子供たちからの返事は、まだ分からないまま。
進展があったと言えば、あったかな。
メールのお返事。
全然進んでいないですね、ごめんなさい。
「彼と再婚する気持ちがあると言うこと、子供たちは知っているの?」
という質問が多かったです。
知ってます。
離婚前に子供たちに好きな人がいると言う事を、話しました。
日記でも書きましたけど。
長女ももう12歳。
好きな人がいるらしくて「好きな人と話したりするの、嬉しいよね」なんて言っていました。
この間の旅行の時に。
「好きな人とはどうなった?」
なんて、長女に聞かれました。
「同じだよ、好きなままだよ」
って答えましたけど。
たぶん、この間知人から話を聞いたときに。
そういった事(私の再婚の話とか)も聞かされているはずです。
彼とは、今すぐに再婚!何て考えていません。
この人とだったら、再婚したい、と言う意思が出てきただけでも、充分進歩だと、彼は言ってくれています。
今までは「この人とでも何でも、結婚する事自体怖い、結婚の意味が分からない」と言う状態でしたから。
遅くても数年以内には、と考えています。
気がついたらカウンターが50万超えていました。
不思議です、自分の日記ながら。
それだけの人が読んでくれていたんだなぁって。
最近更新してなかったので「元気ですか?」と言うメールをくださった方がいました。
一応、元気です。
ありがとうございます。
そろそろ、彼の誕生日です。
去年の今日は何してたんだっけ?って日記を読み返してみると。
「彼がバイトであえません」
何て書いていました。
あの頃は近かった分、ちょっとでも会おうと思えば会えたし。
彼も学生だったから、時間はたっぷりあったし。
今より、数倍恵まれていたんだろうなぁと。
そんな風に思い返せて、日記って本当にいいなぁって思いました。
来年の私は。
この日記読んで、どんな事を思うんだろう?
てか、この日記があるのかどうか、分からないんですけど(笑)
来年の私は、彼に。
「去年の今日ね、一昨年のあたしは、近かった分会えて恵まれてたくせに!なんて暗い日記書いてるよ」
って、笑いながら言えていたらいいなぁと。
いつも以上にまとまりのない日記で、ごめんなさい。
思った事をそのまんま、読み返しも、下書きもしないで、書いてみました。
いつ、電話が鳴るか、その電話の内容は。
暇な時間が出来ると。
ずっと考えてしまうから。
今日は仕事をずいぶん頑張った。
残業して、朝から夜中まで働いた。
昨日の今日で、答えが出るはずもなく。
電話は鳴る事はなかった。
きっと、子供たちも考えて、考えて。
すごく、悩んでいる。
あたしみたいに、待つだけじゃなくて。
考えたくなくて、仕事に逃げたり出来るわけでもなくて。
自分で考えて、答えを出さなきゃいけないから。
辛いだろう、って思った。
あたしは、逃げ道もあるから。
楽してるんだね。
「連絡来た?」
あいつから聞かれた。
「まだ。昨日の今日だしね」
「そか。うん、昨日の今日だしね」
「うん、そう」
「俺さ、子供たちと一緒にここに行きたいんだよねー」
あいつの地元の温泉らしい。
そんな話をして来た。
まだまだ、分からないのに。
どうなるか、なんて。
でも、必死に未来の話をしようとしてくれる。
あたしが、そうなったらいいと思うほうの未来の話を。
いつもより何だかそわそわしているあいつの声を聞いて。
あいつも、待つ側なんだな、と思った。
あなたの、本音は。
どっちなの?
子供たちがいないほうがいいの?
2人きりの新婚生活を望んでいる?
それとも。
本当に子供たちと一緒に暮らしたいと思ってくれてる?
たぶん。
一生分からない、答えは聞けないんだろう。
分からないままでも、いいと。
思ってる。
でもね。
あたしが、幸せだと思う方を。
あたしが、こうしたいと望む方を。
一緒に思ってくれる、望んでくれる、あなたに。
今は、感謝してもしきれない。
今日は、子供たちが話を聞いている日。
あたしや、元だんな様がいる場所だと、どうしても本音が出ないんじゃないかって。
そう言う話になったから。
子供たちは、元だんな様の知り合い、あたしもしっている方から話を聞いた。
パパとママと、どっちと一緒に暮らしたい?
両親のどちらかを選べ。
なんて。
ものすごく残酷な事をしているの、分かってる。
これで、あたしや元だんな様を選んで。
子供たちはきっと、辛い思いをどんどんするんだろうと思った。
自分が選んだ親、選ばなかった親。
長女はもう今年で12歳。
次女は10歳になったばかり。
自分がそれくらいの時、そんな事判断する能力があっただろうか。
そんなふうに、考えてみる。
答えは、出なかったけど。
その知人は、子供たちに。
「すぐに答えを出さないでいいんだからね」と言ってくれたみたい。
あたしは、待っているだけ。
ドキドキしてた。
何をしていいのか、分からない。
待つ事しか出来ないのに。
なぜか、焦っていた。
子供たちが親を選ぶ。
そんな事をさせるなんて。
果たして、間違ってないのか。
してはいけない事を、しているんじゃないのか。
一人で考えていると、疑問ばっかり、否定的なことばかり。
浮かんでしまう。
そわそわしっぱなしだった。
落ち着かない、一日になった。
こんな事、電話で言うものじゃなけどね。
分かってるけど、今すぐ会いに行くのは難しいから。
あたしの、こんな言い方で、あいつは悪い事想像したみたい。
「何?なんだよ、何??」
何度も何度も、不安そうに聞いてくる。
あたしは、ちょっと笑ってしまった。
「なんだと思うの?」
「今、りりかが笑ったと言う事は、悪い事じゃないかなと言う感じまでは分かった」
いろいろな話を、してきた。
この間、会ったときにも。
いろいろな話を聞き、あたしもして。
そのときには出なかった、あたしの決断を。
あいつは、今笑顔だろうなって声で聞いてくれた。
あたしは、あなたと一緒にいたい。
ずっと一緒にいたいから。
あたしは、あの時、あなたの手を取ったんだね。
悩んで、泣いて、分からないってばかり言ってきたけど。
ちゃんと決めてたのにね。
あいつは、あたしの言葉をずっと「うんうん」って優しく聞いてくれて。
「ごめんね、ころころ変わってしまって」ってあたしが謝っても。
「いいよー」って。
いろいろなこと、あなたとだから見えて。
これからも、あなたと見たいと思った。
同じ視線で、いろいろなものを。
だから、あたしと、一緒に。
ずっと一緒にいてください。
あなたは笑顔だったんだよね。
声で分かった。
「なんだか、りりかからプロポーズされてるみたいだよ」
「そうなのかもよ?」
「そうなの!?」
「内緒ー」
ずっと一緒にいよう。
あたしたちは、これからも。
そう、思った。
この先、何が待っているかなんて分からないけど。
「何か今、凄いりりかに会いたい」
そう言って、あなたは笑った。
次に会う時。
あなたは、笑顔で。
あたしを抱きしめてくれるんだろうなって、思ったよ。
2003年05月21日(水) |
別れを決めた彼女に。 |
ずっと日記を読んでくれている方から、メールを頂いた。
その方とは何度もメールのやり取りをしてた。
彼女は、あいつと同じ立場の方。
彼女の彼が、離婚して彼女を選んだ。
彼は、子供の事があるからと言って、結婚は当分出来ないと彼女に言ったらしい。
彼のお子さんは、元の奥様が引き取った。
そのお子さんたちへの責任もあるから、まだ結婚は出来ない。
そう言ったらしい。
彼女が選んだのは「別れ」だった。
彼女は、元奥様に引き取られたお子さんたちへの償いを、一緒にやって行きたかったのに。
と、言った。
だけど、彼はそうじゃなく。
一緒に償っていく、と言うのは、彼女と一緒になると言う事で。
それは自分だけが幸せになると言う事で。
それは出来ないと、結婚は出来ないと、彼女に言い。
彼女は「結局いいとこ取り」だと言った。
あたしは、彼の気持ちが凄く、分かってしまう。
彼女の彼は、子供を引き取ると言う話は出ていなかったにしても。
「自分だけ幸せになってはいけない」
という気持ちになってしまうのが、分かる。
あたしも、ずいぶんそれで悩んだ。
特に、離婚後すぐは、そういった事で悩んで。
あまり笑えなくなったことも、事実だった。
自分が幸せに、好きな人と一緒にいていいのか。
好きな人と笑っていいのか。
そんな風に悩んだ時期があった。
あたしは「ライラが二十歳になるまで結婚は出来ない」とあいつに言った。
あの時、そう真剣に思ったのも、事実だ。
あたしは、あいつと一緒にいたいと、凄く思う。
あいつと一緒にいたいと思う気持ちを、揺らしたらだめだよ、って。
迷ったらだめだよって。
あいつの手をとった時に、決めた。
揺れてない。迷っても、ない。
ずっと一緒にいたい、と言う気持ちは、あのころと一緒のまま。
子供の事にしても、毎日迷い続けている。
いろいろな意見を聞いたりした。
学校の事にしても、子供たちの気持ちのことにしても。
あいつの気持ち、元だんな様の彼女の気持ち。
いろいろな気持ちを、いろいろな立場の方から聞いて。
子供たちに話を聞くのは、今週末になりそうで。
あたしには、どうなるのか、分からない。
自信もないし。
たとえ子供たちがあたしと一緒がいやだと言っても。
もう、それは受け止めようと。仕方ないと思おうと。
あいつと話し合うたび、あたしの考えってずいぶん変わっている気がする。
あいつはそう言うこと、何も言わないけど。
でも、きっと心の中じゃ「また考えが変わってる」と思っていると思う。
一貫性がないんだ、あたし。
そんな、あたしのころころ変わる考えに、あいつはいつも。
「りりかの決めた事なら、それでいいよ」
って言う。
あたしは、そういった言葉に甘えて。
・・・また迷い始める。
あたしにメールをくれた彼女は。
「一番引っ掻き回されてるのは、りりかさんの彼です」
と、言った。
そうだな、と思った。
ちゃんとしよう、って思った。
この人の手を離さない、と決めたのなら。
どっちつかず、いいとこ取りをやめようって思った。
「一緒に償って行く」
彼女がそう思っていたその気持ちは。
同じようにあいつにもある。
もし、子供たちがあたしを選んでくれたとしても、だめだったとしても。
あいつと一緒に、と、あたしは決めた。
彼女のメールで、教えられた。
あたしは中途半端だった気持ちを、何とか形に出来た気がする。
Kさん。ありがとうございます。
あいつに会いに行った。
たまたまお互いの時間が合って。
あたしから、行く形になった。
急だったから、何も手土産もない・・・と思っていたんだけど。
母に「この間のお礼」と言われて、旅行に行った時のお土産を持って行くように言われた。
前回あたしが行った時、あいつが母にお土産を買ってくれた。
おばあさんからは、野菜とお米をかなりの量を頂いた。
あたしは余り家で食事を作らないから、母に渡した。
そのお礼で、母があいつに渡すようにって、この間旅行に行ったときにお土産を買ってくれてた。
お父さんもお母さんもお仕事だったので。
おばあさんにご挨拶だけした。
「お母さんに、お礼よく言って置いてね」
「はい、伝えます」
あいつが支度しに部屋に行ってしまった後、二人きりになったんだけど。
おばあさんは、あたしが来た事を凄く喜んでくれて。
あれこれ出してくれて。
凄く恐縮してしまう。
でも、凄く楽しい。
いろいろな話を聞いて、あたしの知らない人の名前とか、がんがん出してくるんだけど。
なんだか、楽しくて仕方ない。
あたしは、笑ってばかりいる。
あいつの支度も終わって、出かけることになって。
あいつの家の外に出たとき、ちょうど車があいつんちの庭に入ってきた。
「誰?」
と、ドキッとする。
あの車はお母さんのじゃないし、お父さんでもないし・・・。
お姉さんかな・・・って、ドキドキ。
降りてきたのは、あたしより少し若い女の子で。
「やっぱりお姉さん??でもお腹大きくないから違うか・・・」
とか考えていたら。
向こうから話し掛けてきた。
「あれー?Hくんの彼女ー?」
あたしの頭の中は。
「誰?誰?誰なの???」
って感じでいっぱい。
「いとこのYちゃん」
って、あいつに聞かされて、ああー話では聞いてた事あったなぁって。
初めまして、のご挨拶をして。
名前とか言って、少し話した。
それであたしたちは車に乗ったんだけど。
あいつが運転中、笑いながら。
「りりか、分かりやすいー(笑)」
って言う。
「何がよ?」
「だって、さっきのYちゃんとの時、あの笑顔・・・店でよく見る笑顔だ(笑)」
「そ・・・そうですか?」
「絶対にそうだよー!いつもああいう顔で、いらっしゃいませぇとか言うじゃん」
「分からない・・・緊張していたから・・・」
「他の人には分からないかもしれないけど、俺には分かるね。接客用の笑顔だと、りりかの場合ブスだもん」
「はっ?」
「何かね、自然な笑顔じゃないから、ブス。そう言えばね、お台場に行ったときも、ああいう笑顔されてた(笑)」
「あの時も緊張してたんだってば・・・」
あたしは、彼氏の家族。
と言う人に会った事は、元だんな様の時以外ない。
17歳で結婚しちゃったのもあるし。
彼氏の兄弟、なら会った事はあるんだけど。
その、元だんな様のご家族(特にお母さん)とうまく行っていなかったあたしは。
構えちゃうと言うか。
正直、相手の家族に会うのが怖くて仕方ない。
あたしは人見知りをする。
仕事柄、作り笑いは出来るんだけど。
お客さまと店員、としてなら何とか会話も出来るんだけど。
でも、普通に知り合った場合。
やっぱりいつも最初は溶け込んでいけないと言うか。
一歩下がって見る、と言う感じ。
あいつは、笑って「りりかって作り笑い上手だなぁ。ばあちゃんとは自然に笑って話せるのにね」とか言っていたけど。
そもそも、作り笑いなんか、だめだよね。
ちゃんと、自然に笑顔にならなきゃね。
元だんな様と話した。
あたしが旅行に行った日、どこかへ言ってた?
