パンドラの箱
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2006年09月30日(土) |
人間関係の目的は義務ではなく機会を創り出すことだ。 |
そこに何を見出せばよいのだろう。
己が望んだ結末を決して得られないという事実を、 何度も、 何度も、 繰り返し、 繰り返し、 突きつけられ。
幸せの絶頂にあると信じたその直後に、 自身が想い描いたものとは違う世界が垣間見え、 奈落の底に突き落とされる。 一度ならず、 何度も、 何度も、 繰り返し、 繰り返し、 弄ばれるように。
時間が足りない。 遠く離れている。 そんな物理的な言い訳を隠れ蓑にして、 お互いきちんと向き合わない。
迂回ルートを利用して、直接想いをぶつけない。 だから。
ウソっぽくなる。
本当に伝えたいのなら、直接ぶつけてくれば良い。 直接ぶつけられないのなら、最初から投げかけなければ良い。
―タイトルは「神との対話」より。―
想いを発する側の、 心に惑いがあるから、 いくら言葉を連ねても、 いくら言葉を重ねても、 その真摯な想いはひとかけらも伝わってこないのだ。
想いを乗せる言葉を紡ぎ出すために、 想いを如何に熟成しようとも、 熟成したとたんにそれはきっと本来の想いとは異なってしまうのだ。
きっと、 望む形が、 差し出される形と異なっているから。
欲しいのは、時を経て円熟度を増したフル・ボディではなく、 より新鮮でフルーティーなライト・ボディであるのに。
差し出されるのはいずれも、濃厚すぎて、渋みが増したフル・ボディなテイストばかりなのだ。 だから悪酔いをして、思わず吐き出してしまうのだ。 もてなされる側としてマナーに反するとしても。
名ソムリエへの道は険しい。
2006年09月26日(火) |
Close Your Eyes and Shut up! |
相反するもの同士だから惹かれあうこともあるのだろう。 相反しているからこそ、補完しあうのかもしれない。
互いに足りないものを 互いに必要なものを そこに見出すから惹かれるのかもしれない。
もしくは。 相反するからこそ 反発しあい、 互いを許容できずに攻撃しあうのかもしれない。
人が惹かれあう理由は、 互いの持ちえないものを手に入れたいと願う気持ちから来るものなのかもしれない。
共有する部分と、補完する部分。 共有し得ない部分と、補完できない部分。
一度目を閉じ、静かに深く深呼吸したら、 言葉尻に惑わされずに、大局を見ることができるのかもしれない。
2006年09月25日(月) |
セルフ・カウンセリング。 |
自問自答を繰り返し、自身が求める答えにたどり着くまでの過程を、ひとりきりで続けていくのは、とても閉鎖的で、閉塞感が伴い、ともすればスパイラルな状況に陥ってしまう。 答えは出ているのに、たどり着けず、堂堂巡りを繰り返してしまう。
「悩みって大抵既に答えが出てるもんなんだよね。それを確かめるために話すんだから」
そう、答えはいつも自分の中にあるから。 そこへ向き合うのが怖いから、わからない振りをする。気付かない振りをする。
だからほんの少し、手を差し伸べてもらえれば良いのだ。
その温かい手を。
一度生まれた想いを育みゆくことは、 生命を育てるのにも似て。
その生命を全うさせるのが本来の姿であるべきなのでしょう。
途中で投げ出さず。 途中で逃げ出さず。
だからと言って執着ではなく。 だからと言って束縛でもなく。
お互いが必要であると想う限りは、 辛くても、 苦しくても、 決して目をそらさず、 決して自分をごまかすことなく、 想いの収束する場所へ、 ただ流れに身を任せて。
そこに何があるかなんて、きっと後にならなければわからないのだから。
「10好きだった想いはずっと10のまま、それは変わらない」
