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故猿渡'さんの作文「命を見つめて」(全文)
2005年02月04日(金)

西日本新聞に掲載されていた、昨年9月に亡くなった福岡県大牟田市の中学2年猿渡瞳さんが死の約2ヶ月前につづった作文「命を見つめて」

命の尊さを、生きていることの偉大さを、最後まで訴えた瞳さん。

教科書にも採用されるそうだ。本も出版される。


故猿渡'さんの作文「命を見つめて」(全文) 西日本新聞より

「みなさん、みなさんは本当の幸せって何だと思いますか。
実は、幸せが私たちの一番身近にあることを病気になったおかげで知ることができました。
それは、地位でも、名誉でも、お金でもなく「今、生きている」ということなんです。
私は小学六年生の時に骨肉腫という骨のガンが発見され、約一年半に及ぶ闘病生活を送りました。
この時医者に、病気に負ければ命がないと言われ、右足も太ももから切断しなけれぱならないと
厳しい宣告を受けました。初めは、とてもシヨックでしたが、必ず勝ってみせると決意し希望だけを胸に
真っ向から病気と闘ってきました。

その結果、病気に打ち勝ち右足も手術はしましたが残すことができたのです。
しかし、この闘病生活の間に一緒に病気と闘ってきた十五人の大切な仲間が次から次に亡くなっていきました。小さな赤ちゃんから、おじちゃんおばちゃんまで年齢も病気もさまざまです。

厳しい治療とあらゆる検査の連続で心も体もボロボロになりながら、
私たちは生き続けるために必死に闘ってきました。
しかし、あまりにも現実は厳しく、みんな一瞬にして亡くなっていかれ、
生き続けることがこれほど困難で、これほど偉大なものかということを思い知らされました。

みんないつの日か、元気になっている自分を思い描きながら、どんなに苦しくても目標に向かって
明るく元気にがんばっていました。それなのに生き続けることができなくて、
どれほど悔しかったことでしょう。私がはっきり感じたのは、病気と闘っている人たちが誰よりも一番
輝いていたということです。

そして健康な体で学校に通ったり、家族や友達とあたり前のように毎日を過ごせるということが、
どれほど幸せなことかということです。
たとえ、どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり、苦しんだりしたとしても
命さえあれば必ず前に進んで行けるんです。
生きたくても生きられなかったたくさんの仲間が命をかけて教えてくれた大切なメヅセージを、
世界中の人々に伝えていくことが私の使命だと思っています。

今の世の中、人と人が殺し合う戦争や、平気で人の命を奪う事件、そじていじめを苦にした自殺など、
悲しいニュースを見る度に怒りの気持ちでいっぱいになります。
一体どれだけの人がそれらのニュースに対して真剣に向き合っているのでしょうか。

私の大好きな詩人の言葉の中に
「今の社会のほとんどの問題で悪に対して『自分には関係ない』と言う人が多くなっている。
自分の身にふりかからない限り見て見ぬふりをする。それが実は、悪を応援することになる。
私には関係ないというのは楽かもしれないが、一番人間をダメにさせていく。
自分の人間らしさが削られどんどん消えていってしまう。
それを自覚しないと悪を平気で許す無気力な人間になってしまう」

と書いてありました。本当にその通りだと思います。
どんなに小さな悪に対しても決して許してはいけないのです。そこから悪がエスカレートしていくのです。
今の現実がそれです。
命を軽く考えている人たちに、病気と闘っている人たちの姿を見てもらいたいです。
そしてどれだけ命が尊いかということを知ってもらいたいです。
みなさん、私たち人間はいつどうなるかなんて誰にも分からないんです。
だからこそ、一日一日がとても大切なんです。

病気になったおかげで生きていく上で一番大切なことを知ることができました。
今では心から病気に感謝しています。
私は自分の使命を果たすため、亡くなったみんなの分まで精いっぱい生きていきます。
みなさんも、今生きていることに感謝して悔いのない人生を送ってください。」




読み返すごとに、「しっかり生きなければ」との思いが募る。


我が家の姫とやってくる恐ろしい抜け毛の時期
2005年02月03日(木)

我が家のお姫様は去年の夏の夜、雷にびっくりして以来夜になると私のそばでなくては眠れなくなってしまっている。
一日として欠かすことなく夜になるととことこと2階にやってくる。
夏の頃や秋のうちはそれでも良かった。
寝室にやってきても自分用の場所で寝た。
たまに夜中に水が飲みたくなると下に下りたいと意思表示して、一度下に降りまたとことこ上がってきてそばに眠る。

それが、寒くなった頃から布団の中にもぐりこむようになった。
そして、あったかい布団の中がどれだけ快適かを知ってしまったのだ。

そうするともうだめ、どんな場合も必ずやってきては、鼻で布団をめくりさっさと侵入する。
果ては布団の準備をしてるのをいち早く耳で嗅ぎつけ、人より先に布団の真ん中に座り込んでしまう。
いくら追い出してもだめ、なぜ追い出されるのかが理解できないようで、不思議そうな顔で見つめ、そしてまた丸くなってしまう。

でも彼女は柴犬だ。
もうすぐ抜け毛の時期がやってくる。

そのときはいくらブラシをかけてもかけても抜け毛はとまらない。

いくらなんでも、その時期は一緒に寝ることは出来ない。

それで、ちょっとづつ馴らそうと、以前のように階下でケージの中で寝る訓練をはじめてるのだけど、
すっかり人化してしまってる彼女、なぜ自分だけ別の場所に居なければならないのか理解できずにいる。

恨めしそうな顔でじっと見つめ、果てはこの世の果てのような声で私を呼ぶ。

そしてその様子に負けてしまう私と息子。

ケージから出してやると、もうこれ以上の嬉しさはないとばかり、喜びまわり、跳ね回り、鼻や頭でそれを表現する。

ああ、でも、抜け毛の時期は目の前に来ている。
よそ様のワンたちはもうずいぶん抜け始めているのだ。

一体どうやってその時期をやり過ごそうか・・・



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