あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2006年03月27日(月)

すつくと伸びてゆく、
指のようなもの
芽吹く季節
爪弾く、うすい貝殻の音

やわらかな緑
やわらかな大地
柔らかな、頬、の、上に
描かれてゆく旋律
いつか聞いたことのあるような、記憶


あなたと、境界を探しにゆく
少しずつ剥がしながら
不確かな重なりの
どこまでが沼なのか
どこまでが、水なのか
どこまでが。

春、の音、許されるのか、と





 2006年03月05日(日)

ここには水があり
ここにはつちがあり

うたがある

望む限り、人の祈る限り
雨はふるだろう
ぬかるみにくるぶしは埋まり
ぬくもるだろう、しぶきは汚すだろう

うたえ

そして祈るなら
雨は絶えず
言葉もたえず、
たえず、ふる、あめに
幾ばくかでもぬぐわれて
眼は澄むだろう



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe