

『天戒・・・?どうかした・・・?』

その心底不思議がっている声に
全身の力が抜けそうになるのを辛うじて堪え、
天戒は今一度同じ言葉を繰り返し告げた。

『いい加減に水から上がれと言っている・・・、龍』

傍で見ているだけで凍えそうだと言うと
龍那は不思議そうにしながらも大人しく天戒のいる岸へと
近付きほとんど水飛沫を上げる事無く岸に上がる。
そして近くの枝に掛けた布で手早く体を拭き
同じように枝に掛けておいた夜着に袖を通すと
ふぅわりと柔らかな所作で天戒に向き直る。

優雅な、まるで舞でも舞うかのような優雅な所作に
天戒の意識も一瞬龍那に釘付けになる。
しかし小さな憤りがそれを破り、天戒は厳しい顔で
龍那に向き直った。

『龍・・・、何度言えば解るのだ・・・?お前は・・・』

その表情と怒りを押し殺しているかのような
低めの声音に漸く天戒が怒っているらしいと龍那も気付く。
おずおずと上目遣いに天戒を見上げ恐る恐ると言った感で
天戒に問う。

『えっと・・・あの・・・。天戒・・・怒ってる・・・?』
『・・・・・・』

天戒はその問いに無言を通す事で応えを返す。
龍那は萎れた花の様に項垂れ素直に謝る。

『・・・・心配させてごめんなさい・・・』

龍那が心底悪いと思って謝っている事を感じ
天戒としてもそれ以上怒りを持続させる事も出来ず
深い溜息を憤りと共に吐き出す。
そして恐らくは言うだけ無駄と思いつつ言葉を紡ぐ。

『・・・龍。お前が月光を浴びるのを好む事は承知しておる。
この那智滝で行水する事を好む事も・・・な。
だが、この真冬にまで水に入ることもあるまいが・・・』

心の底から呆れたと言わんばかりの天戒の声音に
龍那は幾分拗ねたように唇を尖らせいいわけをする。

『・・・だってここの水は【優しくて】気持ちが良いんだもの』

天戒と龍那の間で幾度も交された会話。
龍那は『優しいから』という理由で良く那智滝で水浴びをする。
それも月の在る夜を最も好んで・・・。
それは春でも夏でも秋でも変わらず・・・。
いくら何でも真冬になればするまいと思っていたが
龍那にそれは通用しなかったらしい。

もう一度深い溜息を吐くと天戒は幼子に言い聞かせるかのように
ゆっくりと言葉を紡ぐ。

『・・・龍・・・。せめて冬の間は止めよ・・・』

夏場ならばいくらでも付合ってもやるが・・・という天戒の言葉に
萎れた花の様だった龍那の顔に満面の笑みが浮かぶ。
そして天戒の着物の袖を握り締め言質を取ろうと問い掛ける。

『ほんと?夏だったらほんとに天戒も一緒にしてくれるの?』

その様はひどく幼くて天戒のみが知る龍那の姿。
天戒にだけ見せる幼げな様子に小さく苦笑し
ひやりと湿った髪を梳いてやりながら頷いて了承する。

『あぁ・・・、夏ならば・・・な。だが今は屋敷に戻るぞ。
このままではいくら何でも風邪を引きかねんからな』

そう言いながら龍那を促し屋敷へと足を向ける。
大人しく天戒に従い屋敷へと向かいながらも龍那は
約束だと繰り返し口にする。


その約束は今だ果たされてはいない・・・。

鬼哭村の最奥に位置する九角屋敷の一室。
柳生宗崇と黒繩翁との戦いから半年が過ぎ、
天戒は1日の大半をこの室で過すようになった。
季節は既に夏を迎えようとしていた。

新年の挨拶の後円空和尚に呼ばれ竜泉寺へ向かった龍那が
鬼哭村へ戻ってきたのは半月後の事だった。
全身に裂傷を負っていた龍那は天戒の腕の中で
意識を失ってからこの半年、龍那は今もなおこの室で
死とも見紛う深い眠りについている。

