あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2003年12月30日(火)


のようなもの が私の部屋へ来てもう五日になった
のようなもの は大掃除の手伝いもせずにコタツで丸くなっている
のようなもの の、声のようなもの は鼻歌を歌っている ようだ

の、ようなもの を拾ってしまったのは単純に衝動で
の、ようなもの は感謝をしているそぶりもみせない
の、ようなもの の濡れた毛を乾かしながら
の、ようなもの の、感情のようなもの について考えてみたりする

の、ようなもの は喋らない
の、ようなもの は語らない
の、ようなもの は歩かない
の、ようなもの はでも いつか 出て行ってしまう
の、ような、もの。

の、ような、もの、は、だけど、ときどき、わらう、から
の、ような、もの、は、きらい
の、ような、もの、が、きらい
の、ような、もの、は、きれい
の、ような、もの、は、
の、ような、もの、は

この街では のようなもの を幾つ冷蔵庫に収めるかが
豊かさの基準になっているのに
私は未だに のようなもの を押し込むことができない
のようなもの が 時々 わらうような 気がするから



神様は、いなくなってしまいました 2003年12月06日(土)

一体、何処へ行ってしまったのか、私は知りません。
ただ、私は祈ることを知っているので、困ったりなんかしません。
祈ることを、知っているので。

その日、
神様が居なくなって、蛙たちは慌てていました。
これからもずっと、鳴かなければいけないので
手近な泥をこねて神様の像を作りましたが、
それは雨に流れてしまうのでした
蓮の花を掲げて、神様に見立てましたが、
それは時が来れば萎れて枯れてしまうのでした。

夜を知っているので、明日の事を書くことができます
泥の暖かさを知っているので、綺麗な雨を書くことができます
貴方の手と繋ぐことができないので、
優しい夢の事を書いて、それから独りで眠ります。


枯れた蓮の落とした種が、千年の後に芽吹きました。

おやすみなさい。



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe