2004年01月27日(火)
鐘の音が 排水溝の内側で鳴り響いている ラタタタン ルタタタン 凍りつくだろう窓枠に 過ぎた夜の気配 線分の内側は領土で 外側には不確定な明日がある 男達はただ真っ直ぐに行進する 線分を足跡で踏み固め 己を確定するために 靴音は高らか しかしその歌は幽かだ いつか流されてしまうものならば ただ一滴の氾濫を起こそう 柔らかな場所から、どこか、遠くへ 丸めた表面をひといきに解き ほら、と招く手の上に まん丸な あな 福音はそこから聞こえてくるのだ 2004年01月03日(土) 君が 刻んでいる 君が (台所で) 刻んでいる 君が 朝の (台所で) 刻んでいる 君が 朝の (台所で) 希望を (明日から切り離そうと) 刻んでいる その音を 僕は 目を閉じて聞いている ととん と鳴るのは木戸の音だろうか 尋ねてくる友人達は既に人の形を喪って 風や日陰の冷たさや 陽だまりの猫の髭のたわみ おめでとうと いう言葉は 相応しくないだろう 刻まれた朝は 霧の立つ川面に流して 掌に残る昨日を ひとつひとつ拾い上げよう 初日の方角から やってくる優しさに いってしまった人の声が そっと 耳の 縁に 君は 刻んでいる 君は (朝を) 刻んでいる 君は (朝を) 刻んでいる (今日の為に) |
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