仕事だったよ。
そか、仕事か。
でも、だったらなぜ、彼女にそう言わなかったの?
彼女、心配してたよ・・・。
あたしたちと旅行に行ったんじゃないかって。
そう、言えなかった。
なんとなく、彼女と話した事を言えなかった。
でも、元だんな様は彼女からそれ以外の事は聞いていて。
「話したんでしょ。子供のこととか」
って言ってきた。
「まずかったかな。勝手に話しちゃったりして」
「別に。お前ら同級生だし、電話するのなんかおかしくないんじゃないの?全く知らない人間じゃないんだし」
元だんな様は、再婚する気が今はないって、あたしみたいな事を言う。
結婚に対して、意味が分からなくなったって。
何のために結婚するのか、結婚してうまくやって行けるのか。
そんなふうに考えてしまうって。
あたしの、せいだね。
結婚に対して、嫌な思い出しか、残ってないんだから。
「ごめん。。。」
「ほんと、りりかのせいで、結婚恐怖症だよ(笑)」
「うん・・・ごめんね」
「なんてね。そういうわけじゃないけど、結婚しないで今のまま付き合って行くのじゃだめなのか、って思うよ。恋人として。それじゃ不満なの?って」
あたしも。
今のままがいいって思ったりした。
今のまま、あいつと付き合って行きたい、と思った事があった。
結婚にこだわらないでもいいじゃない、って。
でも。
あいつも、元だんな様の彼女も。
結婚したいって気持ちもあるんだし、それぞれの家族のこともあるんだし。
あたしたちみたいに、一度結婚しているから結婚はもういい、何て思えるはずもなく。
あたしたちのわがままに、振り回されっぱなしだ。
「子供の事は、考えさせて。りりかが子供と暮らしたいって本気で思っている事は分かるんだよ。俺だって本気で一緒にいたいと考えているんだから。何が一番子供の幸せに繋がるのか、もうちょっと考えて行こう」
何が、一番子供たちにとって幸せなのか。
あたしといる事?
元だんな様といる事?
お互いに再婚したとして。
経済的には同じ位の環境だったとしたら。
最後に秤に掛けられるのは、愛情の重さ、だよね。
あたしと元だんな様の。
愛情が同じ位だったとしたら。
残ったのは。
再婚相手の。
あいつと、彼女の。
愛情の重さ、だよね。
子供たちにも、意見を聞こうと言う話になった。
元だんな様は、子供たちが選んだ事なら。
たとえあたしを選んだとしても。
仕方ないのかもしれないって言った。
でも、正直。
離婚前のように、子供たちがあたしを選んでくれる。
なんていう自信は、今のあたしにはない。
あいつは。
「りりかの決めた事なら、俺は味方する。俺はりりかも子供たちも守って行く覚悟はずっと前に出来ているんだから」
そう言って背中を押してくれる。
あたしが再婚しなかったとしても。
見守っていく。
そう、言ってくれる。
そんな優しさに、甘えちゃだめだよ。
そう思うのに。
寄りかかりたくなってしまう。
ごめんね。
10年ぶりくらいに、話した。
電話で、だけど。
最後に会ったのは次女が赤ちゃんのときだった。
偶然、コンビニでばったり会ったんだった。
「りりかちゃん、お母さんしてるんだぁ」
なんて、声掛けてきて。
あたしは彼女が苦手だったから。
「うん・・・。一応」
とかなんとか、一言くらいで別れたんだった。
彼女は美容院で働いている。
昨日はお休みだったから、話す事が出来た。
休みじゃないと、夜遅くまで帰って来れないらしいから。
最初何て言っていいのか、分からなかったけど。
なんだか、勢いで電話しちゃったけど。
彼女も話したかった、って言ってた。
彼女はすぐにでも結婚したい。
でも。
元だんな様は、まだ出来ないと言ってるらしく。
そんな感じですれ違っている、と聞いた。
元だんな様も子供たちの事を考えて。
もう少し大きくなるまで再婚は待とうって考えているのか。
そう思った。
でも。
「りりかちゃんはいいよね。別れたのは自分のせいなのに、みんなに想ってもらえるんだから」
「想ってもらえる?」
意味が分からなかった。
「Kちゃん(元だんな様)は、結局吹っ切れてないんじゃない?」
ディズニーシーに行った事も。
彼女は大反対だったらしい。
そんなに子供たちに会いたいと言うなら。
あたしと子供たちだけで行かせたらいいのに。
いちいち家族で行くことないじゃない。
「離婚したんだから」
彼女は元だんな様に。
そう、言ったらしい。
「りりかちゃんの事、吹っ切れてないんだよ、きっと。そう言うと毎回喧嘩になるんだけど」
「母親ってだけで、独り占めできるんだもんね」
「私だって、好かれるように努力してたのに。でも、敵わないもんね。母親って言うブランドには。たとえ勝手にそのブランド捨てた人間でも」
最後は泣きながら、訴えられて。
「私だって普通に好きな人と結婚したいって思ってるだけなのに」
「りりかちゃん、子供引き取るって言ったでしょ?そんなことしたら、ますます結婚なんかしてもらえない。子供とりりかちゃん、一緒に暮らしたら、Kちゃんの気持ちは絶対にそっちに向くに決まってるじゃん」
「私、頑張るから。りりかちゃん以上のお母さんになるようにするから」
「だから、りりかちゃんは早く彼氏と再婚しなよ。そうしたら、Kちゃんも諦めつくから!」
「りりかちゃん、たくさんいいもの持ってるじゃん。まだ欲しいの?もういいじゃん!!!」
彼女は昔。
ちゃらちゃらしてる、軽い子だった。
適当に人生生きて行けばいいや、ってよく言う子だった。
