全てフィクションです 【DRESS】 - 2003年06月18日(水)「兼松さん・・・?」 腕を抑えていた男がそいつに向かって問う。 「兼松さん・・・コイツ、ヤるの?」 オイオイやめろよお前ホモか?気持ちわりーからよせよ!と 後ろから野次が飛んできたのも気にせずに 兼松は気持ち悪いニヤけ笑いを近づけながら 僕の目の前で臭い息を吐いた。 **************************************** **************************************** 「兄ちゃん・・・やっぱり行くの?」 荷物を整理していると、部屋のドアが開いて瑤子が覗いた。 「あと少しで卒業だったんだけどね。仕方ないな」 はぁ、と僕が溜息をつくと瑤子は済まなそうな顔をした。 瑤子が悪いわけじゃないのに、彼女は自分が逃げたせいだと思っている。 兼松が僕に手をかけようとしたその時 学校の先生達が駆けつけてきた。 逃げた瑤子が急いで先生を連れてきたのだ。 あわやという所で僕は助かった。 下半身素っ裸で、衣服を手繰り寄せながら座り込んでしまった。 後はほとんど放心状態で、先生たちから説明を求められたが ちゃんと相手に理解出来る様に話せたかは自信が無い。 もちろん瑤子をさらい乱暴を働いた奴らはそれなりの処分を食らったが なぜか、僕にも暫く学校を休むようにと学校から言い渡された。 初めての恐怖に塞ぎ込んでいるのを両親はひどく心配し、 後たった数ヶ月で卒業だったのだが、転校を強く勧められた。 と同時に、乱暴な奴らと顔を会わせる事が無いようにと 母の親戚がやっている少し離れた街の下宿に住む事になった。 そこなら奴らが場所をかぎつける事も無いし 学区が違うので再び同じ高校に進学することも無い。 その親戚が保護者という事で、僕一人住民票を移す事になった。 - 【DRESS】 - 2003年06月17日(火) めちゃくちゃに乱暴されながらズボンを脱がされ 必死で抵抗しながらも、どこか気持ちは冷静で 「女の子がレイプされる時はこんな気持ちなのかな・・・」 と考えたりしていた。 とてつもない恐怖を感じていた。 トランクスを下ろされ、奴らは一点を凝視しながら ぎゃははと大笑いしていた。 「なーんだ!ついてるよ!」と言っていた。 当たり前だ。僕は女じゃないんだから。 お前らと同じ物がついてるのがそんなに珍しいのかと思う程 奴らはそれはそれは面白そうに僕をみて笑っていた。 これで済んだと思った。 ぐったりした僕を見て満足そうな顔の奴ら。 終わった・・・これで帰ることが出来る。そう思った時、 その時信じられない事にその中の一人が自分のベルトに手をかけた。 そいつは自分のズボンのベルトを外し始め 狂った目で僕に近寄ってきた。 ・・・何をする気だコイツ。 そう思ったのは僕だけじゃなかったようだ。 周りのほかの奴らもそいつの行動を見て目を丸くしていた。 - 【DRESS】 - 2003年06月16日(月) ガラガラと音がして再びドアが閉まった。 「あ〜あ瑤子ちゃん行っちゃったー」 残念そうな声がした。 「まぁでもアレだ。こうして藤沢クンが来てくれた事だし」 ワザとらしく馴れ馴れしい様子で僕の肩をぽんぽんと叩いた。 そして唐突に男は 「なぁ藤沢って女なんじゃねーの?」 と仲間に向かって棒読みの台詞のように喋った。 周りの奴もそれに調子を合わせて棒読みで言い始める。 「だよなぁ。女装じゃなくて本当に女なのかも」 「顔も結構女っぽいよな」 「女だと思えば結構可愛くね?」 「やっぱそう思う?こりゃ確かめないといけねーよな」 「だよなだよな本当に男かどうか分かんねーしー」 な・・・何を言ってるんだコイツラは? 「ちんぽ付いてっかどうか見てみたいな」 なにぃ!?こいつら正気か!? うわっちょっちょっと待てよ! 「なにすんだよ!」 ズボンのベルトに手をかけられて、僕は本気で焦った。 「何を考えてんだ!男に決まってるだろやめろよ!」 そうやって僕が叫んでる間にもベルトは外され、ファスナーがおろされる。 ぎゃはははと下品な笑い声を発しながら奴らは。 - 【DRESS】 - 2003年06月13日(金) 周りの奴らは黙ってそれを面白そうに見ている。 「俺最近ご無沙汰だから、小学生でもイイと思っちゃうんだよね」 「瑤子ちゃ〜ん。どんなパンツはいてるのかな〜」 面白がって口々にムカつく言葉を吐いてやがる。 マットの下の方の隙間から瑤子の体に手を伸ばそうと探ってる奴まで。 必死に腕を振り解こうとしたものの、腕も首もびくともしない。 僕一人じゃどうにもならない人数だ。 いや相手が一人だってどうにもならないだろう。 僕は喧嘩をした事がないし腕にも自信がないし 現実にこいつらに掴まれたまま一歩だって動けない。 「頼むよ。僕が来たんだからもういいだろ。帰してやってよ」 目の前の男を見て僕はそう言った。 そいつは観念した僕を見て満足そうな顔をしながら 「しょうがねぇな!藤沢が遊んでくれるってよ!」 男が叫ぶと、他の奴も瑤子を掴む手を緩め、マットが解かれた。 相変わらず僕の方はがんじがらめにされたまま 「瑤子・・・先に帰ってなさい」とだけ言った。 瑤子はビクビクしながら不良どもの間を縫っていったが 僕の方が気になるようで中々出て行こうとしない。 その間にも奴らは瑤子の体を眺めていたずらしようと 目が光ってるような気がした。 「早く帰りなさい!」 その怒鳴り声がスイッチになったように 瑤子は勢い良く引き戸を開けて駆けて行った・・・ - 【DRESS】 - 2003年06月12日(木) 「瑤子、なんか痛い事されなかった?」 木戸を無視して巻かれている瑤子に近寄った。 「うん大丈夫」 周りには怖そうな奴らがニヤニヤしながら僕達を見ている。 平気なフリをした。 本当は少し体が震えていたが。 マットに巻かれて立てかけられていたのを焦って剥がしにかかると すぐ横にしゃがんでいた男が立ち上がって僕の肩を掴んだ。 「なぁ、妹可愛いよな」 気持ち悪い獣みたいな顔を近づけて僕と瑤子を見比べた。 それも無視してマットに手をかけようとすると 掴まれていた肩が急にぐっと後ろに引っ張られて僕はよろめいた。 「あっ・・・」 「シカトしてんじゃねぇよ! お前が遊んでくれないから妹連れてきたんだよ? せっかく遊んでくれると思ったのによぉ〜 やっぱ妹の方が可愛いから遊んで貰っちゃおっかな〜」 そいつがそう言うと、後ろにいた奴が瑤子の顔を掴んで 唇を漫画のように突き出し「ん〜」とキスする真似を始めた。 これに洋子は驚いて「いや!兄ちゃん!兄ちゃん助けて!」と 顔を振って抵抗しようとした。 それでも無理やりに瑤子の顔を強く掴んで、 奴は自分の顔の方に尚も向けようとしていた。 やめろよ!と叫んで掴みかかろうとしたが、 突然周りの奴も立ち上がって僕を力ずくで制止させた。 - 【DRESS】 - 2003年06月11日(水) 踵を返して僕はそいつに掴みかかった。 「どこにいるんだ」 いつも弱弱しい様子の僕の声が急に低いものに変わったのを聞いて 奴は驚いた様子で向こうを指差した。 「こ、校舎の裏だよ…」 僕に掴みかかられてちょっとでも怯んでしまった自分が恥ずかしかったのか 後ろから「オカマ野郎」と吐き捨てる声がした。 背中に変な汗をかきながら僕は校舎裏に走った。 どこだ・・・ どこだ瑤子・・・ あいつら!瑤子はまだ小学生だぞ! 僕をバカにしたいなら僕を攻撃すればいいじゃないか。 なにもあんな子供にまで手を出さなくてもいいじゃないか! 校舎の裏には体育道具の倉庫と部室がいくつかあった。 ぱっと周りを見渡したが人影は見えない。 「瑤子!」と叫ぶと、どこからか瑤子の声が聞こえた。 「兄ちゃん!ここ!」 声がする方を探って倉庫に近寄った。 中から「兄ちゃん!兄ちゃん!」と叫ぶようこの声 それに「うるせぇな」という声が続いて引き戸が開いた。 中にはマットに巻かれた瑤子と数人の男たち。 ドアを開けたのは木戸だった。 「藤沢さぁ〜最近構ってやってんのに無視するだろぉ〜? だからさ、妹連れて来たら藤沢来てくれると思って」 木戸は纏わり付く様な視線で僕の周りをうろついた。 -
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