...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年01月31日(金)

よし、ご飯を炊いている間におかずを作ろう。
味噌汁を作るためには、まずニボシでダシを取るんだ。
そして豆腐を小さなサイコロみたいに切って入れる。
そして味噌を溶かせば出来上がる。
はず。

だけど戸棚や台所の周辺を探してもニボシなど見つからない。
仕方なく僕はダシは諦めて沸騰した鍋に豆腐と味噌だけを入れ
おタマで味見をしてみた。
大丈夫、飲める。
あとは豚肉をフライパンに乗せて焼いた。
これは焼肉屋と同じだから大丈夫だ。
皿に移して焼肉のタレをかけた。

よし、これでご飯が食べられるぞ。
初めて台所に立った割りには素晴らしい出来だと思えた。
僕は満足げにテーブルに皿を並べた。
あとはご飯が炊けたら。

一息ついたら、また母親の事が気にかかった。
それにしてもママは一体どこへ行ったんだろう。
今までこんなに遅くまで出掛けていた事など無かった。
初めての料理に奮闘しているうちに、時計はもう10時を指していた。
家の中は何か変わった様子など見受けられない。
ただ、母のお気に入りのバッグがいつもの場所にぶら下がってない。
事故にでも遭ったんだろうか。
どうして僕に電話してくれないんだろう。
僕は段々心細くなってきた。


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【DRESS】 - 2003年01月30日(木)

「ママ・・・遅いな」

テレビの中では勇者たちが緑のフィールドにぽつんと立ち尽くしている。
いつもなら長くファミコンで遊んでいれば
たちまち母がやって来て「目が悪くなる」と言ってスイッチを消される。
だけど今日は、文句を言ってくる人が誰も居ない。

一体何時間遊んでいたのか、部屋の中はすっかり暗くなっていた。

僕はお腹がすいて胃がキリキリと痛んだ。
ゲームの画面を切り替え、そこに現れた文字列をノートに書き写す。
当時のゲームソフトには「セーブ」という機能が無かったので
セーブデータを残すにはゲームのデータを表す
かなとアルファベットの文字列を書き写さないといけなかった。
僕は注意深く文字を間違えないようにノートをとると、
もう一度冷蔵庫を物色する事にした。

冷蔵庫には、豚の小間切れ、とうふ、キャベツ、しいたけ、
ニンジンとサトイモを茹でた物と納豆、アゲなど
そして味噌や調味料が入っていた。
やはり、すぐに食べられるような物は無い。

僕はとりあえずご飯を炊こうと思ったが、なにせ米も研いだ事も無い。
当時は男子は家庭科というものも無かったので包丁の使い方すら分からない。
それでも炊飯器から内釜を取り出し、そこに米を入れた。
そういえばこの前の技術の授業の後、
女子はご飯と味噌汁を作ったという事を思い出して
その時に見せてもらった家庭科の教科書の図解を一生懸命思い出しながら
水で流し、適当に手で揉み炊飯器をセットした。


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【DRESS】 - 2003年01月29日(水)

先にも記したとおり、僕の小学校時代は何事も無く送られた。
母は諦めたのか、それとも他に何か手を考えていたのか
それは今となっては分からない。
が、母は大人しく周りの勧めに従って、僕に男物の服を着せ
以前のように「お前は女の子なんだから」と言い出す事も無くなった。
それと同時に僕に興味を持つことも無くなり
一緒に出掛けるという事も極端に減っていった。
母は、男である僕となど関わりたいとも思わなくなったのか。

睾丸を片方と母の愛を無くした代わりに、僕は男になれたという
なんとも皮肉な結果だ。

だけど、そんな母との生活も長くは続かず
中学に入る前には僕は父の元に身を置くことになった。

あれは忘れもしない小学6年生の夏。
土曜の昼。
学校からお腹をすかせて帰ってくると、家に母は居なかった。
適当に冷蔵庫の中をかき回してみたが
すぐに食べられるような物が何も入っていない。
当時僕はお小遣いというものを貰っていなかったのでお金も無い。
お腹はグーグー鳴っていたが、
それでも土曜日に僕が早く帰ってくる事は母も良く分かっているから
きっとすぐに帰って来るのだろうと思い、
一人ファミコンをして過ごした。


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【DRESS】 - 2003年01月28日(火)

サチが入院している間、父親は先日の言葉通り毎日やって来た。
自分の息子の顔を暫らく眺め、いつも特に話もせずに病室を去る。
そして廊下では初日ほどの激しさではないにしろ、
母親との言い争いをしてから帰って行った。

退院が決まった日まであと2日程になった頃
いつもの様に父親がサチを見舞いに来ると、病室には誰もいなかった。
ベッドは片付けられ荷物は何も無くなっていた。

「あ、あのう、うちの・・・」
丁度そこに通りがかった看護婦を捕まえて、
サチの父親は自分の息子の事を尋ねようとした。
少しムッとした様子で看護婦が事の顛末を教えてくれた。
どうやら、医師の決めた退院の日を待たずに
サチとその母親はさっさと出て行ってしまったらしい。
「私たちもお止めしたんですけどね」
看護婦は頬に手をあてふう、と溜息を漏らすと向こうへ行ってしまった。

「はぁ・・・そうですか」

全くあの女は何を考えているんだ。
俺の大事な息子をこんな目に遭わせて、しかも
完全に治ったわけではないのにどういう事なんだ。
あの子は俺の子なんだ。俺の息子なんだ。
何としてでも取り返してやるからな!

