風車祭(カジマヤー) 池上永一 文藝春秋
読み始めたきっかけ。 →だって沖縄ブームなんだもの。
これを読むと、沖縄のお祭り事情の内容が少しはわかるかなぁと思いました。 原作付で栗原まもるが漫画化してますね。
舞台は石垣島。 シチ祭の日、妖怪火(マゾームノーナ)の光を浴び、マブイ(魂)を落としてしまった島の高校生:比嘉武志。 妖怪火の正体は死人ではなく、遥か昔に婚礼の儀に向かう途中に何者かによって石にされ、永い永い時間を過ごしマブイだけの姿のまま生きる少女:ピシャーマだった。 ピシャーマに恋をし、マブイを落としたまま、異界の者と関わることになる武志。けれど、ピシャーマはある使命を果たすために神に選ばれた者だった・・・。
真面目な話・・・だと思いながら読んでたのだけれど、たくさん登場するオバァとの掛け合いを見ていると、ついプッと吹き出してしまってほんわかする。時空も、時間も越えたラブストーリー・・・でいいのかな?
最後の最後のシーンで、やっぱり泣いちゃいました。最近涙もろすぎる気がする・・・。 マブイを落とした少年が死ぬとき、島に津波が押し寄せる。
切ないけれど、きっと、沖縄の太陽の下で時間は過ぎていくのだろうなあ。みたいな。そして、彼らは、忘れることがないんだろうなぁって思いました。少し長いけれど、沖縄の民俗学に興味がある人には入門書、のように読めるんではないかなぁと思います。
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