...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年05月08日(木)

来る日も来る日も嫌がらせは続いた。
それでも僕はもうすぐ卒業だからと思い、我慢を続けていた。
卒業してしまえば何もかも終わらせる事が出来る。
今の中学がある地域とは違う学区の高校を受験しよう。
そしてまた、元の生活に戻ろう。

こうして我慢をしながらも恙無い毎日を送っていたある日。
放課後に他のクラスの同級生に声を掛けられた。
僕とは今までかかわった事も無い奴だ。
髪型が鶏みたいでズボンが太い。

「おい、先輩がお前の事呼んでたぞ」
「先輩って?」
「さっき俺の先輩がお前と話したいってな。
 行ったほうがいいぞ。なんか女拉致ったとか言ってたな」

男はニヤニヤしながら僕の顔をうかがっていた。
女の子を拉致?
それが僕となんの関係が。そんな犯罪みたいな事係るのは御免だ。
正義感をかざして助けに行ったって僕には何も出来ないよ。

無視して帰ろうと踵を返すと、後ろからまだ奴が叫んでいた。

「あの女、ヨウコ〜とか言ってたけどなぁ。いいのかなぁ」


サァーっと音がして自分の顔から血が引いていくのが分かった。


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