あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
(朝) 2004年10月30日(土)



朝が来るようにして 注がれてゆくものがある
名を呼び 目を覚まして
青空の一片 雲のひとひら
数えながらまた 今日が来たことを知る

溢れそうなのは
貴方がいるからではない




 



(NOTE) 2004年10月23日(土)

ほらね ほらね見えないでしょう
あたしたちの間にあるのは
許してもらうことでも許してあげることでも
許しあうことでもないの
見えないでしょう?

昨日とか一昨日とか
言葉が指し示す場所を
永遠に知ることはできないのだし
望んだりなんかしないで
閉じたまま
歌ってるつもりにでもなったらいいよ
聞いているふりをしてあげるから
たぶん幸せだから
しあわせでいてあげるから

もう少しだけ
このままでいいでしょう?




竜田の姫の 2004年10月19日(火)

この夏に泣きすぎたせいで
娘の秋は 鮮やかだ

目の縁を染めて
娘よ、そろそろ涙を止めないか

赤い色を美しいと思うのは
秋がそのようなものだからか
それとも
そのような色を美しく感じるから
秋が赤く染まるのだろうか

泣きはらした夏を忘れて
野分に染まる
娘よ
その葉を落とす前に
私のことを思い出しておくれ


草追い 2004年10月06日(水)

きのう も きょう も
ここにある 
進んだりしてない 相変わらず
あなたは泥のままなのね

いいえ水が乾いて
土になり砂ぼこりになって
飛んでいってしまいたい

私はくぼみ
私はゆがみ
私はしずみ
私はゆるむ

けれど風が吹かなければ
風を吹かせることはできないのかしら
かみさま
ここは凪のまま えいえん を数える場所ですか
動かないまま変わり続ける私が
不動という平原を臨むところですか

わたくしの
あなた の
ゆびさきの
まなざしの

ぱちぱちと燃える遠くの野火が
私の上へと覆い被さりますように
あとかたもなく焼き尽くされますように


(その7) 2004年10月05日(火)



やあ、蛙。 おはよう。

今日は何を鳴くのだい?


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe