enpitu



march forward.
りりかの独り言。

2003年03月31日(月) 意味が分かった気がする

明日は、あたしは休み。

だから、明日の夜、会いに行くねって伝えた。

あいつは最近残業が多い。

だから、「9時までに帰れなそうだったら、中止ね」って言われた。




明日の夕方、残業になりそうか電話するから、それで、残業じゃなかったらおいで。って。

もちろん、高速では抜かさない、飛ばさない事が条件。





あいつの地元は、あたしが住んでいるここより、時間がゆっくりしているように、前回行った時思った。

なんだか、車も人も、ゆっくり進んでいるみたいに。

周りが畑ばっかりだったりするからかなぁ。

あたしは、好きになった。

そして、あいつも、地元が大好き。

よく、自慢される。

「近所の駄菓子屋の人がね、すっごくいい人なんだよ・・・」とか。

自分の地元が大好きって言えるあいつが、あたしは好き。





もしも、明日残業で会えなかったとしても。

四日のあたしの誕生日には来てくれるって言っているから。

中止になっても我慢できそうだよ。

でも、考えてみたら、前回会ってから十日近く経つ。

けど、最初の頃みたいに、寂しい寂しいって思わなくなったかな。

あたしも忙しいからかな。





前に、あいつが手紙で。

「寂しくなる暇がない」みたいな事を書いて来た事があった。

あのとき、あたしは「なんだよ、それー」って思ったけど。

なんとなく、意味が分かってきた気がする。




遠距離になって二ヶ月。

まだ、たったの二ヶ月。

最初は二日会えなくても悲しくて泣いてたくせに。

今じゃ気がついたら、十日近くたってる、なんて。




あいつは、離れていても、あたしの事だけを思ってくれている。

だから、寂しくない。

毎日の電話、メール、そう言う風に寂しくなる暇を与えてくれない。

残業で帰ってきても、あたしが起きていれば、必ず電話を10分でもしてくれる。

明日も早いんだから、睡眠時間がなくなっちゃうよーって、あたしが心配しても「んなこと、どうでもいいよ」って言ってくれる。


少しでも、あたしが寂しくならないように、たくさん繋がりを見つけてくれる。






「寂しくなる暇がない」


あなたが言ったこの言葉。

意味が分かったような気がする。



2003年03月30日(日) あたしへの詞

あたしと同じ干支。

一回り違う、バイト君。

12歳も下の、バイト、T。



この子が入ってきたとき、あたしはものすごく怒鳴ってばっかりいた。

て言うか、同じ時期にあいつ(H)も入ってきていて。

かなり、イライラさせられてたから。

マイペースで、自分勝手なあいつと逆の。

とても素直で、いい子なんだけど。

動きが鈍いTを、よく怒鳴ってしまった。

当たってたわけじゃないんだけど・・・今考えると当たってたのかも・・・。

彼はあたしが怖いあまりに、辞めようかと何度も悩んだと言う・・・。



あたしは、H曰く。

「りりかは女には甘い」

らしい。

確かに、そうかも。

女の子は、怒ると泣く場合があるから、なかなか怒れない。

たとえば。

同じレベルで仕事が出来る男女がいたら。

あたしは女の子の方ばかり褒めると言う。

そんなこと・・・あるかも。





脱線したけど。

そんな一回りも下のTは、「僕はりりかさんの弟です!(笑)」とあたしになついて来るようになった。

それはそれは、あいつが嫉妬するくらい(笑)

あたしがあいつと離れて、悲しんでいるんだろうなぁって、よく電話して来てくれたり。

本当に、マメにいろいろ気を使ってくれる。

いい弟だなぁと、あたしも思う。




そんなTが。

「りりかさんを元気付ける詞を書いたんです」

将来作詞家になりたいなぁってよく話すT。

あたしが遠距離になってから、よくこうして詞を書いてくれるようになった。

(あいつは「気持ち悪い!」とか半分嫉妬で言うんだけどね・・・)



下がその詞。





(無題)



このまま時が止まってくれれば
君は帰らずに済むのに
私から笑顔奪って 無情に時間は過ぎてく

帰路につく君を見送り
その背中見えなくなった時涙こぼした

今こんな風に泣いてる事も
いつか思い出として笑い合える日 来るのかな?
問い掛けても鏡のなかの私は答えてくれない…

ずっと強いと思ってた
一人でも辿り着けると思ってた
けれど見通しが悪すぎるこの道に
希望薄れ そっと立ち止まる

出会う前に戻れれば そう思う時がある
でも戻ってしまったら今の自分はいないんだ
そんな当たり前の事に今さら気付く

そして同時にこの道
一人で歩いているわけじゃないとも気付いた

今こう思えるのも君のおかげなんだ
思い出に変えてくれる 変えていける
ふと見た鏡の中の自分は笑っていた

本当は弱かったんだね
それでも一人じゃないって気付いたから
支えてくれる人達と一緒に
また歩きだす…

何を焦ってたんだろう?
何に怯えてたんだろう?

この道は君まで辿り着く事に意味があるのに
そんなこと忘れて泣いてたんだね
もう歩き方になんてこだわらない
カッコ悪くたって 笑われたって
ただひたすら前だけ見ることにしたよ





なんだか、嬉しかった。

照れくさいけど。

よく観察されているんだなぁって。

つくづく思う。



こうやって、あたしは。

いいやつばかりに囲まれているんだなぁって。

みんなに助けられているんだなぁって。

凄く思う。



2003年03月29日(土) 誰かさんにそっくり

この間、新しいバイトが入ってきた。

24歳フリーターの男。



とにかく、生意気。





背が高くて、あたしを上から見下ろして。

口癖らしい「っすねー」(彼にとっては、「はい」って意味なのかな?)っていい方もむかつく。




「あのね、ピアスは取ってね」

「こんな小さいのでもまずいっすか?」

「もしも、料理に入ったら、まずいでしょ」

「ああ。っすねー」



かちん。



「グラスをおくときは、静かにおいてね。印象悪いし、水がはねるからね」

「ああ。っすねー」



むっ。



「○○さん(あたしの苗字)って、胸ないですねー」




プチン・・・。





「君さ、何しに来てるわけ?」

「バイトっすよ」

「じゃーさ、あたしの胸は関係ないよね!?」

「(笑)っすねー。ま、○○さんが胸あってもなくても、俺が触るわけじゃないですしね(笑)」






いらいらいらいら・・・。

「り、りりかさん、瞬き多いですよ!!!」

「お、落ち着いて、りりか!」




マジで、腹立つ!!

もー、もーーー!!

なんなの、あいつ!!!



って、店の裏でダンボールを蹴り飛ばして、踏みつけた。




仲よしのMさんが。

「でもさ、あの子、Hそっくりね。初期の(笑)」

それ聞いて、バイトのTが。

「ああ!僕もそう思ってたんですよ!(笑)」

「りりか、あと数ヵ月後、あの子と付き合ったりしてー(笑)」

「あり得なくもないですよね!(笑)」




確かに、あたしも似てると思ったんだよ!

でも、大嫌いだから!

付き合うも何も、絶対にありえないから!!!

Tのほっぺを思い切りつねって「ありえなくない?」って聞いて見た。

「あ、ありえないです・・・」

「だよね?」






最近のいらいら原因は、もっぱらこいつ。


でも。


ホント、最初の誰かさんにそっくりだよ!