学校の先生からも。
「お前の将来不安だなぁ・・・ちゃんと考えているのか?」
とか言われても。
「だから、適当に生きて行くんだってばー」
とか返すような子だった。
こんなふうに、泣いて叫びながら訴えたりする子ではなかった。
違う人みたいだ、と思った。
10年の間に、知らない人になったみたいな。
ううん、元々そう言う子だったのかもしれない。
あたしが知らなかっただけで。
なんだか、怖くなって。
謝ってばかりいた。
電話を切る前に。
「子連れで旅行とか行くのはいいけど、Kちゃんは誘わないで。誘われたら、行くに決まってるじゃん」
と言われた。
この間の旅行。
元だんな様は行ってない。
誘ってもいない。
なんだか、さっぱり分からなくなった。
元だんな様に電話をしようと思う。
あの時・・・。
最近、すぐ考えてしまう。
戻れるわけないのに。
「あの時、ああだったら」
「あの時、こうしてたら」
人生って何でも選択しながら進んで行く、って何かで聞いたか読んだかした。
その選択は、小さい事から大きい事まで様々で。
あたしは、そんな事を考えてしまう。
こっちの道に進んでいたら。
あっちに進んでいたら。
自分が選んで、進んできた道は。
正解だったのか、不正解だったのか。
分からないけど。
やっぱりあたしは欲張りだから。
「あの時ああしていたら、もっと良い方へ行ったんではないか」
なんて、考えてしまって。
今も、分岐に立たされている。
あたしは、どっちに行ったらいいのか、考えあぐねている。
元だんな様の彼女と話した。
なんだか、また見えなくなった。
どうしたらいいのかが。
あたしの言葉を聞いた元だんな様は。
しばらく沈黙してた。
「何でいきなり?」
「いきなりじゃないよ、ずっと考えてた」
言いたい事山ほどあって。
どれから言っていいのか、分からなくなる。
うまく言えなかったと思う。
言いたい事の半分も、言えなかったと思う。
どうやって生活していくの?って聞かれて。
実家に帰る、って言った。
仕事はどうするの?って聞かれて。
今の仕事を続ける、って言った。
「彼とは、どうするつもりでいるの?再婚するんじゃないの?」
「今すぐにするつもりはない」
子供が、大きくなって。
ライラが成人した位になった時。
まだ、彼があたしを想っていてくれていたら。
結婚しようと思う。
そう、言った。
元だんな様との話し合いは。
結局「考えさせて。急に言われても混乱する」と言われて。
あたしも、そうだな、と思った。
ただ。
今の元だんな様の彼女が子供の事は余りよく思っていないとは聞いてたから。
「再婚するなら、あの子(彼女)の所に子供たちを連れて行かないで欲しい」
とだけ、言った。
元だんな様の彼女と、あたしは同級生だったから。
嫌でもいろいろな話は耳に入ってくる。
あの子が元だんな様に言えないことでも、女友達には話す事がある。
ライラだけは欲しい、とか。
りりかちゃんも上だけ引き取ってくれたらよかったのに、とか。
そう言う話を聞いちゃってたから。
どうしても、嫌だった。
知っている子だけに、いろいろあたしは知ってしまって。
でも、逆に。
元だんな様が、全く知らない子と付き合ってたら。
こう言う話も分からなかったし。
そのまんま、元だんな様は再婚って形になってたかもしれないし。
知っている子で、よかったのかもしれない。
あたしが。
「再婚するなら、あの子の所に子供たちを連れて行かないで欲しい」
と言った事に、何も反論しなかったところを見ると。
元だんな様も、彼女から直に聞いているのかもしれない。
彼には話してあった。
君が言ってた、3年以内とか言うのは、無理っぽいって。
そんなに長い間待ってて、ってあたしは言えないから。
待てなくなったら、その時は・・・。
振ってください。
「りりかは、それでも待つとか俺が言ったら、また勝手に抱え込んで、待たせちゃってどうしようって悩むから。わかった、待たないよ。無理だって思ったら、その時は、お別れだね」
なんだろ。
自分から言ったくせに。
胸が凄く痛くなったよ。
それでも待つよ、って言って欲しかったのかな。
うん、言って欲しかったんだ。
でも、あいつが言う通り。
それでも待つよ、って言われたら。
勝手に葛藤しちゃうんだろうとも思う。
待てなくなったら、なんていわないで。
あたしは子供たちと暮らすから。
今別れよう。
なんて、あたしには言えなかった。
それが一番いいって母にも言われたけど。
どうしても、言えなかった。
口では「待たない」なんて言ったけど。
あいつは、待っててくれるだろうし。
その間に、いろいろな状況も変わるだろうし。
あたしを一人にさせられないって責任とか。
あいつには、違うって言われるかもしれないけど。
そういう見えない束縛で、あいつは立ち止まったままになってしまう。
まだ離婚する前。
あいつの人生を取り上げているみたいだ、と思った事が何度もあった。
いつするか分からない離婚。
その間、あいつを待たせて。
解放してあげなきゃ、と何度も何度も思って。
でも、大好きで、別れたくなくて。
別れを切り出す、勇気なんかないのに。
それじゃまずいって思ったり。
ぐるぐる。
葛藤した事があった。
あの頃に、逆戻りになってしまった感じがした。
あいつも、きっと今悩んでいる。
いろいろと考えている。
どんな事を考えてる?
別れた方がいいって、考えちゃってる?
面倒だなぁって、思ってる?
