きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 おめでとう

本日の担当:SHY

 同じ組の「れおんくん」と手をつないで廊下を歩いていくSiz。
 お世話になった先生方に「ありがとうございました」と挨拶をして回っているらしい。
 まだセレモニーが始まるまでには1時間もあると言うのに、そこかしこで元気な挨拶の言葉が飛び交って幼稚園は賑やかだった。
 そこへ先日登場の「みきこちゃん」が、4人連れでやってきた。
 私の姿をみつけると「ありがとうございました」と大声で言ってくれたが、他の3人は訝しげな顔をして「誰?」「先生じゃないよ?」「知らない人」と極めてクールな反応だ。
 私は苦笑しながら「みきこちゃん」に手を振って、彼らの姿を見送った。



 卒園証書の授与は、それなりに感動的なシーンだった。
 壇上で園長先生に深々と頭を下げるSizはとても大人びて見えたし、制服もずいぶん小さくなったものだと感じさせられた。
 お役目を終えて自分の席に戻るときの表情は「どんなもんだい」と得意気だった。
 そう、今日は胸を張って自分を誇りに思ってもいい日。



 謝恩会では先生との別れの時が近づいてきているのを感じて泣いていたSizも、今日は凛々しい顔をしている。
 写真やビデオ撮影をする側にとっては、格好の被写体だ。
 先生の掛け声で園児達が起立し、我々のへ回れ右をした。
 カメラを構えている私のところから5mと離れていないところに、Siz。
 そして卒園の歌を合唱。
 微笑む私にSizも微笑み返す。
 だが、急にその顔が涙の色に曇った。

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 ...撮影の邪魔をしないでください。


 いや、セレモニーに涙はつきものだ。
 それに値することもわかっている。
 Siz、卒園おめでとう。

2006年03月18日(土)



 ホールド・ミー

本日の担当:SHY

 気がつけばSizは卒園を目前にしている。
 入園の日にしみじみと色々なことを思ったが、それももう2年も前の話だ。
 1ヵ月後、Sizはランドセルを背負って小学校へ通うようになる。
 本当か、おい。


 さて、先週末は幼稚園の謝恩会だった。
 kinaが役員をしているため、父親の列席が認められない事情をよそに私はそこにいた。
 もちろん、タダというわけにはいかない。
 ビデオ撮影という、失敗の許されない仕事を頂戴した。

 華やかな宴はなかなか感動的であった。
 園児達はパーティ会場(結婚式場)という環境にはしゃぐばかりだが、先生や母親達の目には光るものが見え隠れしたりして、やはり最前線で子供達と正面から取り組んだ人達にとっては、感無量なのだと改めて思ったのだった。
 気がつくとSizははしゃいでいる友達とは違い、独り自分の席で泣いている。
 何かトラブルでもあったのかと、近くへ行って事情を聞くと彼女は言った。
 「さみしいの」
 Sizはどうやら先生、母親チーム側のようだ。



 Sizと同じテーブルに「みきこちゃん」が座っていた。
 私と「みきこちゃん」は参観日などで顔見知りで、会うたびに挨拶をする仲なのだ。
 「だっこして」
 自分の娘以外にこんなことは言われたことがない。
 私は人差し指を立てて笑いながら応えた。
 「他の男の人が抱っこしたら、みきこちゃんのパパに怒られちゃうよ?」

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 ...魔性の女、なのである。

2006年03月12日(日)
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