2003年03月28日(金) 本当によかった

朝いつものおはようメールが来た。

あたしは、出勤してから、返事を送った。



「おはよう。いろいろと嫌な事があって、昨日は疲れて寝ちゃってました」



それで、昼休みにあいつから返事。

「昨日何があったの?今日は?今日は元気なの?」


凄く、心配してくれているんだろうなぁって、思った。

心配してくれるのは、嬉しい。

けど、また、気にさせちゃったなぁって。

ちょっとだけ、反省した。

疲れているあいつに、言いたくないなぁって思ったのにね。




「ありがと。今日は平気。今日も遅いのかな?お疲れ様」

夕方、仕事が終わってから、送っておいた。




あいつは夜の八時に帰宅。

「今日は早かったでしょ。後で電話するから、起きててね」




電話が来た。

「何があったの?どうしたの?」

「Hには関係ない事だし、今は平気だから、いいよ」

「関係ない事あるかよ。りりかの事で、俺に関係ない事なんかあるはずないだろ」

「うんー・・・でも・・・愚痴だもん」

「いいよ、何でも聞くって!ほらほら、話してみなよ」



昨日の嫌な事、いろいろ職場であった事。

あたしは話した。

あいつは、「うんうん」とか「りりかは間違ってないと思うよ?」とか、聞いてくれて。

たまに、笑いを入れてくれたりして。

あたしが笑ったら。

「あ、りりか、元気出てきたね」

って、嬉しそうに、あいつも笑った。




桜の開花の話もした。

今年は、あたしの誕生日くらいに満開って言ってたけど。

でも、あたしの好きな桜並木は、もう三部咲きだって。


「あたし、ちょっと一人で見てこようかな」

「おいおいー。そんな寂しい事言うなよ。一緒に行こうよ。もしも、りりかの誕生日に、あの桜並木が満開じゃなかったら、満開の場所に俺が連れて行くから」

「んー・・・」

「だから、一緒に見よ。ね。去年みたいに、一緒に歩こう」

「うん、そうだね」






その後は、あいつの職場の話を聞いたりして。

大変なんだなぁって思ったり。



あいつは、笑いながら、いろいろな話をしてくれて。

あたしの話も、ずっと聞いてくれる。

つまんないかなぁって、こんな仕事の愚痴、つまらなくない?って聞いても。

「つまらないとかじゃないよ。りりかの話は、ずっと聞きたい。てか、俺が聞きたいんだし、いいの」

って、笑いながら、言う。




電話を切るとき。

「りりか、元気になった?」

「うん、ありがと」

「俺は、りりかがどんな結論を出そうとも、りりかの味方だからね・・・ってクサイ台詞?(笑)」

「うん、クサイ台詞だけど。嬉しい。凄く楽になれる」





本当に、そうなの。

あなたが、あたしの話を聞いてくれると。

凄く楽になれるの。

なんだかね。

一緒に考えてくれて、一緒に悩んでくれる。

そんな、あなたが、すごく嬉しいの。




あたしは、言葉でうまく伝える事が出来ない。

下手。

恥ずかしがり屋だから、言いたい事とか、なかなか言えないんだ。






あなたを好きになって、よかった。



本当に、そう思うんだ。

だから、あたしを信じて。

あたしだけを見て。

あたしだけの、あなたでいてください。




ずっとずっと。



あなたと一緒にいて、本当によかった。

あなたもあたしと一緒にいて、本当によかった。



って思えるように。



思えますように。



2003年03月27日(木) 開花

今日の午前中。

気象庁は、東京のソメイヨシノの開花宣言をした。



夜、こんなニュース見て、もう桜か・・・って思った。




去年の今日。

あたしは、あいつと一緒にいた。

2ヶ月記念だね、って。

桜を見に行ったんだった。

もう満開で。

その後、あいつの部屋で、お祝いしたんだった。




一年も、経ったんだ。

桜が咲いている時期に、あたしたちは一緒にいた。

散ったときも、散ってからずっとずっと経っても、あたしたちは一緒にいた。


一緒に、いる。






今年は。

あたしの誕生日のあたりに、満開になるみたい。



あたしの大好きな桜並木がある。

まぁまぁ有名な場所なんだけど。

あたしは、2年前に、初めて行った。

あたしの、誕生日に。

凄い桜並木が、ずっと続いてて。

そして、重なってる桜の枝同士が、風で揺れて、花びらが散ってきて。





雪みたい。





初めて見たとき、あたしが言った言葉。

友達と一緒に行ったんだった。

ちらちら、桜が降ってくる中、友達と歩いた。





去年、桜が凄い早さで咲いてしまって。

あたしの誕生日の頃は、もう葉桜だった。

だから、去年の今日。

あいつと見に行ったんだった。

やっぱり歩いて。

確か、雨上がりで。

寒かった記憶がある。

まだ、あいつと歩く事に慣れてなかったあたしは。

なんとなく緊張したっけ。




今年は、一緒に行けるのかなぁ。





今夜もあいつは残業。

夜11時に「ただいま」ってメールが来た。

明日はまた5時に起きるって書いてあった。

忙しそうだね。




仕事であった嫌な事。

開花しちゃったよ、って事。


今日話したかった、いろいろな事。





そういうの、疲れたあなたに聞かせたくないなぁって。

思ったから、早めに寝る事にした。


電話は、今日はしないでいいよ。あたしも疲れたから寝るね。


って、メールして。



あいつも「うん、ごめんね、電話とか出来なくて・・・おやすみ」って返してきた。

そのまま、あたしは寝た。




夜中に、目が覚めた。

メール受信あり。

あいつから。

おやすみってメールが来てから、一時間後。



「りりかは寝ちゃったかな。なんだか、眠れなくて、起きてます。それだけなんだけどね」



時間はもう2時過ぎてたから、返すのはやめた。

いい加減、寝ちゃっているよね。

もう、受信後2時間近く経ってるし。



すれ違っているなぁ。


って、ちょっと思う。



明日は、話せたら、いいなぁ。



2003年03月26日(水) 何もいらないよ。

あたしは今日は残業。

夜10時近く。

「やっと今帰ってきたよー。これから飯食って風呂入って、明日は4時半起き!疲れたぁ」

って、メールが来た。

あたしは、事務処理中だったから、電話してみる。



「お疲れ。睡眠時間、ちょっとだねー・・・」

「うん、慣れて来たけどね、こう言う生活にも」

「体壊さないようにね・・・」

「うん、大丈夫。あ、手紙届いてたよ、ありがとう」



日曜日、午前中に手紙書いて送ったんだった。

すっかり忘れてたよ。

いろいろな事があって。

ずいぶん前の話しみたい。

あなたに会ったのは、まだ3日前なのにね。



ずいぶん、会ってない気がするよ。



「ねぇ、りりか、誕生日何が欲しい?」



ああ。

こういう質問も、ずいぶん前にされた気がする・・・。



ずいぶん前じゃないね。

まだ。

三日前の話しだ。




「欲しい物なんて、別にないよ」

「えー。困るなぁ、何が欲しいかちゃんと言ってよー」

「何もいらないよ」

「もうー。なら、俺が勝手に決めちゃうからねー」

「んー。本当に、何もいらないんだって」





しいて言えば。

君とゆっくり眠ってる時間が欲しい。

ずっとくっついて。

時間を気にしないで、二人でいる、時間。




「りりかも、疲れてるね。声が暗いよ」

「いやいや。眠いんですよー(笑)」




あいつは、明日も早いから。

電話も切って。





電話を切る前に、言われた。


「誕生日プレゼントは、俺がホントに勝手に選んじゃうからねー」



ホントに、何もいらないんだよ。

あたしの隣にあなたがいてくれる事だけでいいよ。


そして、あなたが満足そうに。

笑顔で、あたしの一方的な会話に。

ずっと、耳を傾けてくれる。



それで、充分。



2003年03月25日(火) 不安を取り除くには。

あいつの具合は、風邪みたいな症状だったけど。

実は、あたしが飲んでて、余りメールを返せなかったことと。

誰と飲んでいるんだ?酔っ払っているんじゃないのか?って勘ぐりすぎた事で。



考えすぎちゃって、気分が悪くなったらしい。




あたしは、素直に反省した。

悪かったなぁって。

いっぱい謝った。

ごめんね、これからは、ちゃんと返すからね。

って、何度も言った。




別に、こう言われた事で、あたしはあいつの事を、うざいとか全く思わなかった。

今までだったら、今まで付き合った人だったら、思ってたと思う。

けど、思わなかった。



素直に。


可哀想な事しちゃったな。

もう、心配掛けないようにしなきゃね。


って思えた。


のは。




あいつが年下だからかなぁ。

それとも。

あたしが今。

来月のディズニーの事で、言えないこととかある。


やましさのせいかなぁ。



あいつは。

「うざいって思われちゃったかなぁって、昨日、もう寝るってメールした後、考えちゃって。で、また気分が凹んじゃった・・・。俺って、何でこんなに、りりかの事になると情緒不安定になるんだろ・・・」

って言ってた。

だから。


「あたしの事が、好きで好きで、仕方ないからじゃない?」

って、言ってみた。

あいつは照れながらも。

「たぶん、そう」

なんて言ってたけど。




ちがうな。

たぶん、あたしがいつも君を不安にさせる要素を出してばっかりなんだよね。



一日も早く、君を安心させてあげるには。

やっぱり、あたしが君のそばにいく事位しか、もう方法がないのかな。




それは、まだ。

出来ないよ・・・。

だから、悩むよ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

おとといの日記の事で、たくさんメールを頂きました。

お返事は、もう少し待っていただきたいと思います。

申し訳ありません。



でも、いろいろと考えさせられ。

いろいろな立場の方からメールをいただき。

いろいろな方法や、助言を聞きました。



私なりに、もう少し考えて見て、結論を出したいと思うのですが。




半分以上は決定しています。

たぶん、私は、言わないでしょう。



この先も、隠し通すでしょう。



それが、私にとって一番最善でも、彼にとってはそうではないと分かっていても。




昨日いただいたメールを読んで、思った事がありました。



私のせいで、傷ついた彼を見るのは。

最終的に、私も傷つく。








やっぱり、私は子供たちと会いたいですし。

今は、子供たちと次、いつ会えるのか分からない状態の中で。

こうして、会えるチャンスがあるうちは、会っておきたいです。

そして。

会った事に対して、彼がいろいろと考えるのが嫌です。

彼とは、仲良く、やって行きたい。

昨日の飲みの間メールが来なかった事くらいで、こんなに凹む彼です。

きっと、今回の事を話したら、何か問題が起こるでしょう。

波乱を起こしたくない。

今、波乱が起きて、彼がどんどん不安になっていった場合。

私が、彼の不安を取り除くために、出来る事と言ったら。

先ほども書きましたが。

彼との生活や結婚しか、ないと思うのです。

でも、今は出来ない。


同じ所を考えて、ぐるぐる回って、行ったり来たり。



正直、考えすぎてしまって、疲れています。





そして、半分以上、気持ちは、固まっています。


私は、ディズニーシーに家族で行く事を、彼には、言わない。





今の、私の気持ちは、こんな感じです。


3/27 AM1:00 りりか



※この件に関しては、しばらく日記の中で書くのを控えようかな、と思っています。

どうしても、この話ばかりになってしまいますので。



2003年03月24日(月) よりを戻す。

一人で飲む事が多くなった。

一人で飲むのって、酔っているかどうか、一人だから分からないから。

余りよくないよ、やめなよ。

って、あいつから言われてた。





今日は、友達に誘われて、飲みに行った。







あいつには、行く前にメールをしておいた。


「友達と○○で飲んできます。帰りに電話します」


まだ、仕事中だったから、返事はないと思ってたけど。

たまたま運転中だったらしく、返事がすぐ来た。


「日本酒は禁止。記憶をなくすまで、飲まないこと」

「分かってます。安心してください」

「りりかは、めちゃくちゃだらしなくなるんだから!」

「分かってるってば!!!」

「やっぱりね。俺のいないところで、深酒させたくないよ・・・」

「しないよ!!!!」







一緒に飲んだ友達は、1歳下で、中学の先生をしてる。

今の職場で、バイトとして、知り合った。

若い先生は、女の子にモテモテらしい。

バレンタインもたくさん貰ったんだ、と話してた。



そういう、どうでもいい話しが。

あたしにとって、楽しい。

この人は、あたしとあいつの事を知らない。

あいつが入ってきて1ヶ月で辞めたから。

だから。

あたしの離婚した理由とかも、何も知らないし。

何も聞いてこない。

そう言うのが、なんだか、心地よかった。

今は、飲んで。

いろいろなこと、どうでもよくなりたい。

今だけ、どうでもいいって思いたい。

そんな気持ちだった。




あいつのメールに気づいた時。

受信後1時間経ってた。

うるさい中で飲んでいたから、気付かなかった。


「今帰宅しました。飲み過ぎてないよね?」

「大丈夫、酔ってないです」



気分はよかったけど、酔っ払ってはいなかった。

帰りが電車だし、そういうのもあったせいで。

ちゃんと帰れなきゃ困るしね。



そして、その後は携帯をテーブルの上に出しておいたんだけど。

電波が悪かったのか。

他の友達からのメールと一緒に、あいつのメールが来た。

1時間半前に受信してたらしい。



「今、食事して風呂入ってきた」

そんだけ?

と思ったけど。

一応返事。

「お疲れさまでした。あたしも、あともう少ししたら帰るから。電話するね」

もう時間も11時近かったし。

そしたら、すぐに返事。

「今日は何か、体がだるくて。もう寝るから、いいよ、電話は。何か、いつもは返事早いのに、2時間半で2通しかメールが来ないし、楽しんでいるようなので、気にしないで」

うっわー・・・。

感じ悪い・・・。

「そか、具合悪いんだ・・・大丈夫?もう寝ちゃう?」

「うん、寝る」

「うん・・・お休み」




分かりやすいやつ・・・。

独占欲強くて。

嫉妬心も、ものすごく強くて。




こんなやつに「元だんな様に誘われたから」なんて話をしたら。

絶対に、凹むんだろうな・・・。

また勝手に、葛藤するんだろうな・・・。

勝手に、思い悩むんだろうな・・・。



元だんな様がいるけど、子供たちと会うためだから仕方ない。

けど、元だんな様がいるんだよなぁ。

それで、またりりかが戻りたいって気持ちになったらどうしよう。

そしたら・・・どうしよう。



なんて、思い込むんだろうな・・・。





日記には書いてなかったけど。

何度か聞かれた事はある。


「もしも、旦那さんがよりを戻したいって言って来たらどうする?」

とか。

「もしも、俺と何か喧嘩して。そのときに旦那さんに優しく何か言われたら、なびいちゃう?」

とか。






・・・あるはずないじゃん。

そういう事聞かれるのは、たいてい喧嘩した後とか。

あたしが、疲れてて口数少ないときとか。

子供に会いたいって泣いたときとか。



そういうとき、あいつは連鎖しちゃうんだよね。



もしかしたら。

戻ってしまうのかも、しれない。

って。



ありえないのに。




だから。

今回のディズニーシーの事も、やっぱり言えないよ。

そうやって、凹む君を見たくないから。

要らない心配を、掛けたくないよ。



2003年03月23日(日) 偶然

あいつは、今日は久しぶりの休みだし、お墓参りに行くと言って。

午前中のうちに帰って行った。

あたしも、帰宅して掃除して。

いいお天気で。

気持ちのいい青空の中。

携帯の着信音。

聞き慣れない音だと思ってたら。




元だんな様から。






他愛のない話をしてて。

「りりか、来月誕生日だろ。何欲しい?」

あたしは、びっくり。

貰えるはずないじゃん。

そんな風に、誕生日プレゼントの事をいきなりだされるなんて、思ってなかった。




「いらないよ。欲しいものとかないよ」

「そか。なら、来月半ば。ディズニーシー行かない?」

「??はぁ?」

「子供たちと5人で、行かない?」

「・・・」

即答で「行く」って言いたい。

けど、なかなか、言葉が出なかった。

喉に、何か詰まったみたいに。

言葉が、なかなか出てこなかった。



「行かない?」

もう一度聞かれた。

あたしは。

「行って・・・いいの?」

と、逆に聞き返した。

「誕生日だしね。いいよ。俺からのプレゼントって事で」

「ほんと・・・?会えるんだ・・・」

「うん、いいよ」



無意識に涙が出た。

夢じゃないんだよね・・・。

何度も「夢じゃないんだよね」を繰り返してた気がする。






あいつに、話したかった。

メールじゃなくて、言葉で。

あいつは、お墓参りに行っているから。

終わったら電話して、とメール入れて。

あたしは、電話を待った。




夕方。

電話が来た。

あたしは、すぐ、話そうと思ったんだけど。

あいつが嬉しそうに「聞いて聞いて」を連発するから。

先に、あいつの話を聞こうって思って。




「あのね。新しい車の運転、今日一日したんだよ。だいぶ慣れたんだよ」

「よかったねー」

「それで、やっぱり最初に助手席に乗せるのは、りりかがいいんだよ」

「うん、ありがと」

「だからね、練習もずっと一人でやってたの。もう、それこそ親も乗せないいきおい(笑)」

「(笑)そんなの気持ちだけでいいのにー」

「でー!オヤジにね、来月りりかの誕生日だから、休みを貰いたいって言ったんだよ。半ば位なら、いいよって言われて。あ、もちろん、りりかの誕生日は休みじゃなくても会いに行くけど」

なんとなく、嫌な予感がした。

「それで、来月半ば。一年ぶりに、ディズニーシーに行こう!ね!!」

「・・・」

的中した、と思った。

前々から、1年経つし、行きたいねと言う会話は出てた。

けど、半ば、なんて。

同じ頃じゃん・・・。

「その時に新しい車で行くから。りりか、横に乗ってね」

「あ・・・うん」

「嬉しくないのー?」

「嬉しいよ!」



嬉しいよ・・・。

けど、もう今更、「子供たちと一緒にディズニーシーに行く」なんて言えなくなってしまった。

言わなきゃいいのかもしれないんだけど・・・。

でも、いいたかった・・・。


たぶん、言ったら。

あいつは「じゃ、今回は辞めよう」って言うと思う。

違う所に行こうか、とか。

でも。

せっかく、あいつも楽しみにしてくれているのに、言えない。




日にちだけは、絶対にずらさなきゃ・・・。




「で、りりかの話って何?」

「あ、うん。えっと・・・何だっけなぁ(笑)」

「何何ー?気になるなぁ。なんだよー?」



何か、適当にごまかしたけど、覚えてない。






こんな偶然が、あるなんて。






軽く言えばいいのかもしれない。

「ディズニーシーには、子供たちと行ける事になったから」

って。

けど、言える?

あいつは怒らないだろうし、むしろ喜んでくれるかもしれないけど。



けど、あいつだって傷つくんだ。

元だんな様も一緒、って分かったら。

あいつだって、寂しい思いするんだ・・・。





そう考えたら。

言えないよ、やっぱ。





子供たちと会うのは、もう半年以上ぶり。

ライラには会っているけど。

凄く嬉しい。

まだまだ先の話だと思っていたから。




でも、こんな偶然って、あるの?

あいつと行くのだって、もちろん、楽しみだし。





あたしが、黙っていれば済む話なんだ。



そう思う。



2003年03月22日(土) 変な感覚

「明日、休みになったけど、墓参りに行ったりしなきゃなんだよ。だから、明日の夕方ちょっと行く、とかになっちゃうかも」

休憩中、電話が来た。

「そかー。ちょっとでも、いいよ、うん」

「ごめんねー」

「ううん、いいよ」


とか言ってて。

あたしは普通に仕事してたら。



あいつがご来店。

珍しく、あたしはフロア(接客の方)だったんだけど。


声が出なかったわ・・・。

ついさっき、電話してたのに。

明日夕方とか言われたのに・・・。





「何、驚かせるの、MYブーム?」

って聞いてみた。

あいつは、笑って。

「いいじゃんー。会いたかったんだもん」

とか言う。




あたしが上がる時間まで二時間近くあって。

あいつは、本を読んでた。

何か、仕事の、本。

店内は暇で。

お客様もまばらで。

「何か飲む?」

って聞いてみた。

「俺が運転するから、酒は飲めないしね。いいよ、お茶で」

とか言って。

ずっと本を読んでた。




勤務終了。

あいつの車に乗り込む。

「どこ行こうか?」

って、言われたけど、もう夜の11時半。

あいつはさっき店でご飯を食べてたし。

あたしもお腹は空いてないし。

「ドライブしようか」

って、言われて。




前、あいつが住んでいた部屋の前とか通る。

あたしは、一人でここを通るのが、嫌。

何か、思い出しちゃって、悲しくなっちゃうから。

今日も。

あいつとここを通った時。

何か、錯覚した。


今から、あの部屋に戻るあたしたち。


みたいに。

でも、違うから。


やっぱり、悲しくなる。





適当に走った後。

コンビニでお酒を買う。

で、前回あたしが嫌だって言って。

喧嘩の原因になったラブホに行く。

「一緒にお風呂に入ろう」

って言われて。

あたしも素直に「うん」って言った。





かなり、中が綺麗なホテルだった。

あいつは昔来た事があるとか話す。

二人でソファーに座って、お酒を飲む。

最近、毎晩のように飲んでいる事を話したら。

やっぱり怒られた。

「明日は禁酒ね!」

「はーい・・・」








一緒に真っ暗なお風呂に入った後。

バスタオル一枚巻いただけで、また飲んで。

あたしはかなり気持ちよくなって。

「会えて嬉しい」

を連発する。

あいつはやっぱり笑顔で。

「俺も嬉しいよ」

って言う。

あたしの髪を触ってるあいつの手が好き。

今日は仕事だったから、指輪はあいつからクリスマスに貰ったネックレスについてて。

あいつがそれを外して、あたしの指にはめる。

あたしは、はめてくれてるあいつの指を。

ずっと見てる。

よく分からないけど。


「好きだなー」

って思う。





ソファーでたくさん話をする。

あたしが一方的に、話してるんだけど。

話の途中なのに、キスをしてこようとする。

あたしが顔をそらして、話を続けてても。

今度はうなじとか耳にキスをする。


「ねー。話せないじゃんー」

「いいよ、続けて・・・」

「だって聞いてるの?」

「うん、聞いてる・・・」


あたしは、黙った。

あたしの背中にゆっくりキスを何度もする。

そして耳を攻められる。



酔っていて、気持ちがいいから。

普段以上に、変な感覚になる。

体が勝手に、びくって反応する。

「やめて・・・」

「ううん、やめない」


こう言うとき、あいつと目が合うのがいや。

いつもと違った雰囲気のあいつの目を見ると。

それだけで、変な感覚になる。

なんていうか。

変な感覚。





ベットに連れていかれて。

電気がちょっとついてて。

あたしは「消したい」って何度も言ったんだけど。

「ううん、消したくない」

って言われる。

酔っていたからかなぁ。

あたしも、それでもいいかーって思ってしまう。

「りりかは、胸がどうのって言うけど、全然関係ないよ。やっぱり綺麗だもん」

そんなはずはなく。

妊娠線はあるし。

絶対に綺麗なんかじゃないんだけど。

あいつは、お構い無しに、胸から下に。

妊娠線の所にキスをする。





やっぱり、あたしは変な感覚になる。

どんどん変な感覚になって。

浮いているみたいな。

何かに思い切り掴まってないと、おかしくなってしまうみたいな。

だから、いつもあいつの手を。

凄い力で握っていると思う。

怖いくらいに、自分じゃなくなって行く感覚。

こういう感覚になるのって、あいつと付き合って、初めて知った。

あいつが何度も言う。

「りりか、大丈夫だよ。大丈夫だから・・・」





声が出ない。

息を止めてると、楽。

あいつが、あたしの名前を何度も呼ぶ。

あたしは答えられなくて。

言葉で答える代わりに、あいつの首にしがみつく。

あいつも、あたしを思い切り抱きしめる。

どこまでも、続きそうな、深い霧みたいな光景が、目の前に広がる。



2003年03月21日(金) 疲れてる

今日は、あたしは朝から夜まで仕事。

あいつは、珍しく定時に上がって、帰宅して来たらしい。



「休憩中電話するね」

とメールをしたものの、忙しかった・・・祭日だから。



やっと電話出来る!