貴方はそう言った。 想いそのものの形は変化してしまうけれど、その本質は変わらないと。
「好きとか嫌いとかじゃなく、合う合わない、の問題なんですよ」
貴方が最後に吐き出した言葉を思い出す。
今でも思い出してもらえるだろうか。 悲しいまでに真摯に、幼い想いに応えようとしてくれた日のことを。
1時間にも満たない逢瀬で。
「時間。もうおしまい」
自身ではなく、私のことだけを想ってくれたその時を。
「髪は絶対濡らすな」
苦い気持ちではなく。
「早く帰って」
閉じられたドアの向こうで。
2006年09月22日(金) |
シュガーコーティング。 |
甘い甘い夢で閉じ込めてしまおう。 疑念も、欺瞞も、 嫉妬も、ウソも、 惑いも、計算も、 思惑も、苦悩も、 付随する何もかもを。
塗り固めたそれらに気が付いた時は、 きっとすでに毒に侵されているから、 もう手遅れで。
少しずつ融けだしては、己を蝕んでいくそれらを、どうすることも出来ずに、 悶え苦しむのだろう。
塗り固めたその夢が、甘ければ甘いほど、 閉じ込めたそれらは、苦味を増していく。
己が振るう武器の、その刃の鋭さを熟知しているから、 致命傷にならぬよう、ほんの少し手加減をする。 切り付けられ、傷を負ってなお、立ち向かう相手に、 手を差し伸べて、救うと見せかけ、傷口をえぐる。 殺さぬように、 生かさぬように、 痛めつけては、 弄ぶ。
この加虐心をどうしたら止められるのか、わからないまま、 日を追うごとにエスカレートする残虐性を、 一体どうしたらよいのだろう。
きっとそれは、あらかじめ決められたことで。 起こりうるタイミングだけを計っていたのだろう。
同じ街の片隅で、すれ違ったであろう瞬間を思い。 決して気付かなかったことの意味を考える。
「その辺ですれ違ってたかも」
「ありそうだなあ。なんか、絶対どっかで逢ってそう」
お互いの人生の一瞬を、切り取ったときに、出逢えたことの不思議と同じくらい、出逢えなかったことの不思議を思う。
「当時逢えなかったのは、必要なかったからではなく、お互いが出逢うにはまだ足りないものが多かったからじゃないかな。より完全な状態で出逢うためにちょっとだけ時間がかかったのかもしれない」
「そうだね、このタイミングで出逢うことが一番だったんだと思う」
お互いが別々に生きてきて、なんの接点もないように思えるのに、既視感を持った思考回路に、なんの衒いも策略もなく、ありのままで理解し合えるのは、どうあがいても説明しようがない。
失いたくないと、 目を閉じ、耳を塞ぎ、言葉を飲み込み、 やり過ごしてきたけれど。 それが自身の自然な想いから派生するものだと信じて、 疑わなかったけれど。
「憎悪や嫉妬、辛い想い、どれも当たり前の感情だから。自分に正直になろうよ」
そう、そうなんだ。 居心地の良さを提供しようとして、自分の事を後回しにしてきたツケが今に至る関係を、すでに抱えていながら、本来正直で素直であるべきその場所で、同じことを繰り返そうとしていた。
負の感情が生まれるのを、気付かない振りをして。 負の感情など、どこにもないと思い込もうとして。
「全てを認めて、あなたが今に至るまでの過程で、必要な出来事と認めよう」
物事は全て偶然ではなく、必然だから。 起こりうる全ての出来事は、きっとそれぞれに意味があるのだ。
「あなたはあなたの思うがままでいいんだよ。全てはうまくいくように出来ているはずだから」
自然体であること、本来の自分でありつづけること。それを放棄してまで、一体あたしは何を恐れていたのだろう。
「オレは何故か当たり前にいる。たっぷりの愛を受けてみろ」
その挑戦、受けて立つ。
いらっしゃいませ。 こちらではあなたの望みを何でもかなえることが出来ます。 料金は頂いておりません。 何なりとお申し付けください。
言葉での癒しは当方の最も得意とするところです。 今日はどんなご気分ですか?