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こうして結局母の企みは成功せず、
僕はそれから男として生きて行ける事になった。
この話を聞かされてからこっち、思い出す度に股間の辺りがむずむずする。


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【DRESS】 - 2003年01月22日(水)

無事に手術が終わり、サチは病室へ移された。
その外では父親がじっとサチを見つめていた。
サチはショックが強かったからなのか麻酔が解けても身動きしなかった。
薄く目を開け、サチはまっすぐ前を向いたまま。
母親がふと顔を上げて病室の外に出てきた。

「お前は、自分の言っている事が分かっているのか」

母親が廊下を歩き出した時、後ろから父親が声をかけた。

「どうして息子を女にしようなんて突拍子も無い事を」
そこまで言いかけた父親の言葉を遮って、彼女は突然泣き出した。
人の目もはばからず、廊下に座り込んで。
そんな泣き崩れる女を無理やり抱き起こして
「あの子は俺が引き取る。もうお前なんかには任せられない」
と冷たく言い放った。

「やめて!あの子は私が一人で産んだのよ!
 あんたなんかにサチは渡さないから!」

「医者にいつ退院できるか聞いてくる。
 それまで毎日来るよ。毎日だ。退院の日は俺が連れて帰る」

やめて!やめて!やめて!やめて!
あの子の事愛してるわけじゃないくせに!

狂った様に泣き叫ぶ母親を突き放して彼は帰って行った。


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【DRESS】 - 2003年01月11日(土)

間も無く救急車がサチを病院へ運んだ。
サチの睾丸は腫れ上がり、早急に手術室へと運ばれた。

彼女は間違って睾丸を打ちつけたのだという事を繰り返し説明し
医師が、睾丸が片方破裂しているので
片方だけ摘出しなくてはならないという事を告げると
母親は顔色を変えて医師に掴みかかった。

「先生!取ってください!全部取ってください!」

最初、そこにいた誰もが、この母親が何を言っているのか分からなかった。

せっかく健康な睾丸がもう一つ残っているのにそんな事は出来ない
と医師は彼女の剣幕に怯みながらも言う。
それでも母親は医師にくってかかった。
「全部取ってください、この子は女の子として・・・!」
「女の子に!?そんな事出来るわけ無いでしょう!」
そんな気のふれた母親と口論をしているうちに、
病院にサチの別れた父親がやって来た。
おせっかいな、いや世話焼きなご近所の奥さんが
サチの家に救急車が停まったのを見て連絡したのだ。

医師と自分のかつての妻のやり取りをしばらく呆然と見ていたが
はっと我に返った顔をするとおもむろに二人のそばへ歩み寄り
サチの父親はパシッと平手で一発母親を殴り、黙らせた。
そして医師に向き直り
「息子をよろしくお願いします!」
と深々と頭を下げた。


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【DRESS】 - 2003年01月04日(土)

サチが湯船に入ろうと浴槽をまたいだ時だった。

母親はおもむろにサチの両脇を押さえ、浴槽のふちの上を
またがせた状態から動かないように固定した。
サチは自分の体がよろめかないように支えてくれたのだと思い
にっこりして母親を見上げた。
その時だった。
母親はサチの股間に手のひらの硬い部分をあて
その上から更にもう片方の手のひらをあて

「すぐだから、すぐ終わるから我慢してね」


ぎゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


我慢とは何の事かと聞き返そうとする前に、
サチの口からは悲鳴があがった。

「すぐだから、すぐだから」
そう言いながら母親は渾身の力を込め、全体重をそれにかけた。
しかし濡れた風呂場の浴槽、つるつるしていて中々上手く行かない。
何度も何度も姿勢を正し、サチの股間を攻撃していく。
最初は叫び続けていたサチも、段々と声が細くなり
体が硬直し、最早ぴくぴくと痙攣するだけになっていった。
既にサチは白目をむいて口から泡を垂れ流している。
母親が叩き潰していた場所からは、尿が漏れ続けていた。

意識を失って痙攣する息子を抱え、バスタオルにくるんで
母親は電話に向かった。

「もしもし、子供が誤って風呂場で滑って・・・」

事の重大さに対し、妙に冷静な母親の声が
そこに響いていた。


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