2006年10月23日(月)
愛しているふりくらいできる 晴れた日に掌をつなげぬくもるために 着信を無視して君が嘘をつく 電波の向こうの誰かと私に 偽りと唇を重ね君の心が どんどん私に傾いていく * * * * * * * * * * * * * * 愛していない。だからこそ嘘がつける。 自分の心に振り回されず、慎重に慎重に、 優しさと意地悪と冷淡さと甘えを秤にかけて、 慎重にビーカーの中に投入するのだ。 ほら、君の心が揺れているのが見える。 2006年10月22日(日) 現実の社会生活での知り合いの人にここを教えていないのは、何かを分かち合いたいとか、理解されたいと思っていないからだ。 ここにあるのは、ただ表現したいと思った事や、整理のつかない感情の欠片であって、あなたに伝えたいこと、ではない。 だから、触れないで欲しい。 理解しようとしないで欲しい。読みたいと思わないで欲しい。探さないで欲しい。 あなたが、現実の側の人間であるなら。 速攻回れ右をして、帰ってください。 感情を他人と分かち合えると、私は露ほども思っていない。 祈りも、願うことも、怒ることも、言葉に拠る全ての事柄は他人と共有できる事ではないと私は思っている。 しかし言葉という形で吐き出さないと立ち行かないので、こうして自分から少しばかり離れた場所におき、自分の知らない人々のめにひっそり晒し、忘れたふりをしているのだ。 たくさんの嘘の言葉を並べて、嘘の物語をつくって、バランスをとっているのだ。 言うならこちらはやじろべえの右手。 左手の人がこちらを向くだけで、ぱったり倒れてしまうだろう。 せめて見ていないふりをしてくれと、前回私は言った。 それが守れないようなので、ええ、帰ってください。 二度とこないで下さいと、はっきり言いましょう。 2006年10月21日(土) その先の白いテープを知りながら 空砲を鳴らす君のくちづけ スタートの合図をしたのはどちらだろう ゴールがあるのを知らないふりで 耳の後ろで君が私を探してる 気づかないふりで声だけを送る 2006年10月02日(月) 夜のようなものの中で つまづく 草むらのなかでは、虫が鳴いている 四方から、ありとあらゆる方角から 音もなく打ち寄せてくるもの 眼にも見えぬものに 立ち向かうすべなどない 礫を探りひづめが厚くなるように 私のたてがみは伸び、 とどめることができない このようにして 始まってしまうのだ、と、また虫が鳴く あらがうことなど、できるはずもなく |
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