聞きたいけど、怖くて聞けない。
「振ってください」
なんて、強がり言ったくせに。
いざ、そう言う状況になるのが、怖くて仕方ない。
今自分が何をするべきなのか。
自分が選択した事は、良かったのか。
不安で、不安で仕方ない。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ メールたくさん頂いていますが、今返事は書けそうにありません。
でも、全部読んでいます。
読むたびに、気持ちが揺れたり。
落ち着いたり、不安になったり。
考えさせられています。
ありがとうございます。
2003年05月11日(日) |
母の日の旅行で決めた事 |
11日から1泊2日で旅行に行ってきました。
子供たちと一緒に。
母の日だって事で、私の母と妹と弟と子供たちと。
妹が元だんな様に交渉してくれて、実行になりました。
朝、迎えに行った時に。
ライラが小さい手にピンクのカーネーションを握っていて。
私に「母の日なんだって」とくれました。
お姉ちゃんたちと来る途中のコンビニで買ったと話していました。
ライラはずっと握ったまま車に乗ってきたから。
ちょっと潰れかかっていたけど。
またそれが、一生懸命持ってきてくれたんだなぁって。
凄く嬉しくて。
私はその場で泣いてしまいました。
ライラは「何で泣くの?」と、どうしていいか分からない顔をしてたけど。
一番上のお姉ちゃんに「嬉涙って言うんだよ」って言われていました。
たくさん遊びました。
一緒に笑いました。
ずっとこうしていたいなぁって思いました。
ライラが「ママと寝るんだ」と言って。
お姉ちゃんたちも「一緒に寝たい」と言って。
シングルのベットを3つくっつけて、4人で寝ました。
楽しい時間は。
あっという間に過ぎてしまう気がしました。
やっぱり、別れるときは寂しくて悲しい。
今回はライラより真ん中のお姉ちゃんが泣きました。
普段は泣かない子なんですけど。
帰ってきてから。
ついさっきですね。
元だんな様に子供たちと暮らしたいと言いました。
その話はまた明日の日付で書きます。
彼女は33歳で既婚。
ご主人とは普通にうまく行ってる。
でも3歳年下の独身の彼がいて。
彼女が30歳の時に付き合い始めた。
彼の方は彼女と結婚したいとずっと言っていて。
でも、子供がいる彼女はそれは出来ないって言い続けて。
何より、ご主人のお給料がとっても良かったから、その経済力を捨て切れないって言うのが理由だった。
彼は、昼は普通の会社員で、夜は警備のバイトをして、子供と彼女を養っていくから、と言ったらしい。
でも、それでもやっぱり彼女は離婚なんか考えられなかった。
彼女がよく彼に言っていた言葉。
「あなたはあなたに合った人を早く見つけて結婚して、お互いが老人になるまで付き合っていこうよ」
彼女もやっぱり自分にだけ相手(ご主人)がいる事に罪悪感があったらしい。
彼に相手(奥さん)が出来たら、自分と同じ立場になれる。
そう思っていたらしい。
彼が、お見合いして結婚することになった。
彼女は悲しんだり、泣いたりするどころか。
とても喜んだ。
やっと彼の結婚したい攻撃や、罪悪感から解放されるんだ、って。
けど、彼に言われた。
「奥さんだけを大事にして行きたいから。もう付き合っていけない」
彼女は、その時初めて、泣いたらしい。
自分から、彼が離れていかないと言う自信があったんだと。
だけど、現実に彼が取った行動は当たり前なんだと。
今彼女は、ご主人とうまく生活している。
彼とつき合う前に戻っただけ。
そう自分にいい聞かせながら。
この話は、あたしの友達の友達の話し(ややこしい・・・)
あたしにこの話をしてくれた友達が。
「りりかも、もしもそうなったらどうする?あまりにも結婚渋ってて、彼が他の人と結婚することになったら、どうする?」
「りりかには、戻れる家庭もないし。どうする?」
って言ってた。
正直、考えられない。
あたしも、あいつが離れていかないって言う自身みたいのは、あるけど。
自信と言うより、愛されているからって言う自覚って言うか。
けど、もしそうなったら。
お見合いするって聞かされた時点で、あたしは泣いて騒ぐだろうし・・・。
この話を、あいつにもこの間アウトレットに行く途中でしてみた。
「ねぇ、それでお見合い相手と結婚して、前のあたしと立場が逆になって、あたしがいつも待つ身、みたいになってさ。Hはあたしと付き合い続ける?」
「いや、無理だな」
即答された・・・。
「俺はそんな器用じゃないし。その彼みたいに結婚したら、その結婚相手を大事にするよ。家族を大事にするから、りりかとは付き合えない」
もしも、の話なのに。
なんだか、本当に「付き合えない」って言われているみたいで。
軽く凹んだ。
軽く・・・じゃないかな。
泣きそうだったかも。
「そうだよね、Hはそういうタイプだよね」
って言いながら、外見て泣かないようにした。
「そんなもしもの話で凹まないの!」
あいつは、運転しながら笑って頭を撫でてくれた。
失ってから気付く。
そう、彼女は友達に言ったらしい。
そうなってからじゃ遅いんだよって。
あたしは、そう言う事多いから。
何だか身に染みた。
「喉痛いし、だるい」
あいつからメールが来た。
あいつは、実家に帰ってからよく風邪をひくようになった。
普通田舎に行くと健康になるんじゃないの?
ってちょっと思った。
夜の電話で。
「熱はないんだけど、喉が痛いし咳は出るしさー」
「あ、あたしがこの間、うつしたのかも」
「え?風邪ひいてたっけ?」
「あたし、喉痛くて咳出てたじゃん。で、Hの薬貰ったじゃん」
「ああー。そうだったね」
あいつの部屋で薬を飲んだ事を思い出した。
朝、ちょっと喉が痛かったから薬を貰ったんだ。
けど、めったに薬を飲まないあいつの部屋に、風邪薬があることに驚いたっけ。
「ねぇ、薬飲まないのに買ったの?」
「えー、あれは、りりかに買ったんだよ」
「いつ??」
「まだ俺が東京にいるころ、りりかが具合悪いって言って寝込んだときに買ったんだけど、りりかに渡すのを忘れちゃったんだよ(笑)」
「そーなの?」
「うん、結局あんな市販の薬じゃだめだったけどね。救急の病院に行ったよねー」
そうか、あの時か。
あの、高熱が出て吐いたりした、あの時の風邪か。
あいつが寝込んだりしたら、あたしが看病に行ったりした。
逆もあったし。
そう言うの、近いからこそ出来たんだもんね。
それに今は。
あいつは実家だから、寝込んでも家族がいる。
いつだったかなぁ。
あたしが離婚する前。
あいつが。
「一人暮らしの時具合悪くなると、凄く心細くなる」
って言ってた。
それで。
「りりかが具合悪くなっても、家族がいるからいいよね。心細くないじゃん」
って言われた。
あたしはその時は「そんなものかなぁ」って思った程度だったけど。
今は、凄く分かるよ。
そうだね、今あたしが具合悪くなったりして。
