パンドラの箱
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2006年07月26日(水) 最悪な祝日。

用意されたケーキも

用意されたプレゼントも


「なんだか急に間に合わせで買ったみたいだな」

お礼よりも先になんくせをつけ。


せめて
年に一度のその日を
普通に祝いたかっただけなのに。

踏みにじられた想いに
こぼれる涙の意味はなんなのだろう。


2006年07月25日(火) 虚無。

年に一度の、
大切な、
かけがえのない、
祝うべき日に。

何を贈るべきか、
あれこれと思い悩むのは、
幸せな悩みだった。

例えそれがおざなりに、
祝うためのものだとしても。

その日だけは笑顔で、
その日だけは幸せに、
過ごせたはずの日を。


なぜに今年は。

祝うべき言葉も、
祝うための品も、
何一つ浮かばず。

その日そのものを疎ましく思ってしまうのだろう。




「もともとケーキなんて別に欲しくないんだ」




ケーキが欲しかったのではなかった。
祝う、と言う気持ちをケーキで現したかっただけなのに。


最後の最後に、残されていたはずの絆は、
もう、すでに、
跡形もなく砕かれてしまっているのかもしれない。


2006年07月24日(月) 夜更かし。

日付が変わる瞬間を
この目できちんと見届けたくて
毎晩夜中まで起きている。

ひと夜ひと夜
着実にあなたに逢える日が近付いているから。


2006年07月20日(木) スペシャルデザート。

久しぶりのデートは、朝から盛りだくさんのメニューが待っている。

待ち合わせしたらランチまで何をしようか?
デザートは何が良いかな?


「ケーキの方が楽しみなんでしょ」


甘いものには目がないあたしを責めるようにすねるけれど。


どんなに美味しいランチも、
どんなに甘いデザートも、
あなたとのキスには敵うはずもない。


2006年07月16日(日) 子犬のワルツ。

好意を贈ることは簡単そうで難しい。
照れやプライドが邪魔をして、なかなかストレートに表現できない。
それ故、ストレートに贈られる愛情表現に戸惑ってしまうのかもしれない。



「辛いとか苦しいは言えば良いというもんでもないと思うけれど、
嬉しいは嬉しいと言って損はないでしょ?」




無邪気にじゃれ付く子犬を思わせるあなたを、
私は好きになったのかもしれない。


2006年07月14日(金) 不自然な自然体。

何ら飾ることなく自然体でいられる場があることは、
何にも増してかけがえのない幸せだと思う。

「あなたといるとありのままでいられるから」

そう言ったけれど。

本当にありのままでいるのか、と言ったら、
それは嘘だろう。

ぶつけてしまえたら楽になれる破壊力を持った言葉や、
振り下ろしてしまえば楽になれるであろう、苦い想いを握り締めた拳を。

苦い想いで飲み込むのではなく。
甘美な痛みとして受け入れているのを。

100%自己を解放することなく、あなたに向かうのは思いやりなんだろうか。
それとも。


2006年07月10日(月) ひとつだけ。

「何で結婚したの?」

簡単なようで、難しい質問だね。

そばにいたかったから。
守って欲しかったから。
タイミングが良かったから。

深く考えなかった。
見る前に飛べ。それを実践してしまったのかもしれない。


離れて暮らしているときのわがままと、毎日同じ屋根の下で暮らす上でのわがままは、同質であるはずなのに、許容される範囲は狭くなることを知らなかった。
お互いに触れる密度の濃さに、お互いを分かり合った気になって、思いやりもいつしか風化してしまった。
要求水準も引き上げられ、一緒に暮らしているのだからこれくらいは当たり前と、わがままは横暴な振る舞いに転じていき、人と人とのつながりの基本であるはずの相手の立場に立って考える、と言うことすら出来なくなってしまった。
それは結婚しているとかいないとか言う以前の問題で、何よりも大切にしなければならない最低限のルールなのに。

そばにいるからこそ。
きちんと言葉で伝えなければならないのに。
そばにいるからこそ。
お互いを思い遣って然るべきなのに。


「幸せにしてね」

そんなことを望んでした結婚がうまくいくはずもない。

幸せにしてもらうのではなく、一緒に幸せを作っていかなければならなかったのに他ならないのだから。


もしもひとつだけ、やり直せるとしたら、

「幸せになろうね」

そのひと言で始めればよかった。




2006年07月07日(金) 七夕。

願い事はたくさんある。

あなたが健康でありますように。

あなたが笑顔でいられますように。


いつまでも、あなたの傍らにいられますように。


2006年07月06日(木) 夜。

夜は嫌い。
夜の闇に
あなたと隔絶されてしまうから。

離れていても
傍にいても
あなたは
私を
置き去りにするから。

だからせめて
共に過ごす夜は
飽きることなく
その寝顔を見つめていよう。



こはる |MAIL

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