傷は疾うに癒えたというのに龍那の意識は戻らない・・・。
天戒は習慣となった村の見まわりの刻限以外の刻を
ここで過す。
その日あった些細な出来事などをまるで龍那が
聞いているかのように語りながら・・・。

『龍・・・、もう夏になるぞ・・・?
約束だと騒いでいたのはお前だろう・・・?』

ただただ眠り続ける龍那の髪を梳きながらいつかの約束を
口にする。

『なぁ・・・?龍・・・?今宵の月も見事だぞ・・・?』

応えの返らぬを知りながら、なおも天戒は言葉を紡ぐ。
そう呼びかけ続ければ龍那が目覚めると云わんばかりに。
一人月を肴に杯を傾けつつ天戒は時折龍那に瞳を向ける。

『早く帰って来い・・・、龍・・・・。
共に月浴びをすると言ったのはお前であろうに』

苦笑と共に天戒は手を伸ばし龍那の前髪を軽く引く。
月明かりに照らされ眠る龍那の顔はとても安らかで・・・。
天戒は龍那が目覚めない事への哀しみと
龍那の眠りが安らかである事への安堵を同時に感じる。
片手で龍那の髪を何とはなしに梳き解しながら
もう片方の手で杯を呷り、天戒はまた月を見上げる。

こうして月の光に身を浸していると天戒にも何となく
龍那が月光浴を好む理由が解るような気がする。
月の光は陽の光と異なり熱量はない。
しかし穏やかに包み込まれるような優しさを感じる。
龍那の持つ『癒し』と同質の力を感じる。


『・・・まぁ良いさ・・・。ゆっくりと休むが良い・・・。
俺はここに居ようぞ・・・。お前が目覚めるまでな・・・龍』



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3度目の正直・・・。今度こそ終了・・・。
ちゅうか1番最初に書き上げたものと
随分変わったような気がする〜・・・。
2回目とも違うし・・・無駄に長いし・・・(T▽T)
これで消えたらわしは泣く・・・。

2002年07月06日(土)



 私の好きな人・・・Siesta(忍×里緒)

私の好きな人はとてもキレイな人・・・

見た目の容姿だけじゃなくて心が・・・


私の好きな人はとても厳しい人・・・

それは他人にだけじゃなく何より自分自身に・・・

そのせいで怖がられる事が多いけれど・・・


私の好きな人はとても優しい人・・・

でもそれは直にはわからない・・・

だってとても不器用な人でもあるから・・・


大好きな貴方・・・

ずっと傍に居て下さい・・・

貴方が傍にいてくれたなら・・・

きっと私、強くなれるから・・・

2002年07月05日(金)



 愛し子・・・GL(ゲヴェ主)


ねぇ・・・御方様・・・?

どうした・・・ルシファー・・・?



『ヒト』は滅ぼさなくてはいけないのですよね・・・

・・・・・・



このままでは『ヒト』は『世界』を滅ぼしてしまうから・・・

・・・・そうだ・・・『ヒト』はこの『世界』には要らぬ・・・



『ヒト』は争ってばかりだから・・・

森を焼き、山を崩し、湖を川を海を汚す『ヒト』・・・



このままでは『世界』は『ヒト』に殺されてしまうから・・・

・・・その通りだ・・・ルシファー・・・



でも・・・・

・・・それでも滅ぼされる『ヒト』を哀れむか・・・?