あいつはすぐ来れる距離でもなきゃ、状況も違う。
あたしは一人心細く寝込むのかな。
あいつはいいな・・・家族がいて。
あたしたち、逆になっちゃったね。
いつの間にか。
「早く治ってくれなきゃ、会う時に具合悪いからって事で中止になっちゃうー」
「いやいや、具合悪くても俺は会いに行くけどね♪」
「やだ、高速とか危ないもん」
「健康なりりかの運転より安全だよ」
「何それー」
「具合悪いなんかに負けてられないよ。滅多に会えないんだから!」
早く元気になってね。
で、元気な顔を見せてください。
もうすぐ、上のお姉ちゃんたちの学校は運動会。
次女は、足が早くて、ずっとリレーの選手だった。
新しい学校では、どうなのかな?って思ってて。
この間、電話の時に聞いてみた。
「どう?リレーの選手にはなれそう?」
「まだ、分からないけど、足の速い子多いよ」
「そっかぁ。でも、なれなくても他の種目頑張ればいいしね」
何気に、次女は幼稚園からずっとリレーの選手だった、と言う事を自慢に思っているらしい。
だから、あたしの励ましもあまり役にはたってないみたい。
「連休明けには分かるんだ。また教えるね」
そして、今日。
ちょっとドキドキしながら聞いてみた。
「どうだった?」
「うん、ぎりぎりで選手に選ばれたよ。大丈夫だとは思ってたけどねー」
何て言いながらも。
凄くホッとしている声だった。
あたしも、よかったね、って心から思った。
運動会には、見に行くことになってる。
そのために有休も使った。
「あのね、○○(次女の名前)が今年もリレーの選手になれたって、ホッとした声出してたよ」
彼にメールで報告。
彼には、この間会った時話してあったから。
彼もドキドキして気になってたって言ってた。
「そっか、よかったぁ。よかったねぇ。やるなぁ、○○はー(笑)」
いろいろな事が、明るい方向に進んでいると最近思える。
少しずつ、あたしも前向きになってきたと思う。
ちょっとずつでいいから、進もう。
前にね。
(昨日からの続きです)
山の上に行った帰りに、アウトレットまで足を伸ばしてみた。
実はここへは、2年半ほど前に家族旅行で来た事があった。
車の中で、そんな話をしてた。
あいつが「靴とジーパンが欲しい」と言うから。
二人であちこち見て回る。
あたしが。
「このかごのバック可愛い!可愛くない??」
って言ってたら。
「買ってあげるよ」
って言われたけど。
なんとなく。
ねだったみたいに思えてしまって。
「いらないー」
って言っちゃった。
アウトレットで昼ごはんを食べているとき。
「お父さんたちは何時くらいに戻るの?」
「明日の夜じゃないかなぁ?」
「おばあちゃんは?」
「家でしょ」
「なら・・・夜とか一人になっちゃうって事?」
「ああー・・・そうなっちゃうね」
「一緒にご飯食べようよ、夕飯」
「いいの?」
「いいに決まってるじゃん。一人でなんかあったら怖いじゃん。今日はHの部屋に泊めて」
「うん・・・分かった。ありがとね」
あたしは、おばあちゃん子だった。
小学生の時はほとんどおばあちゃんに育てられた。
あたしの母親の妹たちと暮らしてたんだけど。
みんな結婚して一人になってしまって。
あたしがたまに遊びに行くと。
凄く嬉しそうにしてた。
夕方、帰る時にいつも寂しそうにずっとドアのところで手を振ってて。
夜とか、寂しくて仕方ないんだろうなぁって。
引き取りたいなぁって思ってた。
元だんな様の大反対にあって、却下されたけど。
今生きていたら、あいつのおばあさんと同じ位の年齢。
だからかなぁ。
重ねてしまっていた。
おばあさんにお土産を選んでた時。
あいつが同じ物を二つ買ってた。
「一個はりりかのお母さんに持って行って」
って、渡された。
あたしの母親は。
あいつの存在とか知っているけど。
あたしがこうしてお付き合いしている事も知っているけど。
賛成はしてくれていない。
どうしても「この子のせいで、りりかは離婚した。子供と離れた」と思ってしまうらしい。
時間が立てば、向き合えるかも、とも言ってたけど。
そう言うこと、あいつは知ってる。
きっと、あいつも辛いだろうなぁって思う。
夕方、あいつの家に帰宅した。
おばあさんは、やっぱり凄く喜んで。
「食べてくると思ったし、泊まってくるって言ってたから何もないのよー」
とか言いながら、あれこれ出してくれる。
「いいから、ばあちゃん、座りなよー」
って、あいつが言って。
「だって、せっかくりりかちゃんが東京から来てくれているのに、Hの所に行っても何も出してくれなかった!何て思われたら嫌じゃないのー」
おばあさんと2人で台所に立って、いろいろ作った。
食べながら、3人で話して。
「この子(H)は、なんだか、電話(携帯)のボタンばっかりいじっててねー。食事中でも行儀悪いって私はいつも怒ってるの」
って聞かされたり。(たぶん相手はあたしなんだろう・・・)
あいつの小さいころの話を聞かされたり。
楽しかった。
自分のおばあちゃんと話しているみたいに思えて。
お父さんから電話が来て。
あいつが出て。
「今りりかとばあちゃんと3人で飯食って話してるとこ」
って言ってた。
後から聞いたら。
お父さんが。
「りりかさんに、こんな遠くまでわざわざ来てもらって、ばあちゃんの相手してくれて、ありがとうって伝えて」
って言ってたらしくて。
あたしはあたしで、楽しいから。
気にしないでくださいって言ってね、と伝えた。
九時過ぎて。
おばあさんは寝るからって、あたしたちはあいつの部屋に行った。
「ばあちゃんが凄く楽しそうに話してて、よかった。ホントにありがとう」
「あたしも凄く楽しかった。あたし、おばあちゃん子だったからね」
「りりかがそう言う風に言ってくれて、嬉しい限りです」
その後、いろいろ話したりして。
今日撮った写真をあいつが嬉しそうにコルクボードに貼っているのを見たりして。
ずっと、こうやって話していたいなぁって思ったけど。
明日は5時に起きて、あたしは帰らなきゃならない。
だから、2人で10時には布団に入って寝た。
こっちにいた時に使っていたベットだから、あたしも見慣れている。
なんとなく、あの部屋で寝ている感覚になってた。
でも。
外の音が何もしない事に気付いた。
こっちにいたときのあの部屋は。
大きい道路沿いだったから、絶えず車の音がしていたし。
そういう音を聞きながら寝てた気がするけど。
何も音がしなくて。
あいつの家の庭にある池の水の音がかすかにするくらいだった。
でも、妙に落ち着けた。
他になんか音がするかなぁって、耳を澄ませていたら。
いつの間にか寝てた。
朝。
おばあさんが畑で採ってきたばかりの野菜をたくさんくれて。
2人で見送りしてくれて。
あたしは、帰った。
高速降りてから、あいつからメールが来て。
「今、りりかが持って来てくれた桜が入ってるお茶をばあちゃんと飲んでます。香りがいいねーってばあちゃんも喜んでるよ」
