あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2003年06月18日(水)

打ち水に夏が呼ばれて
谷渡りの声が消えて行く
もう何度目だろう、暗がりの貴女にさしのべたのは

しろい、服は
湿り気の中を歩くために
紫陽花に惑わされて、見失ってしまわないように
どうぞついて来て下さい
わたくしの、手を握りしめて
細い煙が貴女を呼ぶのなら
何度でも点しますから

うつむいてゆく青竹の下に
足跡は残らなくとも
覚えています、わたくしはずっと
貴女の歩いたしるしを
ささやかれる、願い事を
だから語ってください何度でも、

何度でも、わたくしの知らぬ風景を



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe