告白は喉の奥
L.ニトロ





昔、ある男に
「君にはずっとひとりでいて欲しいなあ(笑)」
と言われたことがある。
そう言った彼とは色恋で縺れたこともあって。
その後もお互い恋人が出来たり別れたりしながら、友人関係が続いていて。
ある時好きになった人に言われたことについて愚痴っていたら
「ああ。なんか、君は誰にも捕まえられない感じはするよ(笑)」
と。

どうして私にひとりでいて欲しいのか。
自分が捕まえ損ねたからなのか。
そうであって欲しいキャラだという意味だったのか。
好意を示してくれただけなのか。
よくわからない。

もう交流のない今でも、彼を好きだし信頼しているから、どういう意味だったのかな、と思う。


きっと彼は、そう言ったことなんかもう覚えてない。
みんなそう。
忘却は自己防衛機能なのに、忘れてしまった方が楽なことばかり、私はしっかり覚えている。
誰も捕まえられないとか言われても。

いつも、置いて行かれたような気持になる。
ぽつんと。


優しい言葉も慰めも謝罪もムダ。
「…そんなこと言ったっけ…?」って、
あなたが口にする度、表情に出す度、
私はあなたを諦める。

2004年05月28日(金)



たまには、


たまにはすごくフツーに。

あなたは恋人のことが本当に好きみたいで、胸が痛い。

抱き締めたい。
髪を梳いて撫でたい。
あなたに何も、私も私以外も全部見えないようにすっぽり包み込んで抱き込んでしまいたい。
何も言わないで。何も聞かないで。何も見ないで。
抱き締めさせて。

とりあえず、会いに行くだけの時間もなかなか作れない。


抱き締めたい。
それだけでいいから。抱き締めてそれで終わりにしたい。

続きを禁じた想いは残酷。辛い。苦しい。痛い。
絶望。絶望って、希望の無いことなんだと改めて痛感する。


それなのに、それでも、あなたを想うこの気持は、
偽りなく
掛け値なしに
あなたに出会ったあの瞬間から、
ただ、幸福。

悲しい。

2004年05月27日(木)



ぐるぐる。


少し振りに少し話せて。
ふと。

離れた方がいいの?
ごめんね、よくわからない。
他人だからわからないのか、私がズレてるからわからないのか。
あなたをそうやって拗ねさせてしまう理由がわからない。
甘えてるの? とも思うんだけど。
バッドタイミングでアクセスが続いてるから、鬱陶しいとは言わないまでも少し面倒だったかな、とか。

じっと黙ってイイ子にしてて、あなたからのアクセスを待ってる方がいいのかしら。
まあでも、性に合わないし。
あなたって自分から誘わない人だし。
切れたらそれまでだとでも思ってるんだろうし。
だったら切れるかどうかは私が決めないといけなくなる訳だし。


ねえ、どうしたの。
なんでそんな不安そうなの。
疲れてるだけ?
抱き締めたくなるよ。
大丈夫だから、って。

それとも、抱き締めたいと思うような私の空気は伝わってしまっていて、
それがあなたの幸福に影差してる?

ぐるぐるまわって。
いつもの悪いクセで突き詰めてみたくなる。
だけどそうしたら、どこかでボロが出るだろうから。

困ったねー…って、なんか不安そうなあなたの声を聞いてる。

2004年05月23日(日)



溜息。


ねえ、このおおらかな気持はなんだろう。
いとしいというか。
そういう温もりすら、あまり感じなくて。

客観的に言えば失礼なあなたの態度は、だけどある程度道理の解った大人同士なら許し合う程度の些細なことで。
なんだか自分が冷静で鬱陶しい。
狂ったようになれたら清々しいのに。

あなたがいらないんじゃないかと不安になる。
いてもいなくてもいいんじゃないかと。
そうして「だけどこうやってアクセス繰り返してるじゃない。中毒症状みたいに」と打ち消す。
私はあなたよりも私の片想いばかり見ていて。
だからそれを持続できればそれでいい。
あなたがどうであるかは、大して関係ない。

ねえ、このおおらかな気持はなんだろう。
あなたに狂っていたいのに。
忘れられたら詰りたくなるぐらいに、あなたにハマっていたいのに。


声を聞かせて。
謝罪なんかどうでもよくて反応できないから、甘えた声で何か言って。

2004年05月20日(木)



スメル。


ええと、あなたに電話してみよう。
…というところで、妨害にあった。
最近知り合った年下の男の子。

ねえ。可愛いのにねえ。
っていうかカワイイモノ好きだな、私。

だけどねえ、あなたじゃなきゃいけない理由は?
あのねえ。
いい匂いがするんだ。
それはヒステリーを招く匂いなんだ。
それはダークサイドの人間とか、変態とかを惹きつける匂いなんだ。
だから、聞いたことはないけどきっと。
あなた、恋人に傷つけられたこととか多いでしょ。
あなたに原因がある訳だけども、一概にあなたが悪いとは言い難いんだよねえ、それって。

いい匂い、してるからね。
残念だなあ。
好きにならなければきっと、もっとあなたの観念とか感性とかに深く食い込めたかもしれないのに。
本当に、良いお友達になれたかもしれないのに。


幸せになって欲しいよ。
だから、残念。
好きになってしまうなんてねえ。

2004年05月18日(火)



言うことないし。


あなたの声が聞きたくて、だけど、伝えたい言葉が、無い。

言いたいことも、特にない。
皮膚と肉と骨と内臓の更に奥。
ココで、渦を巻いているものは勿論誰にも見えない。
色々、話したり話さなかったりして、言葉と無言の両方の力を思い知る。

「おやすみ」と、なんとか伝えて。


…さて、次からどうしよう、とか。

2004年05月14日(金)



あなたにラリってます。


やめて。
やめて、お願い。

飲み込んでるんだ。
必死なんだ。

絡まる矛盾に捩じ切られ、皮膚が裂けそうになる。
甘い声に目眩がする。
小出しの好意に喉から手が出そうになる。
媚びられると誘惑に前後不覚になりそうで吐き気がする。
窺わないで。
歩み寄らないで。
距離を測らないで。

傍に来て。
私の声を聞いて。
きちんとあなたを拒絶できていると確信できるように、私が見える距離にいて。


常習性の甘い毒の、緩和剤は毒で。


あなたの声だけが私を素面に戻す。
求めも受け入れもしないのだと、腹を括らせて。

早く。
声を。

2004年05月13日(木)





一日何も食べずに夜からケーキを食べに行って。
付き合ってくれた男友達に抱かれた。

終わってから戸惑う顔で私を見る彼を見ながら、
セクシュアリティを見失う。
困ったなーとか思い。


感情が無くなりそうになるから、愛のない行為はあまり好きじゃない。
カラダとココロは全然別物なんかじゃないから、血糖値が下がるだけで感情の起伏が少なくなる。
無防備でいるとぼんやりしてしまう私を、放っておける人の前でしか緊張を解けない。


愛されたいわけじゃないから。
私でいることを許して。

2004年05月12日(水)



困った。


これは、なに?

確かなのは嫉妬。
初めて聞いた、そんな声。
そう。恋人のいる前では、そんな声で喋るの。

自分を醜いと思うよりまず、熱い。
胸の奥が、灼ける。

媚びられたいという欲望。
誰よりも、誰よりも。
顎を掴んで此方を向かせ、その柔い肌に、
首に腕に胸に腰に脚に、きつく指の食い込むほどに掴みたくなる。

「痛い」と言わせ、引き裂いて。


だけどそんな、虚しい。

官能小説やアダルトビデオならそこで終わり。
続く現実に続かない物語なんか、しんどいよ。

穏やかにならない胸中、穿つ針のよに。思う。ぽつりと。


少しでも長くそのままで、幸せでいてください。

P.S.
ああ、いや、ごめん。ちょっと意地悪言ったかもしれない。ごめんね。






ああ、しまった…
遂に気付いてしまったなあ…

私、君が好きらしい。
本当に残念。
「好きかもしれない」って、危ない橋はもう、渡れない。
嫉妬が崩してしまった後に、新しく架けられた橋は、一方通行で。
…困ったなあ。
結論は、変わらないのに。

多分、この先。
あなたは甘い声を聞くことになる。
苦い顔を見ることになるかもしれない。
そしてそこから進まない。

隔たりだった曇りガラスがクリアになって。
こちら側が見えれば、あなたは気付くかもしれないね。
そこに厳然と、隔たりが築かれていることに。

2004年05月11日(火)



