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■ 飛ばない鳥@暁生
普段、大人しい人間は自分にとって最悪だと思うことが あった時、その感情は険しく尖るという、それはあいつも 同じことであるらしく・・・
「嫌だ」
まだ一言しか...
「断る」
切り出してもない
「やらない」
台本見せただけだろ?
いつもの場所いつもの弾き馴れた筈の透明ピアノはどこか 荒れた音で、奏でられている音色が痛ましい悲鳴を上げて いるかの様だった。
「どうしたんだ、珍しいな。お前があんな尖るとこ はじめて見た。委員長しょげてたぜ、フォローしたけどな」 「嫌なことは嫌。ハッキリそう言っただけだ。 ああゆうのはやりたくないんだよ。それだけだ・・・」 「お前、暗記力いいし、演技力だって、演劇部顔負け」 「暁生は美術室寄るだろ。ごめん、ぼく先帰るよ、それじゃ」
弾いていたピアノから、早々と手を離して鳥羽は椅子から 立ちあがり俺と目も合わせずに、この場を後にした。 傍目めら見て、どこか感情の入ってないような瞳が冷たく 感じた。
「・・・鳥羽?」
俺は、そんな背中に手を振ることも忘れ呆然と見送っていた。
2004年01月29日(木)
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