時間は23時半。



でも。

出ませんでした。

寝ちゃったんだね・・・。

昨日も、あたしと2時まで話してたし。

睡眠時間、ちょっとで仕事して来たんだものね。






あたしの帰宅は深夜1時。

重い体を少しでも軽くしようと、お風呂にゆっくりつかる。








お風呂上がりに、ちょっとだけお酒を飲もうと思い。

冷蔵庫にあった日本酒を出す。

深夜に一人、日本酒飲みながらパソコンをしてるあたしって・・・。





あさって。

会えますようにって。

考えながら、眠りにつく。





最近。

疲れてる。



2003年03月20日(木) 履き違え。

あいつが、今もあたしのそばにいてくれるのは。




離婚させて一人にさせた罪悪感。

子供まで取られちゃって、一人になってしまったあたしへの責任感。

あたしへの、愛と言う感情は全くなく。

あたしも、寂しさと言う感情だけで、愛はなく。

違う感情を持ってるのに、それを見ない振りして続けている二人。

見ない振り・・・じゃない。

感情を履き違えてる。





確かに、離婚の引き金にはなった。

けど、うちはもうどっちにしても、終わってた。

元だんな様の浮気のメールを見つけた去年の初夏。

あんなにあたしが冷静でいられたのも。

あいつのおかげだったし。

もし、いなかったら。

おかしくなっていただろうな・・・

あたしが、「生理がずっと来ないで、体が変だ」と言ってた時期に。

あの人は、女の人と公園でデートって。


あたしがもし。

あのとき、あいつと付き合ってなくて、普通に主婦だったら。




あたし、おかしくなってただろうな・・・。

ただでさえ、体が変だったから、精神的に参ってたときだったし。




もしかしたら。

あの時あいつと付き合っていなかったら。

去年の初夏。

あのメールを発見した時に。

別居してたかもしれない、と思ったりするときもある。

最悪離婚まで行ってたかもしれない、と。









今日は、あいつは残業と言う電話が来た。

何時に帰ってくるのかなぁ。

って、パソコンでお友達とメッセをしながら、待つ。

いろいろな事があった一日で。

凄く疲れてた。

だから、声を聞きたいって、ずっと思ってた。

けど。

残業だもん・・・

仕方ないよね。





前ならリアルタイムで話せたのになぁ。

とか、また、考え始めちゃう。

だめだね、うん。




夜12時半。

「今帰宅ー・・・」

ってメールが来た。

「明日も早いの?」

「明日は6時起き」

「そか。なら早く寝なきゃね」

「うん、でもりりかのお休み聞いてから寝るよ」



で、1時に電話が来た。

「お疲れさま。大変だったね」

「うん。でも、りりかも明日は朝から夜中まででしょ?りりかも大変だー」

「うん・・・疲れちゃう」

「どうした?何か声が暗いけど。疲れてるの?」

「うん、今日はいろいろあってね。疲れちゃった」

「どうした?何で疲れたの?言ってみなよ」

「もう、寝なきゃだよ。明日6時でしょ?今度でいいよ」

「いやいや。そんな今度じゃなくて、ちゃんと今聞かせて」




それで。

お言葉に甘えて。

仕事の愚痴と、今日あった嫌な事。

話した。




「ぶっちゃけね。責任感はあるよ。りりかを幸せにしなきゃって、責任感。けど、愛情が伴ってなきゃ、責任感って出てこないと思わない?」

「うん・・・あたしも愛情、あるもん」

「だよね。俺もありすぎるくらい、あるよ。もう、気にするな。そんな事。安心してよ」

「んー・・・」


あたしが、生返事したら。



「あのね、日曜日、休みになるかもしれない」

「え?」

「今度の日曜。だから、そしたら行くから、一緒にビデオ見よ?」

今日、「美女か野獣」を撮っておいてって言われてたから。

「ホントに?」

「あ、でも、まだ予定だから分からないよ?だから言いたくなかったんだけど。だめになった場合、りりか落ち込むから・・・」

「でも、来れるかもしれないんだよね?」

「うん、余り期待はしないで。でも、りりか何か暗いから、明るいニュースを、と思って」

「うん、嬉しい。ありがと」





次に会えるのは、4月だと思ってたから。

びっくりして。

嬉しくて。



元々4月まで無理だって思っていたから。

もし、だめになっても、諦めつくよ。

だけど。

「4月まで会えない」が「今度の日曜に会えるかもしれない」に、ランクアップしただけで、嬉しいし。



その、嬉しい気持ちだけで、今は充分だし。



「ね、もう、2時近いよ・・・寝て。あたしはもう、平気だから」

「うん、そうだね、そろそろ寝なきゃね。りりか、いつもの」

「愛してる」

「どれくらい?」

「たくさん」

「うん!ありがと!俺も愛してるよ。たくさん、いっぱー・・・」

「コップ倒さないようにね」

「あ。はい・・・(笑)」





おやすみ。








自分の気持ちは、自分にしか分からないし。

あたしたちしか分からない事も。

たくさん、あるよね。





あたしは、あなたが好きで。

ずっと一緒にいたい、と思うよ。

それは、寂しさとかじゃなくて。

素直に、あなたを好きだから。



寂しいから、と言う理由だけだったら。

あたしたちが、遠距離になるときに。

あたしはついて行ったと思うし。

または。

別れてたと思うし。


不安はたくさんあったけど。

離れていても大丈夫だって、あたしの気持ちも、あいつの気持ちも、平気だって。

思えたからで。




時期が来たら。

あたしは、あいつの所に行くと思う。

その、「時期」が来た時は。

きっと、一番あたしが幸せだと思える形で。

幸せだと思う気持ちで、行くんだと思ってる。



今はまだ。



準備が出来てないんだよね。

気持ちとか。

いろいろな、準備。



2003年03月19日(水) いたたたた・・・

朝起きたら、右腕が・・・

何、この痛み???

とか思ってたら。


あ、バトミントンね・・・と。



あれくらいで、筋肉痛なんて。

あいつは平気かなぁ・・・。

ちょっと心配。

あたしより、はしゃいでいたしね。





夜、いつもの電話。

その時に聞いてみた。

「筋肉痛とかになってない?」

「なってるはずないじゃん。あれくらいでなってたら、仕事にならないよ(笑)」

・・・。

あたしだけだったみたい。





その電話の時に。

Yくんちで飲んだときの、あたしの記憶のない時間の内容を聞いて見た。




「聞きたいの?てか、聞いていいの?」

「いいよ、何・・・そんなまずいの?」

「いやー、りりか卒倒するかも(笑)」



怖いけど、聞きたいし・・・ねぇ。




「あのね・・・」







聞かなきゃよかったよ・・・。

誰の事言ってるの?

あたしの話を聞きたいんだけど?

って何度も言っちゃったよ・・・





だって。



酔っ払いだしたなぁと、あいつが思ってたら。

いきなり「ねぇ、膝枕して」とみんなの前で言い出して。

コテン、と寝ちゃって。

寝てたと思ったら、起き上がって。

「飲むよ!」とか言い出して。

でも、酒がなくて。

「Y!走って買ってこい」

と、騒ぎ出し。(Y君ちの下にコンビニがあるんだけどね・・・にしても・・・ごめんなさい>Y君・・・)





その後は。

飲んで、大笑いして、いきなり泣き出して・・・

「ねー、Hって、すっごく嘘つきなんだよー」

と、言い出して。

「え?え?俺がいつ嘘ついたの?何嘘ついたの?」

って、聞いても。

「嘘ついたの。いつも嘘つきなの」

を繰り返し。

挙句。

「もう、嘘つき嫌いなんだー。だから、もうお別れなんだー」

と、繰り返し。






「いやー。ちょっとづつ、凹んできたよー、真面目に。最初は酔っ払いのたわ言、みたいに聞いてたんだけど。何度も別れるって言われたら、凹むでしょ(笑)」

「ごめんなさい・・・」

「その後ね」






「暑いんだよ、これ!」

と、セーターを脱ごうとするあたし。

下はキャミソールだけ・・・。

あいつは、必死になって止めて。

「分かった、分かったから。お願いだから、こんなところで脱がないで・・・脱ぐなって言ってるんだよ!!!!」

「だって、暑いんだもん」

全部であたし入れて5人いて、あたし以外は男の子だったんだけど。

焦っていたあいつとは裏腹に。

「俺的には、全然脱いでくれてありがとうございます、なんですけどね。Hさん的には、ありえないでしょ(笑)」

とか、言われて。

「いい加減にしろよ!」

ってあいつが怒鳴って、あたしがそれに驚いて、号泣して。

「泣かせたー」と周りに言われ。

あたしは泣きながら。

「ごめんね・・・いい子にするから、怒らないでね」

と、あいつに「みんなの前で」抱きついて。

「よしよししてくれたら、寝るから」

とか言って。

あいつも、かなり恥ずかしかったけど。

寝かせるために、ずっとしてたらしい。

膝枕しながら。

で、あたしは、そのまま爆睡した。




・・・らしい。










「嘘だって、言って・・・お願いだから・・・」

「残念。嘘じゃないんだなぁ」

「あたし・・・明日みんなと店で会うんだよ・・・」

「うん、確実に言われるね。頑張れ、自分で蒔いた種♪」





痛いのは、腕じゃなく。

あたし自身だったみたい・・・です。



「りりか、当分禁酒ね」



あたしは、当然。

「もちろんです」

と答えました。



はー・・・。

あたしって、酒乱なんだ・・・。



2003年03月18日(火) 盛りだくさんな一日

「やばっっっ!!!」

って、あいつの声であたしも目覚める。

意味が分からない。何がやばいの?


時計見て、気付く。

午前9時近く。

「・・・。卒業式って何時から?」

「9時・・・から」

「嘘・・・どうしよう・・・」



昨日は・・・て言うか、今朝、友達の家から帰ってきて、すぐ寝たけど。

寝たのが5時半だった。

目覚ましを一応7時半に掛けたのに、止めた形跡もないって事は、鳴り続けてたんだね・・・。




「送っていく?」

「電車の方が早い」




慌てて着替えて出て行く。

こんな日なのに、遅刻なんて・・・。



けど。

10時半近くに電話が来て。

「遅刻して入れない人がいっぱいー。式が終わるまでは卒業証書を貰えないらしいから、待ってるとこ」

「あ、一応貰えるんだ?」

「そりゃそうだろ(笑)」





友達と昼ごはん食べてから、戻ってくると言うので。

あたしは部屋の片付けして、パソコンいじって。

午後2時半、あいつが戻ってきた。


卒業証書を手に。

あたしに、広げて見せて。

そして、大きい袋を持って。




「おめでとう。よかったねー、本当によかったね」

「うん!で、これ。ホワイトデー!」

「え?手紙じゃなかったの?」

「いやいや。帰りに買って来た。今(笑)」

「よかったのにー」


中身は、キティちゃんのクッション。

「かわいいー」

「車において。どうでもいいけど、俺、サンリオのポイント凄い貯まってるんだけど(笑)」

「もう、最初の頃の恥ずかしさとかないでしょ?」

「ないない。すんなり入って、これください、とか言ってる(笑)」




出かけようかって事になって。


夜景が綺麗な公園に。

ま、昼間だし、夜景はないけど。

バトミントンを、ここで何度かやった。

久しぶりに、バトミントンをやりたくて。

前前から、「卒業式の後はバトミントンしようよ」ってあたしが言ってた。



最初は寒い、って言ってたあたしたちも。

「暑いねー」

って上着も脱いで。

風もなくて、バトミントンには最適。




疲れて、コンビニに行こうか?って話しになり。

車を出した。

けど、あたしが道に迷ってしまって。

「どこだ?ナビで探すか」

って言ったら。

「俺が案内するよ。この辺は、5年間遊んでいた場所だし」

って言うから。

あいつの言われた通りに、「ここ右、次左。正面を右」って走った。



・・・ら。



行き止まり。

に。

ラブホ・・・って。



「さすが、この辺で五年間遊んでいただけあるね!これがコンビニかぁ。へぇ・・・あたしが知っているコンビニとは、ちょっと違うみたい。さぁ、戻らなきゃ」

あたしは車をバックさせて、戻る。

「マジで入りたいんだけど」

「何でよ?」


そのとき、あたしの頭の中は、また卒業の約束で、いっぱい。

確かに、卒業証書を貰って来たらね!とは言った。

けど、貰ってきたその日じゃなくても・・・よくない?



「いちゃいちゃしようよー」

「何で?何でよ?やだよ!!!」

「昨日も、いちゃいちゃ出来なかったのに?」



あたしは無言で、走り出す。

コンビニをナビで見つけて、そこで止まって、お茶を買った。

あいつは、しきりに「行きたかったなぁ」と言う。

あたしは、ちょっとムッとして。

「あのさ。卒業の約束の事なんだけど。別に、今日卒業式だったからって、慌ててやらないでもよくない?」

「は?あぁ、あの約束ね。てか、踏み倒すつもりでしょ?」

「やるって言ってるじゃん!!!今日は嫌なだけ!!!」

「・・・。もう何でもいいよ。ひなちゃん(妹)の所に行くんでしょ?」


今日は、夜ご飯はあたしの妹の働いている店に行って食べる事になってた。

だけど、時間はまだ5時前。

お腹は・・・空いてない。




けど、行くところもないし。

妹の店に向かう。

運転してるあたしに、あいつが言う。



「りりかさー。俺ははっきり言って、あんな約束どうでもいいんだよ。やるよーって恥ずかしがっているりりかを、見て楽しみたいって感じで、言ってたけど。別に、本気で嫌がってるんだなって事くらい分かってたよ。本気で嫌がる事、りりかにすると思うの?」

あたしは、無言。


「昨日はYさんの家に泊まっちゃったしさ。みんなもいたし。ゆっくり、一緒にお風呂に入って、いちゃいちゃしたかったの。それもだめなの?」

「じゃぁ、行く?」

かなり、投げやりな言い方になっちゃって。

あいつもカチンと来たらしい。

「じゃー行く?はい、行ってくれますか?何て言うと思うの?ばかじゃん。もう今日はいいよ、行かないよ」

ため息混じりに言われる。



で、あたしの家に。

「ひなちゃんの所に行くんじゃないの?」

「いちゃいちゃしたいなら、うちでも出来るし」

「りりかんちに行っても何もしないよ?今更いいよ。ひなちゃんの所に行かないなら、俺は帰るわ」

って、マジで車に乗ろうとした。

あたしは、あいつの腕を慌てて掴んで家の中に入れた。



あいつは、ボーっと座ってて、明らかに表情は怒ってて。

「俺は普通にりりかとくっついていたかっただけなんだけど」

って、小さい声で言った。

「だって、最近、卒業の約束の話しばっかりだったから・・・。一時期、ノイローゼになるかと思うくらいに、考えちゃって。だから、なんだか・・・そう言う雰囲気になるのを避けたくて・・・」

けど、あいつは怒ってるまま。




「ごめん。あたしも、くっついていたいよ・・・」

って言ったけど。

無言。だった。



「いちゃいちゃしよっか。卒業の約束は今日は出来ないけど」

「いいよ、やらない」

「あたしがしたいって言っても?」

「無理しないでいいよ・・・りりかは、分かってないじゃん。今まで、絶対に嫌だってりりかが言ってる事、俺やった?」

「してない・・・」

「でしょ?でも、信用ないんだよね、俺って」

「そんなことないよ・・・」

「いいよー、マジで今日は。次会うまでには機嫌も直ってるよー。今は凹んでるだけだから、気にしないで」



気にするに決まってるじゃん・・・。



本当に、凹んでいる表情で。

暗いし、どこかボーっとしてるし。

なんだか・・・凄く、悪い事したなぁって。

何で、あたしはこの人の今までを信用しなかったのかなぁ。

嫌だって言ったら、させないって、そう言う人だって、知ってたじゃん。




「ねー。あたしが、本当にしたいの。だから、エッチしようよ」

嘘じゃない。

本当に、そう思った。

凹んでいるままの、この人見てるくらいなら。

あたしは、したいって思ったし。




「今、こんな凹んでいる状態で、気持ち何か入らないよ」

「入らないでもいいよ」

「は?」

「気にしないから。いいよ?」

「・・・。ふーん。分かった、気持ちが入らないままでいいんだ?」

「うん」

「俺の好きなようにやっていいんだ?」

「うん、平気。気持ちが入ってなくても、平気」



気持ちが入ってないセックスなんて。

今まで何度もして来たよ。

だから、平気。

慣れてるから。

気持ち何か入ってなくても。

性欲のためだけに使われる、なんて。

日常茶飯事だったんだから。



日常茶飯事、だったのに。

なのに。

心臓が、キューっとしてきた。




あいつの手が、あたしの胸に来た時。

凄く、怖くなって。

あいつの首に、思わずしがみついちゃって。



日常茶飯事、だったくせに。


慣れって、怖いね。

愛されてるって、自分本位じゃなくあたしのためにって。

そういうセックスしか、してなかったら。

怖くなっちゃった。



あいつは、そのまま。

手を、あたしの背中に回して、抱きしめてきた。

そして、頭を撫でてきて。

「ごめんね・・・。ふてくされて、ごめん」

って言って。

「出来るはずないじゃん。気持ち入れないで、なんて出来るはずないじゃん」

出来るはずないじゃん。

って、何度も何度も繰り返して。




その言葉を繰り返されるたびに。

あたしの恐怖で縮んでいた気持ちが、溶けて行くようで。



あたしは、泣きだした。




「泣かないでよー・・・ごめんねってー・・・」

何度も何度も、謝って、あたしを抱きしめる。

あたしも、頷いて。でも泣いて。





そのまま、腕枕されたまま。

たくさん、話した。

卒業式の後の、友達との会話とか。

昨日の、飲んでいるときの話とか。

話している途中。

あいつのお腹が鳴って。



「ひなちゃんのとこに、いこっか?」

って、あいつが言ってきた。





雨が降っていたから、あいつが傘を持って歩いて行った。

傘を持っている、あいつの腕にあたしがしがみついて。

「重いよー。ぶら下がらない!」

なんて。

笑いながら。

話しながら。

寒かったけど、平気だった。

楽しかったよ。





妹の所について。

妹が「遅かったねー」って。

あたしとあいつに、手紙を書いたんだって。

渡してきた。

あいつへの手紙に。

「りりかちゃんは、まだまだたまに寂しい病に掛かっているようです。
 早く、一日でも早く、りりかちゃんを迎えに来てあげてください」

なんて、書いてあった。




あいつは、明日からまた、朝早く仕事。

だから、10時過ぎに出発した。

「ついたら電話するわ」

って、窓越しに手を振って。

あたしは、見えなくなるまで、見送って。




いろいろな事が、会った一日。

余り会えなくなった分。

濃くなったのかなぁ、密度が。



喧嘩っぽくもなったけど。

本当に、楽しかった一日。



そんな一日を思い出して。

また、涙が出てきちゃった。



「無事についたよ」

って電話が来たとき、あたしはまだ泣いてて。

「何で泣いてるの!?無事だってー。どうしたー?」

って。



会えなかったら、それはそれで、寂しいけど。

会った後は、会っていた間の事を思い出して。



もっともっと、寂しくなっちゃうんだよ。



って言ったら。




「悲しまないように、ひなちゃんからの手紙にも書いてあったけど。一日でも早く、おいで。俺のとこに」



泣いてたからかな?

