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■秘密
よくわからん。午前三時半だし。
スゲー些細なことだよ。 臆病だけど割と不躾な私なので、そろりそろりと好きな人の懐には入り込んでみようとしたりする。 そうして縮めた距離は本当に、私の努力の賜物以外のなにものでもないわけだけど。
例えば煙草、コーヒー灰皿。 それは暗号か? 顎で使う後輩にすら「もらうぞ」の一言は言う癖に、私のだと勝手に取る。
昔、そういう風にしてる人がいた。 お互いにもう、お互いのものをわざとごちゃ混ぜに扱う。 目配せも必要ないなんて振りで、目を合わせることも余りしなかった。
あなたのそういう態度に期待するという話ではなくて。 単純に、気持イイ。 言わなくてもわかるなんて陳腐じゃなくて、わからなくても構わないという許容なんだろね。 でも、あの人みたいにツーカーではないけどね。 まあ対等ではないわけだから。 いつか。いつかね、あなたとはそういう風になれたらいいのにと思う。
近付きすぎて混ざりそうになる、特殊な親近感。
ねえ、「お前にはひとりでいて欲しい」なんて言い放って、私を手放さずに私を置き去りにしてみせてよ。 あなたのものにはならなかった、あなたのものになれる。
2006年06月14日(水)
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