パンドラの箱
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2006年08月31日(木) 失くした2分の1。

「彼を独占したいの。誰にも渡したくない」

「解るよ」

「苦しい」

「うん、苦しいよね。でもさ、その苦しみって人を愛すれば絶対ある苦しみじゃない?」

「・・・そうかも」

「でもさ、本来、愛って言うのは一方通行であって与えるだけの存在だと思うんだよね。往復はなくて、お互いの一方通行で成り立つみたいな」

「・・・・・・」

「オレはあなたのことを愛しているけれど、全く見返りなんて求めてないよ」

「うん。わかる。それはあたしも同じ」

「あなたが幸せならオレは幸せ。あなたが幸せになるためにオレはいる」

「なんか、不思議だね」

「不思議だね。でも、お互いにとってお互いが不可欠だと思わない?」

「うん。必要不可欠」

「必要不可欠であって、本来ひとつであるべきもの。お互いを大切に思う気持ちは自分を大切に思うことに繋がる。だから嫉妬もない。ただお互いの幸せを願うだけ」

無条件降伏でお互いを受け入れるこの関係は、恋愛とは似て非なるもの。
あなたを想う気持ちと彼を想う気持ちは言葉にすると同じになってしまうけれど、全く異質なものだ。
あなたは失ってしまうかもしれない、と思い、恋焦がれるけれど、彼はそう、失いようがない。

「もうひとりじゃないね」

「そう、もうひとりにはさせない」

失くしていた何かを見つけたのかもしれない。


2006年08月29日(火) 屈折した嫉妬心。

弱音を吐いては、同情を引き、
自身の弱さを売り物にしていると、
幾度となく、指摘され、
己の強かさをどこかで自覚していた。



「私を見て」

「私を守って」




そんな信号を放ち、人の心を奪うのだ。
人の心を操るのは容易いと、ほくそえみながら。




自分より弱いその人を
ひと思いに傷つけたい欲望に駆られるのは、
あたしの中に残虐な心があるからなのだろうか。

それとも、本当に弱いものに対する、
嫉妬心から来る欲望なのだろうか。



あたしにはない、本当の弱さを彼女が持っているとしたら、
あたしはきっと彼女を許せないだろう。
妬ましくて。
悔しくて。


2006年08月27日(日) 形骸化。

2人の距離を埋めるために、どうすれば良いのか、
目に見えないものを目に見える形にするためには、何をすれば良いのか。

最も簡単で、
最もありふれた方法で、その想いを贈りあうけれど。

本当に大切なものは、目に見ることは出来ないし、
本当に大切なものは、まして形にすることは出来ない。

そんなことは解っているはずなのに、
どうして、あたしたちは形にこだわるのだろう。
そこに存在するはずの想いを形にするべく、口にした言葉は、
いつか本来の想いとは別に、形骸化され、偽りにすら感じられてしまうのに。

形でもなく、
言葉でもなく、
そこにある想いは、無理に伝えなくても、それが本物ならば、
決して揺るがず、
相手を不安に陥れることもないはずなのに。


2006年08月25日(金) 自信。

心配なんだ。
奔放さを身にまとって、好奇心の赴くままにどこかへいってしまう君が。
笑うことはないだろう?
想いが強くなればなるほど、自身を見失って、何もかもが信じられなくなる。
疑心暗鬼に苛まれ、嫉妬心の塊になる。
そんなにおかしいかな?

じゃあ、君は大丈夫なの?
俺がどこかへ行ってしまっても。
疑ったり、嫉妬したり、そのことで狂ったりはしないと言い切ることができるの?

そうだろ?
むしろ君のほうが嫉妬深いし、疑い深いし、ネガティブな想いに支配されやすいじゃないか。

「でも」

でも?

「私は知ってるもの」

知ってるって何を?

「あなたはすでに私の一部で、私そのものなのだから、失いようがないってこと」

「そして、それは目に見える形では表せない物だから、目で見ようとすると不安になるのよ。静かに心を落ち着けて、心の目を開けば見えてくるでしょう?何もなくすものはない。何も手にしていないものはない。もう全てはそこにあるって」

「もしもそれでもまだ、不安になるのだとしたら」

だとしたら?

「それは想いが足りないからじゃない?」

ひでえなあ。

「ふふふ。だって、そうでしょ?愛は見返りなんて求めないのよ」




君はいつだってそうやって、笑いながら鋭い言葉を放つんだな。



2006年08月19日(土) シンクロ。

惹かれあう理由はわからない。
お互いをもっと知りたいと言う欲求。
お互いの内面に触れたいと言う欲求。
お互いが分かり合えてしまう不思議。
例え、黙して、語らずとも。

でも。
何かが違う。
これだけ惹かれあうのに、それは同一線上のものではない。
不可侵な領域をもってしてもなお、惹かれてやまないのに。
お互いに決して、自分のものにしたいとは思わない。
お互いに決して、共に生きたいとは思わない。