声が、でなかったよ。

「うん」

って、言いたかったのに。



2003年03月17日(月) びっくり!から始まって。

朝からお仕事。

あいつからいつも通り、朝7時におはようメールが来た。

「今日は会えるから、お互いに仕事頑張ろうね」

って、あたしも8時くらいに返しておいた。




昼時の忙しさが終わって、休憩に入る。

あいつから昼休みのメールが来てなかった。

たまに、昼休み返上で働いていたりするから。

今日は忙しかったのかな?って余り気にしなかった。




うちのお店はオープンキッチン。

「作っている所を、お客さまに見られているという緊張感を自分たちに与えるためと、お客様にどんな人がどんな風に作っているのか見れると言う安心感を与えるため」

らしい。(マニュアルから抜粋(笑))

あたしは、ほとんどキッチン勤務。

今日も、キッチンで洗い物をしてた。



フロアの人間の「いらっしゃいませー」と言う声がしたから、あたしも顔をあげて、入り口を見る。

・・・と、あいつに似てる人が入ってくるところ。

あたしは視力がよくないから、遠目だったし、背格好が似ているなぁと。

スーツ着ている時点で、「あいつによく似たサラリーマン」だと思ってて。




だんだん近づいてくる「あいつによく似たサラリーマン」

マジで似てるなぁ、そっくりじゃん・・・。

とか思って「いらっしゃいま・・・」まで言ったとき。

目が合って、にやっとされた。

「・・・せ・・・・っっ!??」

本物のHくん?????





あたしは、他にお客様もいらっしゃるのに、我を忘れて「何で?何で何で???」の大連発。

あいつは、キッチンから一番近い席に座って、笑顔であたしに会釈した。



あいつを知っているバイトさんたちばかりだったから。

休憩してた人まで出てきて、「久しぶりー」とか「どうしたのーー?」とか「元気だったー???」とか声掛けられて。

あたしは、バイトさん(ほとんど主婦の人)に囲まれているあいつをボーっと見てた。



夢?じゃないよね・・・?





Mさんがキッチンに入ってきて。

「Hね、今日は午後は休みになったんだって。りりかを驚かせようと思って、飛ばしてきたらしいよ、内緒で(笑)」

キッチンから出られないあたしに、教えてくれて。

「さ、キッチン変わるよ、フロアに行ってください。りりかさん♪」

って、コック帽を取られて。





なんだか、恥ずかしかった・・・。もちろん嬉しいけど。

あいつの注文した料理を運ぶのも、手が震えちゃって。

「お待たせしました・・・てか、びっくりしたよ。一言言ってよ・・・」

「内緒で驚かせたかったんだよー。いやー、りりかのあの固まった顔!笑っちゃうなぁ♪」

「・・・うるさい。・・・だから、昼のメールも来なかったのね・・・」

「その時間、僕は運転中でした!」






ホント、びっくりしたー・・・

来るのは夜9時位だって思ってたから・・・。






あたしが上がる時間まで、原付のナンバー返還とか、いろいろやる事あるからって、あいつは帰って行って。

あたしは帰宅して、すぐ用意して。






バイトの子たちも交えて、お風呂屋に。

先にご飯食べるか!って。

みんなで騒ぎながら、パスタ食べて。

そのときに。

「手紙の返事、書いてきてくれた?」

ってあいつに言われた。

「ううん、書いてないよ」

「なんでだよー」

「だって、寂しくないって手紙だったし、何て書くのー?」

「・・・それは、もう済んだ話じゃ・・・。あ、今日は突然俺が来て、超嬉しかったでしょー?ほらー、本音で言って見なよー」

話を変えようと、必死です。

「Hはさ。最近調子に乗っているじゃない?あたしが、寂しいとか悲しいとかすぐ言うから、いい気になってるんでしょ?」

「そんな事ないです・・・」

「でも、ちょっとはあったでしょ?」

「・・・はい。多少は」

「Hは、会いたくなかったの?今日休みになって、早く会えて、嬉しくなかったの?」

「会いたくなかったら、内緒で驚かせに、早く行こう!何て考えません」

「じゃぁ、会いたいってちゃんとこれからは言ってね。言われないと、あたし会いたくないのに会ってくれてるのかと思っちゃうからー」

「はい・・・約束します」

「Hのいいところだもん。思った事、ちゃんと言葉に出来るのって。そう言うの凄いなぁって、あたしいつも思ってたもん」

「うん・・・ちょっと、やっぱり調子に乗っちゃったかも・・・。ごめんね」

「なら、指切りね」




指切りをしているときに、一緒にいたバイト君が。

「じゃ、証拠写真撮りましょうか?」

って言ってくれて。

最初は顔も入れて撮って。

「あ、手の方だけでも撮ってー」

って、あたしが言って。






お風呂に行って、1時間も入ってきた。

あいつはいつもは20分くらいで出てきて、あたしを待つほうなのに。

みんなで入ったから、楽しかったらしくて。

あたしと同じ位に出てきた。

で、のぼせて、気持ち悪くなってんの・・・。





あたしがマッサージの椅子で、目をつぶって寝転がっていたら。

あいつがいつの間にかそばに来てて。

「みんなは?」

「飲んでるよー」

「そか。眠たくなっちゃったよ」

「うん、寝ていいよー。朝6時から、お疲れ様でした」

って、頭を撫でてきた。




2週間ぶり。

頭を撫でられて。

本当に、来たんだって。

あいつと会っているんだって。

やっと実感できた。




その後は、バイトの子の家で飲み会。

んで、あたしは、飲み会の記憶がほとんどない・・・。

飲んで、寝て、起きたら朝の5時だった、と言う感じ・・・

あいつが言うには、あたしの酔いっぷりは相当だったらしく。

また何かやっちゃったかなー・・・ってドキドキしたんだけど。



帰り際。

あいつが「楽しかったから、いいんだけどね」って言ったから。

ホッとした。けど。

「でも、あんなりりかは、やっぱり俺以外の前では、だしちゃだめだからね!」



あんなあたしって、なんですか・・・?



2003年03月16日(日) 明日の予定

今日は、夕方から仕事だったんだけど。

急に休みになったから、ぼけーーーっと過ごしてた。

うとうとしたり、パソコンいじったり。

昨日のお酒も、なんとなく残っている感じ・・・。

昨日は、社員会だったから、飲んだので・・・。

けど、ちゃんとセーブしました。

500mlのビールを1本と日本酒を300mlくらいのビン1本。

日本酒が効いたかなぁ。

そんなに酔わなかったのに、昼になっても、おなかも空かないし、もたれている感じ・・・年なのか?




珍しく、夕方にあいつから電話。

電話が来た時、一瞬だけ。

「こんな時間に電話なんて、もしかしたら、今から来るって言う電話??」

何て期待もしちゃったけど。





「今日は、ちょっと早めに上がれたから、友達とのみに行って来るね。だから、いつもの時間に電話出来ないから、今してみた」

「ああー、そうなんだ?どっちにしても、今日はあたしが仕事のはずだったし、いつもの時間に電話は無理だったね」

「あ、そっか。休みになったんだ?」

「うん」

「明日だね。会えるの」

「うん!楽しみ」

「俺も、楽しみだよ。約二週間ぶりだしね。何しようか?」





明後日の卒業式のために、明日の夜仕事が終わってから来てくれる。

何しようかなぁって、いろいろ想像してるのって、楽しい。




「お風呂行こうか?」

あいつが言ってきた。




最近のあたしは、卒業出来たら・・・の賭けの事ばかりで。

お風呂=ラブホ=賭けの事。

みたいに、考えちゃってて。



「やだ。何でホテルに行く必要あるのよ」

「はー?銭湯だよ、ばっかだなー」

「あ、銭湯ね・・・」





明日は、卒業お祝いの飲みをするから。

友達もいるんだし、冷静に考えたら、あり得ないのに。

なんだか、そっちにばっかり考えちゃって・・・

したくないってことばっかり、考えちゃう・・・




「みんなでお風呂行くの?」

「うん、そうしようよ」

「女はあたしだけだから、あたしは一人寂しく女風呂ね」

「なら、りりかもおいでよ、男風呂(笑)あ!でもだめだ、俺以外の男がりりかの裸を見るのは、絶対にだめ!!!だから、ごめん、一人で女風呂ね・・・」

「ばか・・・ありえないし」





あいつは、友達と今から飲みに行くから。

電話を切った。




飲みに行っている間は。

メールも電話もないけど。

(メールはちょっとあったかな)

明日会えるって言う安心感からか。

寂しくはなかった。





明日は何しよう。

あさって、あいつの卒業式が終わった後は、何しよう。



そんな事考えながら、嬉しくて。

嬉しいのに。




何でだか、泣いてしまった。




最近、泣く暇がないほど、忙しかったのに。

今日は暇だったからかな・・・。



2003年03月15日(土) 割り勘

いろいろな人がいるんだろうけど。

あたしは、昔。

女がお金を出すのは珍しい。

と思ってた。

今まで付き合った人が、みんな年上って言う事もあるし。

あたしが付き合ったのは、元だんな様を抜かしたら。

全員あたしが中学・高校時代だから、学生(しかも年下)のあたしにお金を出させるって事が嫌だったのかな。

割り勘。

って事も、滅多になかった。





あいつと付き合い始めた時。

あたしは仕事もちゃんとしてて。

あいつは学生で。

しかも、年下で。




最初は、あたしが出すって言ったりしてた。

けど、あいつが「それじゃひもみたいで嫌だ」とか言い出して。

なら、割り勘にしようってあたしが言って。

割り勘も、渋ってたけど。

外でご飯を食べるときは、割り勘にした。

けど。

他の物(たとえばあいつの部屋で食べるお菓子や、飲むお酒とか)は、全部あいつもちになって。

割合的には、あいつ7:あたし3、くらいでお金を出してた。




今は、あいつも社会人になったという事で。

ほとんど、あいつのおごり。




けど、家に生活費を入れたり。

車の保険に携帯の料金。

そのほかいろいろな事にお金を使っているだろうし。

貯金もしているみたいだし。




あたしも、別に楽な生活じゃないし。

そういうのも、分かってくれているんだろうけど。

けど。

あたしばかりおごられるのが、何か・・・悪くて。





この間、ラブホに行った時。

部屋に入ってからあたしが。

「半分ださせて」

って言ったんだけど。

「そこは男のプライドでしょ」

とか何とか言って。

ラブホ代金を女に出させる、何て事は、たとえ半分でも少しでもしたくない。

って言われた。






それで。

職場の仲良しMさんが、提案。

それは、Mさんが独身時代に、だんな様とやってたらしいんだけど。

二人で毎月お金を出し合って、それを二人で会った時に使うお金にする。

と言うもの。

食事にしても、デートにしても。




それいいなぁ、と思って。

あいつに話した。

「だから、毎月3万円ずつ出そうよ。そこから、食事代とか出そうよ」

「もしも、月の途中で足りなくなったら?」

「そしたら、また5000円ずつ、とか出し合えばいいんじゃない?」



1人で3万で、二人で6万。

そんなに使わないだろ・・・と思うけど。

残ったら次の月に繰り越して。

で、次お金を足すときに繰越金が10万になったら、定期に入れる。

と、あたしが言ったら。

「何か、主婦っぽいなぁ(笑)家計簿とかもちゃんとつけてよ?」

「平気。簿記持ってるから」

とか、訳の分からない会話になり。





あいつもおもしろがって。

「それやるかー。じゃ、来月からね」

と言う話しになって。





これって、完璧割り勘なんだけどね(笑)

気づいてないのかなー。あいつ。





けど。

ちょっと心苦しかったけど。

これで、楽になった気がする。

あたしの、自己満足なんだけどね。



2003年03月14日(金) 合致

あいつからの手紙は。

昨日届いた。

ホワイトデーにつくのかと思っていたのに。

前日だった。

でも、嬉しいことには変わりはない。

仕事から疲れて帰ってきたけど、凄く嬉しくて、コートも脱がないで封を切る。



便箋三枚に綴られた、あいつの字。

顔は、ニコニコ緩みっぱなしで読み進めた。




けど。

数行の文章で、あたしの目は止まる。




「りりかは寂しい思いをしているかもしれないけど。

俺は実は寂しくありません。

毎日忙しくて、頑張っているので、そう言う寂しくなる暇がありません。

だけど、りりかが寂しくて耐えられないって言えば、俺は飛んでいくから、いつでも言ってね」




ん?

寂しくない?

けど。

あたしが寂しいなら、来る?





なんだか、もやもやしたまま、パソコンを立ちあげる。

お友達がオンラインで、話しかけられる。

彼女(Tちゃん)に、手紙の事を話す。




「そんな気持ちで、Hは疲れてて、別に寂しくもないのに、あたしが寂しいって理由だけで来られても、嬉しくないよ」

「Hも会いたいって気持ちできてくれるなら、別だけどさー」

愚痴言いまくってしまった。



Tちゃんは。

「私の彼も、仕事人間で、忙しい人だよー。だから、あなたが会いたくなったら、会いに来てくれたらそれでいいからって言ったんだ」




うんうん、とあたしは、パソコンの前で頷く。

あたしも、そう思う。




あたしは、いつだって会いたい気持ちでいる。

だから。

あいつが、あたしに会いたい気持ちになってくれた時に来てくれたら。

あたしの会いたい気持ちと。

あいつの会いたい気持ちが。

重なって、お互いに会いたかったから、よかったね。

っていう事になって、いいんじゃないかなぁ?

今のまま、「りりかが寂しいから」と言う理由だけ出来ていただくのも。

あたし的には、何だか。

無理させてるって言う気持ちの方が、強くなっちゃうし。

会いに来てくれて、嬉しい気持ちより。

会いに来てくれて、悪いなぁって気持ちの方が勝ってしまうし。




あいつも、会いたいから、寂しいから、来てくれているんだとばかり。

あたしは思っていたから。








夜。日課の電話。

「手紙ついたんだって?」

メールで、手紙をポストで見つけたとき、すぐに伝えてあった。

「うん、来ました」

「そかそかー。早かったね」

「うん、早かったね」

「嬉しかった?」

「手紙は嬉しかったよ。けど、考えさせられた」

「考えさせられた?」



あたしが、手紙を読んで考えた事。

全部話した。

二人の気持ちが重ならなきゃ。

あたしは、会いに来てもらうのは、悪いからって。


「だから、Hが会いたくなったら、会いに来てくれたら、いいよ」

あたしは、いつでも会いたい気持ちでいるんだから・・・。

何て、可愛い事はもちろん言えるはずもなく。

「そう言う意味で書いたんじゃないけどなぁ」

「ならどういう意味?」

「いつでもりりかがいるって、思えるから。寂しくならないよ、頑張れるよって言う意味だったんだよ」

「そんな事、今言われても、あたしにはそうは取れなかったんだもん」



そこからは、ちょっと言いあいになり。

あたしは、明日朝4時起きだし、ものすごく疲れていたから。

「今日は寝ます」

と言って、切った。

そのまま、眠った。





朝。

「おはよう」

ってメールは来てて、あたしも。

「おはよう。今日も一日頑張りましょう」

って普通に返した。

けど、なんとなく、事務的な感じのメールには、なっちゃって。

あいつの昼休みに、メールが来てて。

あたしは、何だか忙しくて、そのメールを見たのが、夕方。

で、夕方に返した。





夜。

「昨日は、いい過ぎちゃって・・・ごめんね」

ってメールが来た。

あたしは、そのときにはもう、昨日の事なんかすっかり忘れてたから。

「ごめんね?もう気にしてないよぉ」

って返したら、すぐに着信。





「今日は一日、メールもなかなか返って来ないし、不安だったー・・・嫌われたんじゃないかって、ものすごく、不安だったよ・・・。不安すぎちゃって、具合いが悪くなっちゃったよ・・・」

あたしは、笑う。

ばかだなぁって。

そんなことくらいで、嫌いになる何て、あるはず無いのに。






でも。

あたしもたまに、思う。

ちょっと、きつい事いい過ぎちゃったりした後。

「ああ・・・まずかったなぁ。怒ってるかなぁ」

とか、考えて凹む。

そういうこと、あいつは余りないのかと思ったけど。

あるんだね。

しかも、こんな事で。






「あたしが君を、嫌いになるはずないでしょ。安心して」

「ホントー?よかったぁ・・・。なら、どれくらい愛してる?」

・・・。

出たよ。

いつもなら「調子に乗らないでよ!」とか言うんだけど。

今日は、不安になりすぎて、具合まで悪くなっちゃったあいつに免じて。

「すっごーーく、たくさん。もう、こーんなに!」

とか、言ってみた。

「こーんなに!って言われても、見えないけどねー(笑)でも、ありがと。元気出たよ、マジで!俺はね、りりかの、こーんなに!より、もっともっとこーんなくらい!」

たぶん、本当に手を広げたりしたんだと思う。

後ろから「ガッチャーン」って音がして。

「あ、やべ。コップ倒しちゃった・・・」

と、あいつが言ってる声がした(笑)