肉体的な癒しはご都合のよろしいときにお呼び頂ければ、何なりとご奉仕させていただきます。
ご自身の強さを実感するために、甘えられるのがよろしいですか? それとも何もかもから逃れ、甘えてみたいですか?
え?どうしても料金を、とおっしゃるのですか? そうですかー・・・しかしそれはそうやすやすとはお支払い頂けないものなのです。 どうしても、とおっしゃるのでしたら・・・。 ・・・いえいえ、やっぱり受け取るわけには参りません。
何しろ無料サービスが当方の売りですから。
どうしたらあなたを救えるのだろう。 きっとあたしがここにいる意味は、あなたを救うためなのだ。
出逢ったころはあたしが救ってもらった。 たくさんの想いで支えてくれて、閉じていた心を開くことを思い出させてくれた。
皮肉だと思うかもしれないけれど、あなたと出逢ったから、彼とも出逢えた。 心が閉じていたままではきっと、触れることもなかったから。
人との出逢いは全て意味のあるものだから。 あなたを幸せにするために、あたしがここにいるのだとしたら、 あたしは何をすればいい? あなたの望む形は作ることは出来そうにないけれど。
彼はあたしにとって、全知全能であるから。 手を伸ばさなくとも、その手は繋がれているし、 声に出さなくとも、その想いは伝わる。 あたしにとっては、 ごくごく自然で、ごくごく当たり前で、ごくごくありふれた存在で。
手に入らないと、狂おしくなって、じたばたすることもないし、 想いが伝わらないと、ため息をつくこともない。 投げかけたボールが返ってこないのも、そのボールが届いていないからではなく、 投げ返すまでのタイムラグがあるだけだと理解できる。
それはもって生まれた素養に他ならないから、 他者には理解できないし、真似できないことなのだ。
それだからこそ、 一生懸命に手を伸ばし、 声を嗄らして想いをぶつけ、 返らぬボールを待ち続けるのに。
何よりも、誰よりも、一番愛しているのは、 他ならぬ自分だから。
彼を無条件で愛しているのは、 彼が自分の一部であって、 恋でも、愛でもなく、自分を愛するのと同じように愛せるからだと思う。
労せずして共有できる想いは自他の壁などないから、 そこには何の迷いも生まれない。
そのことに嫉妬されても、こればかりはどうにもならない。
あなたから聞いた話でイメージする彼女は、 気が強く、 意地っ張りで、 天邪鬼で、 無邪気で、 どこかあたしと相似している。
一緒にしないで、と想う。 あたしを愛しているというけれど、 きっとそれは彼女に向けられている想いに通じている。
だから本当にあなたが欲しているのは、 他ならぬ、彼女なのじゃないかって思うのよ。
あたしはフェイク。 本当に欲しいものの代用なのじゃないかって。
2006年09月11日(月) |
フェアでないのはどっちだ。 |
人には教えたくないものがある。 それは大切な想いだったり、大切な想い出だったり、大切な場所だったり。
この場所を教えないのは、なぜだろう。 羞恥心なのか。 自己欺瞞なのか。 逃げ場なのか。
全てをさらけ出しているはずなのに、躊躇するのは、なぜだ。
近く招待状を贈ろうか。 つづりゆく混沌とした想いを整頓してもらえるだろうか。 それとも、更なる混沌を招いてしまうのだろうか。 そして、新たな混沌を引き起こしてしまうのだろうか。
駆け引きなど必要ない、それならば、全て受け入れてくれるのだろうか。
何かを恐れているのは、なぜなんだ。
きっと抱えてるものは想像以上で。 弱音を吐かないのは、本当の強さで。 傲慢さに裏打ちされた自信は揺るぐことなく。
ありたい自分を顕示してくれる、それはきっと鏡のように。 そこに呼応することができるのなら、彼から離れないでいたい。
きっとそれは、大切に想っていると その想いを形にしようとしている結果なのだ。 確かに想いは形にしなければ伝わらない。 伝えられた想い自体は喜ばしいこととして受け止められる。