「初めてなんです。こんな風に内面をさらしてしまったのは」

「いつも強がっているけれど、自分の中にあるこんな部分を引き出されてしまって。とても不思議です」

そう彼が言うのを、感情を動かされることなく、至極当然に受け入れてしまうのは、なぜなんだろう。



愛でも、恋でもなく、誰かを想う気持ちがあるなんて知らなかった。


2006年08月18日(金) インモラル。

その関係が人から見て、モラルに反していようと、
あたしは何ら恥じることはないと思っている。

大切なのは、自分の想いだけで、人がどう思おうと、大切な人は大切だし、
道徳的にどうかなんて考える余裕はない。

正しいかどうかを決めるのは、他人ではなく、
自分だ。

この想いが許されないものだとすれば、
それは、あなたを幸せに出来ないときだと思ってる。



2006年08月17日(木) ジェラシー。

時に効果的な愛のスパイス。

でもほどほどに。

ゆるぎない想いがあってもなお、抱いてしまうのは、
やはり自分に自信がないからなのでしょうか。


2006年08月16日(水) リアリティ。

手にしているものが本当に現実のものなのか、
時として曖昧になることがある。

リアリティを持った実像に結びつけるのに、
距離や時間は関係ないけれど。

リアルな現実を構築するには
やはりいくばくかの時間と手間は惜しんではいけないのだろう。


2006年08月13日(日) 魔法のコトバ。

目の前の現実に、うんざりしながらあなたを想う。
隣にいるのが、なぜあなたじゃないんだろう。
なぜあなたは、隣にいないんだろう。
考え始めたらキリがない。
現実を変えるには、まだまだ想いが足りないのだろう。



それでも、今のあたしは
あなた以外に差し伸べられる手が例えいくつあっても、
むやみに飛びつくことはもうないだろう。

あなたから届けられる、魔法のコトバがある限り。






倒れるように寝て 泣きながら目覚めて
人混みの 中でボソボソ歌う
君は何してる?笑顔が見たいぞ
振りかぶって わがまま空に投げた

魔法のコトバ 口にすれば短く
だけど効果は 凄いものがあるってことで
誰も知らない バレても色あせない
その後のストーリー 分け合える日まで

スピッツ「魔法のコトバ」より。


2006年08月11日(金) 愛のチカラ。

あなたに愛されてから、あたしは変わった。
自分の殻に閉じこもってばかりだったのに、
心を開けるようになった。

自分に自信がなくて嫌いだったのに、
自分が好きになれた。

人から必ず言われるのは
「綺麗になったね」

愛のチカラであたしは変わることができたよ。


2006年08月10日(木) 優先順位。

何を話せばいいだろう。
何が聞きたかったのだろう。
限られた時間の中では会話は煩雑すぎて成立しえない。


おはよう。


朝一番の挨拶の、そのひと言に万感の思いを込めて。


2006年08月07日(月) 覆水。

心が離れたもの同士が、一緒に暮らす意味はなんなのだろう。

「そんなこと考えずに暮らしてくもんじゃない?」

意味なんてないのか。

何を見ても、
何を話しても、
そこには共通の想いは何ひとつないから、
相手の声も聞こえない。
増してや心の声など聴こえるはずもない。

ただひとつの共通の目的があるから。
そのためだけに暮らしていくのなら。

もう2度と、
馴れ初めのころには戻ることも出来ないのだろう。



2006年08月06日(日) 存在意義。

私がここにいることで、誰かが癒されるのなら、それは意味があることなのだと思える。
どんな形にせよ、私がいることで、先へ進む手助けができるのなら、と、ずっと思ってきた。

望む形を提供することに何の抵抗もなかったけれど、気がつくとそれは自己犠牲という形になっていた。
犠牲と感じた時点で、もう、それは、無償の愛情などではなく、義務感だけで演じられるまやかしの愛情で。

「自分ばかり我慢してるように感じる」

「それはお互い様だろう」

なじりあうその胸にはかつて抱いていたであろう思いやりの欠片もない。

私がここにいることは、彼にとっては良いことではなかったのだろうか。

思い切り燃え尽きてしまった恋のあとだったから。
もう誰も愛せないと思っていたから。
投げやりな想いを抱えていた私を受け入れてくれたから。

そこには私の想いなど、これっぽっちもなかったから。

望まれて共に過ごす道を選んだから、その想いに応えたいとそれだけを考えてきたのだけれど。
やっぱりそれは間違っていたのかな。


2006年08月05日(土) 望み。

特別なことじゃなくていいの。

一緒に食事をしたり、
一緒に朝を迎え、
昼を過ごし、
夜を迎え、
同じものを見て、
苦しいときも、
楽しいときも、
悲しいときも、
嬉しいときも、
ただ そばにいられたら。



他にはもう何も望まない。
望むべくもない。


2006年08月03日(木) ビッグ・オーとの出会い。

疲れたよ。
どっちが良いとか悪いとか言う問題じゃない。
噛み合ってないんだよ。

2人で転がるのがムリならば、
それぞれ転がっていけばよいじゃない。

進む方向が同じでも
進む方法が同じとは限らない。

そのためには
いったんリセットしなければならないのかな。



タイトルはシェル・シルバスタイン。


2006年08月01日(火) 非日常。

それが日常なら、
何の感謝ももてないのだろうか。

目の前にいて、
言葉ではなく瞳で想いを交わし、
手を伸ばせば触れることが出来て、
唇を重ねることも、
互いのぬくもりを感じることが出来ることも。




きっと、
交わした会話は待ち望んだよりも多くはないし、
交わした想いも待ち焦がれたよりは多くはない。

それでも、
五感で捕えた存在の全ては、
かけがえのない宝物として、しっかりとこの手に捕まえて、
日常に戻って来たよ。









<ひとこと>
こんな拙文をいつも読んで頂いてる方ありがとうございます。


こはる |MAIL

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