・・・・御方様・・・・

・・・なれば・・・己が得心行く未来を探すが良い・・・



・・・・御方様・・・・俺は・・・

・・・お前はお前の信じる『未来』を探せば良い・・・



・・・・・・俺は・・・・

お前がどんな『未来』を選ぼうと・・・

・・・お前が私の愛し子であるに変わりはないのだから・・・




2002年07月04日(木)



 月光・・・GL(アー主)

キンと凍てついた夜の空気の中、月の光を全身に浴び佇む
細身の青年を見つけ男は小さく息を吐いた。
宿を抜け出す青年の気配に気付き後を追ってきたのは
どうやら正解だったようだ。
彼は宿に備え付けられていた白い夜着のまま
上着1つ纏ってはいなかった。

元々自分自身の身体を気遣うという意識が
希薄な青年ではあるがここ・バーンシュタインの冬は
彼が生まれ育ったローランディアとは違うのだ。
アーネストは月光を反射して淡い光を放つ青年に
静かに近付いて行った。

アーネストの気配に気付き青年・ルシファーは
ゆっくりと視線を巡らせる。
アーネストにだけ見せる儚く頼りなげな表情。
今にも泣き出しそうなほどに揺らいでいる金銀妖瞳が
アーネストを見上げてくる。
ルシファーがこんな表情をする理由を
アーネストは知っていた。

今日の時空制御塔での戦い・・・。
それがルシファーを苦しませているのだろう。
原住生物であるゲーヴ達の王・ゲーヴァス。
ルシファーのただ1人の主・ゲヴェルに良く似た存在を
再びその手に掛けた事がルシファーの心にどれだけ負荷を
掛けたか・・・それはアーネストには想像する事しか出来ない。

いつだったかルシファーが言っていた事がある。
月の光には癒しの力があるように思う・・・と。
たとえつらい事や苦しい事があったとしても
月の光を浴びている内に少しずつ癒されている気がする・・・と。
だからルシファーは戦闘後の月のある夜は野外に出たがる。

アーネストは無言で持ってきていた上着でルシファーを包むと
そのすっかり冷え切った華奢な身体を抱き寄せた。
アーネストの体温を間近に感じルシファーは安堵したように
小さく息を吐いた。
そして無言でアーネストの背に細い腕を回し胸に顔を埋めた。

哀しいほどの力で縋りついてくるルシファーの髪を梳き
アーネストは晧晧と輝く銀の月を見上げた。
その輝きは何処か彼の白銀の異形神を思い起こさせた。


凍てついた大気の中優しい月明りに抱かれ
2人はいつまでも寄り添っていた・・・。

2002年07月03日(水)



 月麗華・・・オリジナル



月の光に抱かれて咲く月麗華・・・

月明かりの中夜の闇に抱かれてのみ咲き誇る・・・

夜の闇に護られて・・・

月の光を糧として・・・

彼の華は大輪の華となり馨しき香を放つ・・・



彼の華は陽の光の中では生きられない・・・

陽の光は彼の華を殺すだけ・・・

月に抱かれ闇に護られ・・・

漸く花開く月麗華・・・



月麗華・・・それは闇の王が妃・・・

気高く麗しき夜の女神・・・

2002年07月02日(火)



 お日さまとお月さま・・・オリジナル

まんまるなお月さまがぼくを見下ろしている

お日さまみたいにあったかくはないけど

お月さまの光のほうがぼくはスキ

だってふんわり包み込んでくれるみたいだと思わない?

お日さまみたいにぎらぎらしてないから・・・

やさしいのはお日さまじゃなくお月さまのほうだと思うの

だからぼくはお月さまのほうがスキ



ねぇ?あなたはどちらがスキですか?

あったかくてまぶしいお日さま?

それともあったかくはないけれどやさしいお月さま?


あったかいお日さまがスキなあなたはシアワセなんだね

シアワセだからお日さまの光の下でもヘイキなんだね


やさしいお月さまがスキなあなたは寂しいんだね

だからお月さまのやさしい光に安心するんだね



お月さまが大スキなあなた・・・

大丈夫だよ

お月さまがスキなあなたは1人じゃないから

お月さまもあなたが大スキだから

あなたは1人じゃないからね・・・?

いつだってぼくとお月さまがあなたを見てるから・・・


2002年07月01日(月)
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