2002年06月05日(水)
今週の感じ



(れん) 晴れ

孤独が大好きな旅人は
スペースシャトルに乗りこんで
ミステリーな現実を
遠く離れた銀河のスクリーンで見ている

孤独なスペースシャトル
by デートオブバース


バイクで街を走ってても
公衆電話の列に我慢して並んでても
マンゴーをオヤジから買ってても
交差点でラッシー飲んでても
ネット屋で日本戦テキスト観戦してても
ベランダでぼんやり涼んでても
ぶらぶら夕涼みがてら散歩してても
行き交う人たちの顔が強烈な印象で
でも、今週はどうしても
孤独なスペースシャトルな気持が
覆い尽くしてしまってます。


うちの近所に今年初めから新しく
スナック屋ができたんですが
そこのアルーティッキーは
ほんとにハッシュドポテトみたいで美味。
でも何がすごいかって
そこの奥さん、かなり美人。
それでもって、娘も母親似のすごい美人。
息子も偉くて、よく店手伝ってるんですが
賢そうで、姉ちゃんと瓜二つ
目がくりくりしてて、いい男になりそう。
でもですね、しかし驚きなのはオヤジ。
いい人なんでこういうの心苦しいんですが
でもほんと崩れちゃってて、ですねえ。
なんなんだこの家族は、と。

うちの斜め下の何でも屋。
そこの店はなにせモノがなんでも古いんで
なるべく買い物しないようにしてるんですが
なぜかその店、家族みんな英語ができる。
そこのガキがいいヤツでして。
外見は普通のうちの近所にいるガキンチョ
でもきれいな英語を話します。
以前、ビスケットにかぶった埃を
そいつが拭いてくれたんで
ありがと、と僕が言うと
なんだかビックリだったようで
それ以来、そこの家族、ホントに礼儀正しい
インド人らしからぬ態度になってしまいました。

うちのかどに朝夕、チャイ屋がでます。
うちの斜め下のじいちゃんがまあ半分道楽で
ちょっとした小遣い稼ぎでなくらいのヤツ。
近所のオヤジどもの、ちょっとした社交場。
でもなぜかそのじいちゃんも英語ができる。
昔はほぼ毎日チャイを頂きに行ってたんで
もうすっかり顔馴染で、すれ違うたびに
あいさつを交わします。
皆から愛されるチャイ屋のじいちゃん。

うちのとなりのとなりのコ。
まだ2歳くらいなんですが
とにかく夜泣きしまくり。
夜中停電とかになるともうそれだけで
ワンワンワンワン始まります。
聴いてるだけで可哀想になるくらい。
でもそこの夫婦
僕がここに来て一年位して結婚したはず。
ちょっと前まで奥さんお腹大きかった気がする。
その産まれたコがもう歩いてるからですねえ。
4年の大きさを感じます。

ホントに近所の子どもが大きくなってて。
会うたびにけらけらけらけら笑って
茶化してくる女の子がいるんですが
背が高くなっちゃっててビックリ。
足がすらっと長くなってて、でも
相変わらずお腹は出ちゃってて。
髪の毛も相変わらずワカメちゃんカットで。

サルダールジーの子どもってのは
ほんとちっちゃいときは可愛いんですよ。
ぼんぼりターバンにうなじがすっきりで
目がくりくりしてていたずら探して。
でもある一定の年齢、15歳くらいか
超えると、いっきにオヤジ化するんです。
うちの並びの可愛かったサルちゃん兄弟
独りはもう完全に毛むくじゃらの
お腹ぼよよーんの、でれーっとした表情の
オヤジサルダールジーと化してしまいました。
かなりショック。衝撃的な変身。

街はこんな風で、いつもと同じ。
でもどうしても孤独なスペースシャトル。
自分がかわってしまったんでしょうね。
余りにも強烈な印象を残す皆の表情が
その奥に在るそれぞれの生活の大切さに
無意識にも思いを馳せてしまう。
戦争なんて、すっげあたまくる。

金曜試験終わったら
写真撮ろう、街へくりだそう。


七色の黄昏おりてきて
風はなんだか涼しげ
土曜日の夜は賑やか
街角はいつでも人いきれ
それでも陽気なこの街
いつでもおめかししてるよ

暗い気持ちさえ すぐに晴れて
みんなウキウキ ウキウキ

Down Town
by SUGAR BABE
2002年06月03日(月)
なんか印パ情勢



(れん) 晴れ

というか
インド在住外国人動向
かなり動いてます。
ばんばん大使館で説明会も行なわれて
それに欧米各国、続々と退避してます。
新聞でもその模様報道されてますし
国連関係職員も退避の奨励が出たそうです。
多くの企業も今週初めには
一時撤退するかどうか決定すると思います。

ヤマは月曜からの中央アジアでの会議
そこでバジパイとムシャラフが会談するかどうか
もし会談実現したなら
どういう方向性を導き出せるか。
そして、アメリカの動き、ですね。
とにかく今週がヤマと思われます。

日曜の新聞ってのはなかなか読みごたえあって
僕は好きなんですが、ひとつの記事を紹介。

その記事曰く
国境付近の緊張は最高潮、一触即発の状態。
外国企業は一時撤退を始めた。
これはインドに莫大な経済的損害を与える、と。
ある有名な軍隊の司令官曰く
必ず勝つ見込みのある時にだけ
戦争は始めるのだ、と。
現状を鑑みるに
では、いま目の前にある戦争とは
何に対する戦争なのか、と。
今世界で行なわれている戦争とは
テロリズムとの戦争なのだ、と。
テロリズムを根絶するのが究極の目的であって
パキスタンとの戦争で、その戦争に勝利できるか
パレスチナの報復攻撃によって
テロリズムを根絶することができるのか
昨年のアフガン戦争でアメリカは
テロの脅威を根絶できたのか、と。

非常に核心を突いた問題提起だと思います。

インドの新聞の読み方なのですが
一面はでっかく、ものすごく緊迫した状況
それでもうぜったパキが悪いだの
絶対制裁加えるべくだのだの。
でも、新聞の中を覗くと
いろんな角度、側面から
いま戦争をすることがどれほどばかげているか
どれほど庶民を苦しめることになるのか
どれほど、この南アジアの発展を
遅らせることになるのか、などなど
鋭い論調で切り込んでいます。
新聞を見るに、けっきょく一面を飾るのは
政治家とか上の方の偉い人たちであって
彼らがどんなにか庶民からかけ離れた所で
どれほど無責任な言動を繰り広げてるのか。
ある意味人気取りのための、インドの
本当の現状から遠くかけ離れたところで。
非常に腹が立ってなりません。
そういった言動にのせられて煽動されてしまう
インドの一般庶民、大衆というのは
あまりにも悲惨としか言いようがありません。
今年中に教育権が基本的人権として
憲法に明記されることになりそうですが
けっきょくは条文化されても
それを実行するか否かが問題で
今の政治や行政の状況を鑑みるに
けっきょくかたちだけの条文になりそうで
それはとりもなおさず
法の遵守や権威を下げ
権力、力をもつ者自体が法に成り代わり
そうしたことが積み重なり
けっきょくは力をもつ者が
民衆を巧く操るための社会構造が
できてしまいそうで、できつつあり
ほんとうに怖いものがあります。

けっきょくは本当の意味での
民衆のエンパワーメントを追及することが
戦争よりも何よりも大事なことで
政治的、経済的、そして何より教育面での
民衆のエンパワーメントこそ
待たれて止まないものだと思います。
そのことに政治や行政はもちろん
大学や教育機関は全力を傾注していくことが
何よりも大切なことではないでしょうか。
また、中流階級の人々は、いまのこの
経済開放路線の中で、完全に上の方の
力を握る人々と妥協してしまっていて
完全に無力感漂っているだけなのですが
独立期、ガンジーが訴えたように
インド人として世界に貢献してゆく
その使命が再び人々の生命に蘇ることを
こころより願って止みませんし
またこうしてインドにお世話になっている
一学生として、一人間として
真摯に、誠実に行動していくことが
自身にとって肝要だと思います。

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