僕らの日常
 mirin



  World 2@?

そこは寂れた街で、誰も居ない
ただ白い霧がそれを隠すかの様に取巻いて
誰も訪れることのない静寂だけが、その街のすべてだった。

そこに降り立ったのは、はぐれ者の

  " b i r d "

真っ白い何にも染まらない色素の小鳥だった。
足には釣り糸の様なものが絡まり地上へ降り立った
birdの行く手を阻む、動く度に赤い線が地を辿った。

何年も前から、絶滅状態とされている、bird達
もう、空は鳥の世界なんて空想事はとっくに消えた話だ。

空はヒトの最な憧れで
bird が、ヒトの夢だった頃

世界は夢に満ち溢れ、キラキラと何色にも染まっていた。

けれど、夢が叶いたもうた頃
ヒトは、石を壊してしまった。

誰もが生まれた時、一つだけ胸の奥に閉じ込められた
"stone"を、壊れたそれはもう元には戻らない

空は鳥にとっての自由の国で
ヒトにとっての憧れだった。

それらは、今ヒトの手中にある
青く蒼く碧く変色していく空は彩かだけれど
何処か壊れた空だった。

 人にユメを与えた "bird"
 空を見上げることを忘れ、笑い合うことを忘れて
   壊れ朽ちた "stone"

残った彼らは
ただヒトを見下す様に空の上で鳴いていた。

一番変わった者達が敵に回したのは世界のすべて
壊れた心が、ただただ今日も世界の何処かで産声を上げた。

- - - - - - - - - - - -
next_story → "stone"
- - - - - - - - - - - -

2003年04月17日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加