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■ 天体観測の日@晴臣
強い日差しの下、庭園の水撒きに借り出されている 生徒達を階下に眺めた。
「今日もう夜、雨だよね」 「無駄だな、水が」
昼休み、渡り廊下から片腕をだらりと下ろしながら ボクは何の因果かつい先程出会ったばかりの朝学組の 貴公子と話をしている。
「宇宙来るかな」 「雨が降っても授業はあるからな」 「…そっか」
ボクより少し背の高い宇宙より、更に背の高い相手を ふと見上げてなんとなく尋ねて気づく
「………」 「………」
失敗だと思った、会話が続かない。 何より、周囲の視線が痛い。 いつもボクらの間に入る宇宙がいないのが珍しいらしく 貴重なツーショットだと、クラスメイト達が囃し立てる。
ふと、壁に凭れていた彼が顔を上げて 周りを一瞥する様に周囲を見ると 生徒達が一瞬にして、身を強張らせたのがわかった。
「おい、行くぞ」
そう言われるままにわけもわからず歩き出したボクは これから一体何処に行くのか聞くわけにもいかず 黙って、貴公子の引き裂く生徒達の花道を分け入り通った。
2005年09月25日(日)
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