口の中。


言ってしまいたいと思う時も、もちろんある。
包み隠さずありのまま、今の私の気持ちを。

恋人が大事なら、好きなら、別れなくていい。
私の存在が代用になって気が済むのなら、別れたっていい。
あなたを好きだから。
ずっと好きで居続けるから。
何も心配しなくていい。。
ひとりにはさせないから。
あなたが望んでも、望まなくても。
目の前にいなくても、私はあなたを思い続けているから。

だけど、あなたのものにもならない。

恋人がいようが、いなかろうが、
こうしてあなたを慕い、想い続ける人間がいることに、
想い続けられる自分であることに、
自信を持って輝いて、傲慢なほどに胸を張っていればいい。

想い続けている人間がいることで、あなたが輝けるなら、
それこそがなにより。

求められることを望まない限り、
あなたには永遠の「想い人」があり続けるよ。

笑っていて。


だけどそれは、余りにもエゴイスティックな想い。
あなたに選ばせているようで、私はあなたから選択権を奪う。
ただひとつ、私達の関係に於いて。

だから口にしない。
あなたを手に入れる気はない。

私の想いを伝えることは、あなたにリアクションを求める、
或いはリアクションを誘発することになる。

あなたから何も欲しくない。
あなた自身すら。


ただ、あなたを好きで、好きで居続けたいだけ。

2004年05月10日(月)



おサルさん。


あなたの声を聞きもせず、姿を見もせず。

猥褻な画像を見て思い出すのは甘い声で。
記憶の中の姿に欲情して、妄想のあなたを、抱く。
縛ってみたり、弄ってみたり。
泣かせてみたり。
エスカレートする貪欲が誘眠を食べてしまって、寝不足なのに眠れない日々が続いている。

心なく交わることに罪悪感を知らないのか。
冗談めかす言葉にあなたの目は少し蕩ける。

例えば今、私達が交わるならば心などない方が面倒はないし。
それでも、「もしかしたら」とあなたが覗き込む私の瞳は、スパイスにでもなる?


確かに、愛してしまうより余程マシだけど。

2004年05月09日(日)



整理整頓。


ンー…。

頭の中に時々掃除係がやってきて、散らかった色々を並べていく。
私は、そう、奪いたくなるほどにはあなたを好きじゃないらしい、とか。
あなたがどれぐらい私を好きなのか。
「測定結果
  甘い声で喋ってみる  ○
  連絡がないと気付く  ×
  触ってみたくなる    ○
  好意は受け入れる   ○
  励ましたくなる      ○
  能動的好意を示す   ×
  カマをかけてみる    △
  好意を試す        ○
  辛い時思い出す     ○
  幸せな時思い出す   ×
  誘惑してみる      ×
  受動的好意を示す   ○
         以上予測含む」
つまり、その程度。とか。


なんにつけ、押しに弱い人を相手にするのは苦手。
コントロールの大半を握らなくてはいけなくなるから。
自由と好き勝手は違うよ、ハニー。

自由でいたいから、好き勝手にはできない。
だけど好きだよ。
腹を括る覚悟なんかできない程度になら。

2004年05月08日(土)



一方通行の扉


要らないから。

好意以上とか。
甘え以外とか。
理解とか。

でも媚びてみせて。
都合よく悲しい時だけ甘えに来て。


混じり合う気はないんだ。もう。
…懲りてるのかもしれない。
混じり合いたいと思うほどに、別の人間だって気付くことに。

だからもう、両想いは望めない。


今のまま、薄々私の気持ちに気付きながら、「自意識過剰だろうか」と疑いながら、
気紛れに声を聞かせて。

誰かを好きでいないと生きられないのに。
ひとりじゃなきゃ生きられない。

2004年05月07日(金)



消去法の幸福。


諦めているのが悲しいとか、
消極的がよくないとか、
なんとだって言えるだろう。

だけどどうして、ただ、
私では幸福にできないと知っているから。
「当たり前」とか「普通」とか「ありふれた」とか。
そういうものが本当はどんなに貴重で、手にしている人には当たり前でも、手に入れられない者にとっては、どんなにか憧れの対象で、絶対に手に入らなくて、努力とかそういうことでは補いきれないものなのか、知っているから。
私の彼女が私の子供を欲しいと思った時、私が彼女に私の子供を産んで欲しいと思った時。或いは逆の立場でもいい。
「その代わり」の何か、どんな素晴らしいものを二人で築けたとしても、代わりは代わりでしかなく、私達が本当に欲しいと思う、私達の子供を誰も授けてはくれない。

