きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 言われたくない

本日の担当:SHY

 今まで8:45に家を出て幼稚園へ行っていたSizの通学時間が1時間繰り上がった。
 無理もない。幼稚園は30秒で到着するのだし、始まるのも遅かったのだから。
 かくして、私が毎朝ベランダから通学班の列の中でちょこちょこ歩いているSizを見送るのだ。
 恥ずかしいからやめろ、と言われるまでは続けようと思う。
 ささやかな、朝の幸福。



 午前授業のSizが帰った頃に、心配になって家に電話をしてしまう。
 私の胸の裡をよそに、元気に電話に出るのはSiz本人だ。
 そして、今日は何があったとか、何時に帰ってきたとか、そんなお喋りをするのだった。
 いつものSizは背後でkinaが待っているにも関わらず、何かと話を引き伸ばしては受話器を放そうとしない。
 それが、今日は違った。

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 え...まだ、と言いよどんで彼女は言葉を継いだ。
 「ママにかわるね」と。

2006年04月19日(水)



 季節はめぐる

本日の担当:SHY

 「もう、スープあちくないよ」

 ...熱くない、の間違い。

 「だって、そんなことかいてあんない」

 ...書いてない、の間違い。

 相変わらず見事な抜けっぷりを披露しているSizは、最近では「おいでよ どうぶつの森」に夢中。
 実生活のSizと同じように、ファッションにうるさい住人として小さな村での生活を楽しんでいる。
 「あ、メールがきてる」
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 メールの差出人は私なのだった。

 ...そう、Sizは実生活でも小遣いをもらうようになったのだ。
 黒い豚の貯金箱に、今は初任給が入っている。



 曇天の下、くるりと振り返るSiz。
 桜の花は、最後の一頑張りで持ち堪えてくれていた。
 誇らしげな背中のランドセル。
 この日記を書き始めたとき2歳5ヶ月だったSizは、今日から小学生だ。
 親がしてあげられることなんて限られていると、最近ではそんな風に思う。
 そしてこの先、加速度的にその割合は減っていくに違いない。

 春は、変化の季節。
 Sizの姿に眩しさと寂しさを同時に覚え、それに動じないのが親の務めと自分に言い聞かせた。

2006年04月10日(月)
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