2006年11月27日(月)
とっても簡単なことで、それは 唇の両端を持ち上げて 「ええそうね」って 頷いて眼を細めて 全部聞いているわよちゃんと 幸せはこのテーブルの上にあって 暖かな湯気をたてていて 貴方の目の前に並べられているのよって 「ええ、そうよね」 泥にまみれた皮は新聞紙に包まれて 生ゴミの袋に押し込まれているのだとか 排水溝の網の目に毎日スプレーしている 消毒剤の匂いのこととか 知らないのだもの、あなたは 知らなくていいのだもの 簡単なこと、だから 殺させて、わたしに 少しずつ 2006年11月23日(木) わすれものをした ことに気づいた 通学路は片道でよんじゅっぷん スカートは似合わないねって 言われるから ズボンの膝をわざと破いて だけど 忘れたのはわざとじゃない ひきかえそうか? 行って帰ってはちじゅっぷん 可愛いボウズだねって笑ったおじさんたちに もう一度手を振るの 耳に掛からない髪は お母さんが切った リボンで結ぶのが恥ずかしいなら 結べないくらいに お父さんに似たくるくるの髪、 繋げないようにちょきん、 ひきかえせない よね? 自分の事をなんて呼べばいいのか 解らなくって 忘れたことにしたの どこへ、行こうか? 2006年11月06日(月) 雨の日はむしろ 優しい 支えきれないと手放すのは いつだって青空のほうだ 記憶にあるいつかの日 昔々のお話に語られる日にも 裏切るのは雲ひとつ無い空 祈りの言葉など支えきれない、と (わたくしたちが) (へいおんでありますように) (しあわせでありますように) (ゆたかなものでありますように) (わたくしが) 唐突に 落とす ぴかり ど す ん わたくしが子供だった頃 おそろしいものなど何一つ無かった 何者でもない眼で見下ろされても 身じろぎなどしなかった 祈ることを覚え きっと過ぎてしまったのだろう 今 雨の日が続けばと願う せめて薄ぐもりの日々が あの空の色を忘れさせてくれればと ぬかるんだ土に目を落として願う ひかりが、私のもとに来ないようにと 薄闇のなかに、眼を閉じていられますように、と。 2006年11月05日(日) 愛情の残りグラムと寂しさと すりきりで量る今日の肉じゃが 見せられない君は「家族」になったから 顔の無い人に預ける弱さを |
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