けれど。 ことさら、その想いを誇示しようとして贈られると、とたんに意味が違ってくるのだ。
そんな風に突きつけられた想いは。
とたんに苦々しい想いに感じられる。
「あたしはそういう女なのよ。だれかれ構わず救いを求め、人の心を弄ぶの」
そう言って、開き直ってしまえれば、ものすごく楽になれる気がする。
「知ったこっちゃないわ。それであなたが悩もうと苦しもうと。それはあなたの勝手でしょ?あたしを愛した時点で甘んじるべきなのよ」
そんな風にたたきつけることができれば、あたしは楽になれるだろう。
でも、代わりに口にするのはどうしても謝罪の言葉になる。
ごめん。 するくてごめん。 ごめん。 何もかも中途半端でごめん。
2006年09月06日(水) |
この出逢いが必然ならば。 |
「天秤にかけられてるのかな、と思う」
そう思われても仕方がない。 傍から見れば、同時にふたつの想いを紡いでいくことはありえないと思うし、もしも自分が逆の立場だったら、と思うと不快なのは間違いない。
どちらかを選べ、と言われたら、選べないと思う。 選びようがないから。 言葉にすると同じだけれど、その想いは微妙に違っていて。 比べようがないのだ。
「流れに身を任せるのが一番かな」
彼が言う通り、どっちかが無理したら絶対だめになる。 なるようになるのだ。 出逢いの必然性を信じて、何も焦る必要などないのだ。
焦ったほうが負け。
そんな気がする。 もちろん、勝ち負けなど存在しないけれども。
「こんなにワガママで自分勝手で遠慮がない。それでも愛してるって言える?」
自身のことを卑下するのではなく、客観視したときに、なんてイヤな女だと思う。 自分が男なら、こんな女は願い下げだ。 自分勝手で、都合の良いときだけ甘えて、満たされなければ他を向く。
でも、解っていてもなお、改めようとは思わない。 それがあたしだ。 それがなくなったらあたしではない。
誰がなんと言おうと、 誰がどう思おうと、 そんなイヤな部分もひっくるめてのあたしなのだ。 それを認められないような男なら、こっちの方から願い下げだ。
ワガママで自分勝手で、遠慮もなく、その上傲慢。 そんなあたしを本当に愛することが出来ますか?
「ずるくないよ。あなたの想うままにすることが一番だよ。オレのことは気にしないでいいから」
あたしの心配を装ったその便りに、欺瞞を感じた。 行間に。 並ぶ言葉に。 それは本心からの想いではないことに気付いてしまった。
「余計な負担をかけちゃったかなって」
「嘘吐き。そんなアナタは嫌い」
「・・・もー。そーだよ。ウソだよ。本当は嫌だったんだ。悔しかったんだ」
相手の気持ちが手にとるようにわかるのは、時として、残酷かもしれない。
「夕べは眠れなかった。きっとあなたの微妙な気持ちが伝わったんだ。だから眠れなかったんだ。今まで全然平気だったんだけどね」
親友は言う。
「アナタは欲張りだからさ、相手をする男は大変だよね(笑)」
確かにね。 欲張りすぎて。 ずるすぎて。 そんな自分を持て余して。 いつか何もかもなくしてしまうのじゃないかって。
でもそれは自業自得だよね。
2006年09月02日(土) |
Open Your Eyes. |
ひとつ扉を開ければ、またひとつ扉が現れる。 次の扉を見つけるために、その扉を開けるのだ。
いくつもいくつも扉を開いては、どんどんと先に進んでいく。
たどり着く先がどこかなんてわからないけれど、新たな扉を開くためのカギは次から次へと用意されている。
最後の扉を開くためのカギは、一体どこにあるのだろう。
最後の扉を開いたら、一体何が起きるのだろう。
目を開けて。 さあ。 起きて。
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