無責任な励ましを口にする人達は、何も与えてはくれないのだから。

せめて、あなたが幸福になれる可能性に賭けてはいけないだろうか。
せめて、私に会う時ぐらい悩みから遠く離れ、安心していて欲しいと願ってはいけないのだろうか。
笑っていて欲しいと、それだけでいいと、
あなた自身を望まないことが悲しいだろうか。

欲望のままに、苦難も悩みも共に、ふたりになることを選ぶことが、
選ぶことだけが、素晴らしいだろうか。


幸福でいて欲しい。
片思いを続けるという選択が、エゴイズムでも。


その場凌ぎでも何かの代わりでも慰めでも暇潰しでもいい。
落ち込んでいても泣いていても、笑っていても幸福でも不幸でもいい。
その声を聞かせてくれさえすれば。

あなたが私を思い出したと知るだけで、
ささやかな幸福の花がここに咲く。

2004年05月06日(木)



解け合える、という、哀しさ


元気を、分けてもらおうと思ったんだった。
ひとりは弱いから。
ひとりじゃない人から、元気のお裾分けをとか、甘えたことを思って。


疲れていた二人で、心の深いところに触れてしまい。
触れて「しまった」などとは、あなたはきっと思わない。
何もかもが、私には哀しい。

あなたの言ってることを理解できることも、
それをあなたの恋人が理解できないことも、
そんなことは意味がなくて。
暗いところを一緒に歩ける人を探してなんかいない。
ずっと。
だけどあなたがそこにいたいなら、もしかしたら、
…あなたの恋人よりも私の方が、上手に手を引けるね。
一緒に歩いて、そうして、

…ゆるせるよ、あなたを丸ごと。存在ごと。価値観ごと。
意味がないね。
その方が楽だとしても、あなたは許してくれる人を探すわけじゃない。
その道が苦しくないとしても、私は暗いところを歩きたいわけじゃない。

なんの意味もないね。
あなたの優しさも、私の寛容さも。


出逢うのが遅すぎたの、かもね。
好きな人を幸せにしたいと思う。安らいでふたり、暮らしていきたいと思う。
誰も幸せにできないと思う。安らぎなど私を苦しめるだけだと知っている。
自分を信じていた頃なら、自分の方が理解できるという理由で、あなたを抱き締められた。


告白は喉の奥。
飲み込めず、吐き出せず。
幸福になりたいとすら、思えないんだ。

2004年05月05日(水)



昔々…


例えば、

あなたが霧に包まれて一歩も動けなければ
雲に蔽われて陽光が見えなければ
風になって霧も雲も晴らそう

あなたが道に迷うのなら
道標となり行く先を示そう

あなたが自身を見失う時には
鏡となってあなたを映そう


それだけが私にできること
それが私の愛し方
あなたに触れることはなくとも

「だけど現在」

あなたが私を見失ってしまったら、
声すら届かない。


2004年05月04日(火)



飽和のまま、惰性で。


寂しい時、誰かといたいと思わないのは。
それでは寂しさを忘れることが出来ないから。
お前のは慣れるんじゃなくて、飽和なんじゃないのか。と言った人がいた。

そうだったのかもしれないし、そう言われてから、そういう手段もあると気付いてそうするようにしたのかもしれない。
寂しいとか苦しいとか、限界があって。
ただ、私が甘いだけなのかもしれないけど。
あるラインを超えると、無感覚になる。
正確には、無感覚に似た、ある一定の苦痛を惰性のように持ち続ける。
それ以上ひどくならないから、放っておく。

今、きっとその状態で。
こういう楽さを知ってしまったら、怖いじゃない。

ひとりでなくなるのは怖い。
浮き上がれば落ちる余地が出来るから。


私は余程寂しがりで、怖がりなんだろう。

2004年05月02日(日)



同じ台詞。


ひとりでいたいと強く願う。
「なに拗ねてんの」と、別の口からもらう同じ言葉。
否定できずに「…そうなのかなぁ…」と返してしまうのは
私、素直なんだろうか。と思う。
答えは見つからないのだけど。

あなたの番号をメモリーから消した。
掛けようと思えば掛けられる保険付き。
そうするだけで、あなたからの着信は、名無しになるんだよ。
面白く、ない?

なに拗ねてんの。って、今度の声は私自身。


いいの。
不器用なの。
全がダメなら零の方が楽なの。

2004年05月01日(土)
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