Spilt Pieces

2006年06月28日(水)　

たくさんたくさん、手の中にあるようで。
何でもできそうな気さえ。

ぽっかりと浮かぶ月を見上げ、
手を広げると今でもドキドキする。
一体何年かかっているんだろう。
自分の小ささと、大きさと。

心の居場所を探しては
見つからないと嘆いている。
でも、最初から、
どこにも消えてなどいない。
分かっているのに、
探してしまう。

映画を観た。
見知らぬ人の、すすり泣く声が聞こえた。
私は、泣かなかった。
普通のことだと思う。
前は、泣くのが普通だったけれど。

犬が、寂しがっていたのか、
帰宅したら顔面にパンチされた。
怒った声を出した。
悲しそうな顔をして、拗ねた。
私には、拗ね方が分からない。
思わず、ぎゅっと抱きしめた。

求めているのは、
輝く太陽でもなければ海でもなく、
穏やかな環境でもなければ人でもなく。

今あるものを、どう愛せばいいだろう。
今そばにいてくれる人を、どれほど愛せるだろう。
どうすれば、頭で考えることをやめられるだろう。
本能が、疼いても。
それを抑えることに、馴れきってしまっている。

心の声に、耳を当て。
何でもできると、心の底から思えた頃の万能感。
そんなものなくても生きていけると、笑えると。

猫背の背中を少しだけ伸ばして。
言葉をぎゅうと飲み込んで。
愛したいと、愛されたいと。

君を、思う。
君。
不特定多数の誰かと、私。

一緒に笑いましょう。

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