Spilt Pieces |
2007年08月24日(金) |
今さらながら、言葉の使い方って難しいなあと思う。 現在会社の昼休み。 得意先からのFAXを見ながら、何十回目か分からないけれど微妙な気分になった。 「お手数ですがご連絡下さい」 「お手数でもご連絡下さい」 言いたいことは同じなのだろう。 あまり深い意図はなさそうな、走り書きの文字。 ちなみに、書いてあったのは後者。 たった二文字の違い。 日本語が好きだと思う。 いつまでたっても英語を勉強しようとしない、自分への言い訳かというとそうでもなく。 毎朝出勤途中で聴いているラジオでは、パーソナリティーがとんでもないいい間違いをしている。 例えば「○○に、建設業をしている△△さんがおります」 それがいつも、まるで敬語を使うかのような場面にて。 そのせいだろうか(まさか)、得意先からの電話では、しばしばうちの営業所長を名指しで「□□さんおりますか?」という言葉を耳にしたり。 「逐一細かいことを言うな」と突っ込まれそうなので、近頃は特にぼやくこともなくなったけれど。 それでも、何だかなあ…。 長い毎日、短い時間。 知らぬ間に年を重ねて、だけど心は昔のままで。 そのうちに、色んなこと全部、穏やかに笑っていられる自分だといいのだけれど。 あーでも、気になる。 やれやれ。 |
2007年08月18日(土) |
お盆中、第二のふるさとへ里帰りしてきた。 何だか色々と思うことがあって、ばかみたいなお酒の飲み方をした。 そして案の定、自分にうんざりした。 大先輩は、びっくりするほど私のことを見抜いているらしく。 本当はそんなに酔っていないことまでばれていた。 テンション上げるためにお酒の力を借りて、そしてそれのせいにしていることまで。 演技というと聞こえが悪いので、ちょっと認めたくなかったけれど。 そうしている方が楽なのは確かだから、曖昧な表現で肯定。 私の弱さを知っている人だけに、きっと、そこまでお見通しに違いない。 色々と思うこと…それはやっぱり、彼のことだった。 今続いている恋愛に伴う、将来のこと。 そう言った方が適切かもしれない。 彼に、初めて正面から聞いてみた。 今後実家を継ぐ気があるのかないのか。 すると彼はためらいがちに、珍しく姿勢を正して、「そうだね…ごめん」と言った。 プロポーズを受けた記憶もないのに謝られるのは若干筋違いであるような気がしなくもないが、その気持ちは分からなくもない。 けなしたいわけではないが、彼の自宅というのは田舎というより秘境の地。 何だかんだいって都市部育ちの私には、難しいと思ったのだろう。 彼は、三男。 けれど話の様子だと、きっと他の誰よりもふるさとを愛しているのだと思う。 家族をとてもとても大切にしている。 そしてそれを守りたい気持ちも、そばで見ている私には、痛いほど。 暮らしていく自信は、正直全くない。 彼の祖父母と母、そして彼と私。 自分の両親が同居している姿を見て育っていないのもあって、何だか怖い。 田舎だから仕方がないのかもしれないけれど、結婚した女性はすぐに「嫁」といわれる。 そして同居も当たり前。 おじいちゃんおばあちゃんの世話をして、育児をして、家事をして。 そしてゆとりがあれば少しだけパートに出る。 それが「普通」とみなされるような空間に、ただでさえ「女の役目」といったカテゴリー化を嫌う私が、馴染めるような気がしない。 冷たい育ち方をしたせいもあるとは思うけれど。 ただ、文化の違い、考え方の違いは、どんなに責められたとしても、今さらどうしようもない。 彼は、すぐには同居する気はないのだと言った。 二人で暮らす時間を設けて、それからゆくゆくは、ということらしい。 けれど、彼の自宅の辺りをふらりと見に行った私には、何だか、いつか山の奥の奥に閉じ込められることに他ならないような、窮屈な、息が詰まるような印象を覚えてしまった。 じたばたと、出たいともがくような。 私は、ひとつのところにじっとしているのが苦手な性分だというのに、こともあろうに彼の家は、その先に道のない、行き止まりの小さな集落なのだから。 時折昔を思い出してしまうような、ふとした瞬間の彼の冷たい表情が、不安に拍車をかける。 以前思わず別れを切り出した、あの、興味のなさそうな、顔。 何も言わずに前を見つめている、車を運転しているときの横顔。 本当に嫌い。 だから、それを伝えて、喧嘩した。 というよりも私が一方的に怒ったというべきかもしれないけれど。 あんな顔をされると、親を泣かせて、友達と離れて、育った土地を捨てて、それでもあなたと結婚したいと思えません。 あなたしか頼れないのに、それが頼りにならないのならば、続けていってもいずれ終わります、だけど私はいつか子どもを産みたい、そしてだんだん年を取る。 だから、もしこんな顔を知らぬ間に繰り返すようならば、どうか今すぐ別れて下さい。 そう、伝えた。 結構本気。 自分から言ったくせに、涙が止まらなかった。 好きなのかさえ、分からなくなった。 不安、という怪物は、どんな状況でも(それは結婚に限ったことではなく)つきものなのだけれど。 でも、私は、今何よりも、こんな現実に不安になっていて。 結局喧嘩は、彼がひたすらに謝って、二度とそんな顔をしないようにするから、したらすぐに指摘してくれて構わないから、どうか別れるなんて言わないでくれ、と、昔なら言わないような台詞で懇願したので、一応折れることにした。 怖かった。 彼と結婚して、家に入って、それから昔の彼に戻ってしまったなら、私は、どこにも逃げ場がない。 毎日を恨めしく思って、楽しかったことさえ我慢の対象としてしまう。 そんなのは、嫌だった。 ずっと愛されていたいし、ずっと愛していたい。 そしてできることなら、彼の家族も、家も。 たぶん私は、欲張りなのだと思う。 彼の愛情を、もっとほしくてたまらないのだと思う。 そしてそれがなかなか叶わないから、怖いのだろう。 色んな不安を、現実を、乗り越えるだけの気持ちを、確固たるものを、求めてしまってどうしようもない。 どうせなら明るい未来を、描ける性格なら嬉しいのに。 「俺が守るから」 そう言ってさえくれれば、私、本当は、 今すぐにだってあなたのところへ行ってもいいのに。 |
Will / Menu / Past : Home / Mail |