よかったぁって、思った。
昨日桜を見に行って、お土産が桜茶で。
何だか桜三昧なぁって思ったけど。
喜んでくれて、よかったなぁ。
昨日あいつが「ありがとう」っていった理由は。
「結婚とか全く今は考えられないって言ってたから。だから、なんだか不安だったけど。ちゃんと親にもばあちゃんにも会ってくれて。りりかはちゃんと俺との事を考えてくれているって分かったんだ。だから、ありがとね」
ちゃんと考えてるに決まってるのにね。
だからありがとうなんて言わないでいいよ。
朝(?)3時40分。
思い切り早起き。
気になっちゃって、眠れないって・・・。
支度しながら渋滞情報を聞く。
当たり前だけど、こんな時間だし混んでいなかった。
車に乗り込んで。
あいつに電話した。
「おっはよー。今出ます」
あいつはあたしが電話するちょっと前に起きたらしい。
「何時に起きたの?」
「3時半過ぎ・・・」
「おいおい・・・大丈夫か?眠くない??今5時でしょー。7時につくかな」
「頑張ります!」
「頑張らないでいいから!安全運転でね」
下道はちょっと混んでいたけど。
高速は順調に流れてた。
いつも行くのは夕方や夜が多いから、朝の明るい時間にここを通るのは新鮮な気がした。
高速降りてから。
ナビを見ながらいつもは来てたんだけど。
まだ3回目なのに、道は頭の中に入ってた。
通常2時間半かかるのに。
2時間弱で付けた。
家の前であいつに電話。
「ついたよ。どこに置けばいい?」
あいつが出てきて、運転を変わってくれて。
庭先に停める。
ドキドキが早くなって来てた。
あいつも。
「俺も緊張するよ・・・彼女紹介するなんて初めての事だし・・・」
2人して、玄関前で深呼吸。
まず、入ってすぐ横にあるおばあさんの部屋に通された。
「はじめまして!○○りりかです」
「ああ、あなたがりりかちゃんかい」
って言われて。
「いつも可愛い手紙送ってくる子だよねぇ」
凄く恥ずかしかった。
ちょっと話した後。
リビングに通される。
お母さんが、朝ごはんの片づけをしていた。
おはようございます、と名前を言った後。
「あの、先日は、車を置かせていただいたのに、ご挨拶もしないまま、すいませんでした・・・」
「ああー。誰のかなぁって最初分からなくてね。ちょうど盗難車がうちの山に放置されてた事件があったばっかりだったから。心配しちゃったのよー」
「いえ、本当に申し訳ありませんでした」
「そんなに堅苦しくならないでいですよー。あ、この間はお菓子、ありがとうございました。凄くおいしかったです」
「ありがとうございます。あの、今日はお口に合えば、とお茶を持ってきたんです」
「本当に気を使わないでくださいね。ちょっとばたばたしちゃってて、本当にごめんなさいね」
お父さんは仕事でもうすぐ戻るけど、って事でまだいなかった。
とくに込み入った話は出なかった。
お母さんも支度で忙しそうだったし。
なんだか。
いろいろ聞かれるだろうなぁって。
考えていたのに。
拍子抜けした気がした。
凄く優しそうなお母さんで。
あいつはお母さん似なんだな、と思った。
目の辺りとかそっくりで。
そんな事だけなのに、何だか嬉しかった。
あいつの部屋に案内されて。
凄く広くて、びっくりしたんだけど。
前に住んでいたワンルームのマンションの倍くらいの広さで。
でも。
なんだか。
凄く懐かしいものばかりで。
こっちにいる時にあったものばかりだから。
なんとなく、あの部屋に帰ってきたみたいな錯覚さえした。
「懐かしい」
去年。
付き合ったばかりのバレンタインにあげた、ミッキーとミニーの大きいぬいぐるみが入ってすぐの所に置いてあって。
そういえば。
あたしは、あのころ、あいつと2人であいつの部屋にいると。
なんかされるんじゃないかって、ドキドキしっぱなしで。
何もされないように、ミニーのぬいぐるみをいつも抱えてたっけ。
あいつは。
「なんで、ぬいぐるみばっかり抱きしめてるんですかー(笑)」
って、笑ってたっけ。
あたし。
まさか5歳も下の子の部屋に来て、しかも子もちの主婦のくせに。
何かされるんじゃないかって怯えてるから。
なんて言えなくて。
「可愛いんだもん、いいじゃん」
とか、言ってた気がする。
6月の誕生日にあげた、壁掛け時計もちゃんとあって。
なんだか、見覚えのあるものばっかりで。
初めて来たと言う感じが全然しなかった。
あいつのベットの枕元に掛けてあるコルクボードに。
葛西の観覧車に行った時の写真が飾ってあって。
「りりかの顔を見ながら電話してるんだよ」
って、あいつが言ってた言葉とか思い出した。
ここで、いろいろな事考えながら、生活しているんだなぁって。
何か思った。
お父さんが帰ってきて、あたしたちは下に降りた。
「いらっしゃい」
お父さんは笑顔で迎えてくれて。
なんだか、凄くホッとした。
「道が混む前に出たいから」
って、あいつが言って。
あたしはあいつの車に乗る。
乗り込む前にお母さんが。
「今度はゆっくり来てちょうだいね」
って言って。
それが社交辞令だとしても、嬉しかった。
嬉しくて。
「はい!是非お邪魔させてください!」
って、気合入れて返事しちゃったほど。
あいつが連れて行ってくれたのは。
山の上。
天気がよかったから、暑くて。
車で上まで行って、停めて。
下を見下ろしたとき、凄く綺麗で驚いた。
夜景とか、キラキラしているのは綺麗な事はもちろんだけど。
こう言う緑ばっかりの場所も綺麗なんだなぁって。
しかも、桜がまだ咲いてて。
「りりか、桜好きじゃん?だから、この場所連れてきたかったんだよー」
って、笑って言われる。
「綺麗だね」
「うん、だろー?田舎も捨てたもんじゃないだろ?(笑)」
「うん、すごいよ」
あいつが持って来たチェキでいっぱい写真を撮った。
2人で笑いながら、たくさん話した。
話している途中で。
「りりか、ありがとね」
って言われて。
「何で?」
って聞いたら。
「うちに来てくれて」
って言われた。
全然ちゃんと話もできなかったし。
なにもしてないんだけどね。
でも、あいつが喜んでくれて、よかった。
何で喜んでいるんだろう?って思ってたけど。
その理由は、あたしが帰ってからメールで分かった。
夜。
あいつと電話した。
「明日は何時に出れる?」
「起きたら・・・」
「りりかが起きるの待ってたら何時になるかわからないじゃん!」
「嘘だよ、渋滞する前には出たい。だから、6時くらいに出る」
「うん、じゃ平気かな」
「何が?」
「明日、午前中母方の実家になんか用事で両親が出かけちゃうんだって。だから、りりか来るまでは待つって言ってたから」
「そ、そか。なるべく早く行きます」
あいつの実家はみんな早起きで6時には全員起きているらしい。
だから、いつでもいいよ、って言われた。
「明日早いんだし、早く寝なね」
って言われて、電話を切ったけど。
なかなか寝付けなかった。
どんな話をするんだろう。
どんなお母さんなんだろう。
ドキドキしっぱなしで、だんだん胃まで痛くなってきて。
「ハルシオン飲んで寝ようかな・・・」
ってメールしたら。
「明日朝早く起きて運転するのに、ボーっとしたままなんて危ないからだめ」
って返って来て。
布団の中で、友達やあいつと携帯のメールでやり取りする。
やり取りしながら、何か不備はないかって、明日の服や、お土産のお茶を確認したり。
頑張らなきゃ。
良いように見られたい。
そんな事ばっかり考えながら、いつの間にか寝た。
あと数時間後には会っているんだなぁって。
思いながら。
2003年05月02日(金) |
うまく行かないなぁ。 |
帰宅後。
店長から電話。
嫌な予感はした。
一瞬出るのをやめようかな、と思った。
けど。
緊急だったらまずいし・・・。
「はい・・・」
「あ、ごめんね、仕事終わったばかりなのに」
「いえいえ。何かありました?」
「あのさー。本当に悪いんだけど。明日の午後出てくれないかなぁ」
「・・・。何時までですか?」
「うんとね、夜の七時まででいいから」
「七時・・・ちょっと待って貰っていいですか?」
「うん、連絡ちょうだい。本当にごめんね、いい返事待ってます」
あいつが帰ってきたと言うメールが来て。
「電話しても平気?」
って送ったら「OK」の返事。
で、店長から言われた事を話した。
「えぇー?七時まで働いて、こっち来るの何時だよー?」
「二時間半だから、八時に出てつくのは十時半かな」
「・・・無理だよ。明日は絶対に混んでいるから・・・。二時間半じゃ無理」
「・・・じゃ、断るよ」
正直、みんなに迷惑掛けて取れた連休。
少しでも出れるなら、出たいって言う気持ちがあった。
けど、あいつとの約束をだめにしたくないって言う気持ちもある。
「いいよ・・・。明日はやめよう。明後日の朝。それでいいよ」
「だって、お母さんに明日行くって言ってあるんでしょ?」
「りりかが働いているのも知ってるし。仕方ないって思うんじゃない?」
「いいよ、断るよ。まだ保留にしてあるもん」
「だって、これで俺と会っても、仕事のこと気になっちゃって楽しめないかもしれないじゃん」
ずっと前に。
まだあいつがこっちにいるとき。
あたしが休みの日にあいつと会う約束をしてて。
支度をしているとき、パートさんから電話があった。
お子さんが発熱したから、代わりがいないって話だった。
あたしは出てあげたいって凄く思って。
あたしも子供が熱を出したりした時、本当に困ったから。
けど、あいつに言ったらものすごく嫌な声出されて。
結局、他を当たってみて、代わりが見つかったんだけど。
その時、あいつと会っているときも、「店平気かな」とか考えちゃって。
上の空になってばかりで。
怒られた事があった。
あいつは、その事を言っている。
確かに、そうなってしまう可能性は、無いとは言い切れない。
「でも・・・」
「いいよ、ホントに。朝になったって言うから。平気だよ、それで挨拶した後、出かけようよ」
「うん・・・ごめんね・・・」
最後は「じゃ、明日も仕事頑張ってね」って言われて。
いつも通り、優しい感じだった。
でも。
たぶんあいつはがっかりしていると思う。
うまく行かないなぁって凄く思った。
その後。
店に電話して「OKです」と伝えた。
でもね。
これで休んであいつに会って。
仕事が気になってしまって、楽しめないかもしれないのもあり得るけど。
仕事中に「本当だったら、今頃」と考えてしまう事も充分あり得る。
どっちにしたって、うまく行かないんだなぁ。
明後日の早朝、出るから。
混んでても平気なように、早めに出よう。
三日の話を電話でしてた。
「りりかが来るから、って親に言ったから」
そんな会話してた。
あたしたちは、ぽんぽん言い合いをする。
くだらない事を、言いあったりする事がよくある。
今日もそんな感じで。
「緊張して来たぁー」
ってあたしが言うと。
「しろしろー。どんどん緊張して急性胃炎とかになっちゃえー」
って返してきて。
そのあと。
「なら、あたし地で行くかなー」
「地って?」
「もう、初めて来た感じじゃなくて、高速かったるいっすよー、とか言おうかなー」
「お、いいんじゃん?ついでに、こんな田舎に何で来なきゃならないんすかー?とかね」
「そうそう(笑)で、結婚の話とかになったら、この人(彼)が勝手に盛り上がっているだけで、あたし的には一ミリも考えてないんですけどねーとか言おうかなー」
「・・・何?」
「だからー。一ミリも考えてないんすよーとか言おうかなぁーって」
「3日来なくていいわ」
「胃炎にならないためにも?(笑)」
「違う、マジで」
・・・。
何?
いきなり、テンション下がってるし。
「何でよ?」
「今の、凄い傷ついたよ」
「今の?って、結婚の話?」
「うん」
普通に軽くいつも通りに言い合いしてただけだったと思うんだけど・・・。
「ホントはしたくないんじゃないの?考えてないんじゃないの?」
なんて言われる始末。
「そんな事ないって。今のは話の流れじゃん」
「流れでもそんな言い方しないでよ」
ごめんね。
あたしは軽く冗談言ったつもりだったけど。
傷つけてしまったのなら。
ごめんなさい。
って謝った。
あたしたちの付き合いを、最初から知っているあいつの友達に。
離婚する前はいつ旦那さんの所に戻るかって。
不安で不安で仕方なかっただろうけど。
今は安心出来てるだろ?
やっと自分の物になったって言う感じだろ?
って言われたらしい。
けど、あいつの答えは。
「そんな事は全くない」
だった。
確かに、離婚前は離婚前で、不安だらけだった。
自分はいなくなったほうがいいのか。
自分が好きになったばかりに、いろいろな苦しい思いをさせてしまっている。
いつか、りりかの目が覚めるんじゃないか。
その時、俺は振られるのかもしれない。
そんな不安はもちろんあった。
今はそう言う不安はないかもしれないけど。
いつだって、不安だらけで。
俺でいいのかな、って、考えたりもするし。
俺はりりかがいいけど、りりかは違うのかな?って思ったりもするし。
そう言う不安な事を考えていると。
自信がなくなってくる。
俺がりりかを幸せにする。
って言う自信が。
「あたしも、あなたがいいよ。Hじゃなきゃ、嫌だよ」
「うん、分かってるんだけどね・・・。でも、さっきみたいな事言われると、冗談じゃなくて本音なのかな、って考えちゃうから」
「ごめんね・・・ホントに」
「ううん、俺がちょっと、つまんない事引っかかっちゃってるだけで・・・。ごめんね・・・」
3日は頑張るね。
気に入られるように、一生懸命頑張るよ!
だいたいあたし、だめな所だらけだもん(笑)
マイナスから始まっているんだから、少しでも0に近づけなきゃ。
「うん、俺もフォロー頑張るよ!」
3日の夜、実家へ行く、予定。
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