バカップルだなぁって。

冷静に思う、あたしもいる。

けどね。

あたしも、あいつも、こんなんだから。

ぶつかるし、喧嘩もするし、すれ違いもするけど。



あんなに、いろいろな事があっても。

ここまで、続いているんだろうなぁって。




思ったりも、する。



2003年03月13日(木) 潔く

この日記を読んでくれてる方から頂いたメールの中に。


「りりかさんは、潔く離婚されて、彼だけを選んで、凄いですね」


って書いてあった。




全然、潔くなんか、ないです。




思い起こして見る。




もしも、あの時。

あたしが、パソコンを付けっぱなしにして、この日記を開いたままにして、お風呂なんか入ってなかったら。



だんな様に、ばれてなかったら。




今、あたしは、きっと。

離婚してないで。

主婦のまま、いたと思う。



あれが、きっかけだった。

あれが、離婚の引き金になった。

あの事がなくて、最終的には離婚してたとしても。

あの時、離婚は考えてなかったと言える。




子供たちがもう少し大きくなって。

せめて、ライラが中学とかになるまでは、今のまま、離婚しないでだんな様と一緒にいるものだと。

離婚なんて、自分にはまだまだ先だと思っていた。






離婚する。

と言う事が怖くて。

何度も何度も、考えて考えて。






たとえば。

離婚した後。

何かあって、あいつと別れる事になったりしたら。

あたしは、いきなり一人になってしまうと言う事で。




ま、そのときは、子供も一緒にいる、と思っていたんだけど。




あたしは、あいつと別れたら、子供たちと4人で、一生暮らしてるのかな・・・

とか。

でも、子供たちが大きくなって、それぞれ結婚とかしたら、あたしは本当に一人になるんだなぁ。

とか。



どうしよう・・・って、毎日、もう四六時中考えてた。




それで。

一瞬は。

あいつとは別れる決意もした。



でも、別れる事が出来なくて。

結局、「離婚しよう」と言う言葉を。

だんな様に言わせてしまった。

そのときに。

もう迷わない。

離婚して、あいつと一緒にいよう、と決めて。

もしも、離婚してから、あいつと別れる事になっても。

子供たちがいるから、平気。と思い。

離婚を、決めた。




けど。





ずっと子供と一緒にいるのは、あたしだと。

思い込んでて、それが当たり前だと思ってて。

離婚してからの親権は、あたしだとしか考えてなくて。



だから、子供たちをだんな様が引き取りたいと言い出したときは。

また、迷ってしまった。

やっぱり、離婚しないで、今のままいさせて貰おうか、とか。

そしたら、子供達と離れないで済む、とか。

でも、あいつとは別れられない、とか。

ぐるぐる、同じ事ばかり考えていた気がする。










結婚って、(赤ちゃんが)出来ちゃったから、って言うのもあったけど。

かなり、簡単にしちゃって。

よく「17歳で結婚でしょ?結婚の決め手って何?」と聞かれたけど。

「出来ちゃったから」

この理由以外に、ない。

実際、妊娠してなかったら、だんな様とは付き合ってたとしても、あの年齢で結婚まではしてないと断言できるし。




そんな、簡単に決めちゃったあたしは。

離婚が、こんなに重く、大変だとは、知らなかった。


普通は、結婚の時も、もっともっと悩んだり、苦しんだりするものなのかもしれないけど。




紙切れ一枚の、関係なのに。

すごく、重いものなんだなぁ、って。

そのとき、やっと分かった気がした。





ばれてなかったら。

今も、あたしは主婦だっただろう。

家族五人で、暮らす生活だったと思う。

普通に、家族で出かけたりもするし。

子供たちの学校や保育園の行事にも、普通に参加しているわけで。

そして、隠れながら、あいつと会って。

あ、あいつは実家に帰っちゃっているから、余り会えないのは、今と一緒かな。



で。

あたしは、あいつの実家に行く何て、絶対に無理で。

あいつが来たとしても、頻繁にお泊まりなんか出来る状態じゃないわけで。



きっと、だめになってたかもなぁ。





いろいろな事があって。

ここまで来ちゃったけど。



潔く、決断。



何てモノをしたのは、結婚を決めたとき、だけなのかもしれない。

本当に、潔く。

潔く、て言うか。

何にも考えずに。

決めちゃったから。

決めるも何も。

妊娠した=結婚。

って考えちゃって、他の選択肢なんかなかったから。








最近。

もしも。

の話を、よく考える。




寝る前とかに、うとうとしてる頭で、考える「もしも」の話。





もしも。

あたしはまだ、だんな様にばれてなくて、離婚してなかったとしたら。

今、あたしは何していたんだろう?

決して、潔く、離婚。

なんかしてない。



うまい具合に。

強かに。

二面性を持ったまま、暮らしていたはずだ。



2003年03月12日(水) 幸せにするために

明日は、あたしもよく知ってる、元バイトの子が、あいつの実家に遊びに行く。

と言うのも、その子の実家が、あいつの住んでいる県と隣同士で、帰るついでに・・・と言う感じみたい。

あいつは、それはそれは喜んでて。

「新幹線で、わざわざ降りなきゃならないのに、来てくれるなんて嬉しいよねー」

って、あたしに何度も言ってた。




けど。

夜、あいつから暗い声で、着信。



「どうした?」

「明日・・・残業になっちゃってさ・・・」

「あらら。明日はYくんが行くはずだったのにね。どうするの?」

「何時に帰って来れるか分からないから、断ったよ・・・。てか。前々から13日は友達が東京から来るから、早く帰りたいって言ってたのに、前日に、しかもさっきそう言われたんだよ・・・」

「そか・・・残念ね・・・」

「残念とか言う言葉で、終わりたくなくて。さっきまで親とけんかだよ・・・。そんなに言うなら、休めばいいだろ!!って言われたけど、そんな気持ちで飲めるはずないだろ!!っていい返したりしてさ・・・」

「仕方ないよねぇ・・・仕事だし・・・」

「なんだか・・・いろいろな事我慢してばっかりでさー・・・疲れちゃったよ」




あたしと会う事もままならない上に。

一度残業で、会う事が潰れてたりして。

友達と飲める、なんて言うのも、楽しみにしてたあいつは、相当凹んでて。




「17日に、Yくんとは飲めるじゃない?それでいいじゃない」

「うん・・・さっきYさんには、17日に。って言ったよ・・・」

「凹まないのー。仕事なら、仕方ないよ。あたしだって、仕事が遅くなったりして、約束とか潰れちゃったことあるけど、それは仕方ないよー」

「はぁぁぁぁ・・・」



ため息ばっかりつくあいつ。

確かに、1ヵ月半働いて、休みが2回って言うのも、少なすぎるしね・・・。

その2回が、2回とも用事があって(お姉さんの結婚式と学校の用事)、一日フリーな休みってないしね・・・。




「辞めたくなっちゃった?」

「一瞬考えたけど、今は思ってない」

「そか、ならよかったよ」

「親と喧嘩しているときに、親に言われたんだよ」

「何て?」




お父さんに。

「お前が将来、りりかさんと幸せになるためにも、経済的にも安定したいし、頑張るって言ったんだろ。それを、そんな飲み位で弱音吐いてどうするんだよ?お前の頑張るは、その程度か?」



って言われたらしい。




「そう言われたとき、ああ、そうだ。俺はりりかを幸せにするために、頑張ってるんだ。どんな事があっても、りりかを幸せにするために、頑張るんだって決めたんだって思い出したよ」

「そんな大事な事、忘れないでよー」

「うん、ごめん(笑)けど、だから辞めてやるかなーって一瞬考えちゃったけど、こんな始まったばかりの頃から、そんな風に考えちゃだめだって思った」

「うん、そうだね。Hは、頑張ってるなぁって凄く思うよ。だから、偉いなぁって思う」

「もしも、俺が仕事仕事で、こうやって会える時間が余りなかったり、会えなかったりしても、りりかは嫌にならないで、ずっと俺の味方でいてくれる?」

「もちろん!」

「そっか、なら安心した。うん、ありがとね」





弱っているなぁって、思った。

すごく、弱弱しい声で、不安を口に出している。

今までが、お気楽な学生で、遊んで暮らしてて。

しかも5年間も。

親も離れてて、うるさい事も言われないで、好き勝手してて。

こうやって、今は好きな事どころか、前前から立ててた予定さえも、だめになる。

実際、辛いんだろうなぁって思う。




けど。

今まで甘やかし放題にしてきたあいつに対して、お父さんが。

ものすごく厳しくなったのも。

あたしの事とかが、あるからなんだろうなぁって思った。






幸せにするために。




あいつは、よくそう言うけど。

そのためだけに頑張っているあいつが。

なんだか、可哀想になる事も、ある。





もしも。

あたしが、「やっぱり君とはだめだ、一緒になれない」とか言い出したら。

あいつって、どうなるんだろう?



仕事は、辞めちゃうのかな・・・。

だらだら、親に食わしてもらう生活に、逆戻りかな・・・。




そんな事ないかな。

そこそこ、頑張って今のまま、仕事も続けるのかな・・・。



よく分からないや・・・。





あいつの気持ちは。

素直に。

嬉しい、けど。



たまに、重く感じる事も、あったりする。




そう言う風に感じちゃうのって。

いけない事なのかな。



2003年03月11日(火) ゴールド免許保持者

あいつは、親御さんに車を頂いたそうだ。

卒業祝いに。



ボンボンは分からない・・・車ってプレゼントされたりするものなんだ?

今までの車は7月に車検だから、そのときに廃車にするんだって。



で、新しい車は、今まで乗っていた車より全然大きいらしく、練習が必要だって言って。

早く帰って来れた日には、練習しているみたい。



今日も、夕方早めに帰って来れたから、これから練習に行きますってメールが来てて。

あたしは、仕事中に「慣れた?」ってメールして見た。

返事は。

「もうぶつけちゃった・・・」




何でも、今まで乗っていた車は後ろ(トランクの部分)がないタイプで、今度のはあるから、バックの時にその感覚が分からなかった、とか言い訳してた。

あたしは、心の中で。

「だっせー」

とは思ってたけど、凹んでいるあいつには言えるはずもなく。

「傷は?いっぱいついちゃった?」

って聞いたら。

「ううん、1センチくらいのかすり傷」

ホッとしたー。




あいつの住んでいる場所は田舎だから、駐車場も広い。

だから、結構楽だけど、あたしが住んでいるこっちの方は、都会って言うわけじゃないけど、土地がないからか、駐車場も狭い。

だから、もう慣れるまでは、りりかのとこ行けないよーとか、弱音を吐き出した。






「なら、あたしが行けば済む話しじゃん」

「だめ」

「またー!平気だって!」

「りりか、運転荒いし、危なっかしいからだめ。何かあったらどうするの?」

「荒い???」

「左側、ぎりぎりでいつも通るじゃん。あれで車の陰から人間が頭とか出したら、吹っ飛ばすよ?」

「平気だよ、あたしはゴールドだよ?無事故無違反」

「運がよかっただけだしね、りりかの場合。だいたい、俺が助手席に乗ってるときに、ミラーぶつけた事あるじゃん」




かなり前に。

路駐している車を避けようとしたとき、その車のミラーとあたしの車のミラーがぶつかった事があって・・・。

ぶつかったと言っても、「コツン」くらいだったんだけど。

あたしが「ゴールド免許保持者」を威張りだすと必ず、その事を持ち出す。




「あれだってね、路駐してた車に人が乗ってなかったから、ぶつけちゃったーって程度で済んだけどね。乗ってたら、事故扱いだよ?対物だよ」



・・・。

うるさい。

自分が車をぶつけて機嫌が悪いからって、あたしに当たらないでよね!





その後は、ネチネチ嫌味を言われ続けて。

最終的に。

「俺と一緒になったら、りりかの車は手放してもらうから。で、小さい車買うから。もう、大きいのは危ないから!」



あたしの車は2400ccの3ナンバーの大きい車。

まぁ、家族五人の時に、ファミリーカーとして買った車だし。




けど、あたしが気に入って、買って、一生懸命ローンを払った車なのに!!!

手放してもらう、なんて簡単に言わないで、勝手な事言わないで!!!




と、あたしは言いたかったけど、我慢。

こういう、イライラモードのあいつには、こういう事言っても余計に火をつけるだけで、ますます言い争わなきゃならなくなる。

と、言うのをあたしは、遠距離になってから学んだ。

たぶん。

そばにいたころは、イライラしてるあいつに、あたしが思った事をぶつけて、大きな喧嘩になっても。

会って、顔見て、仲直りする事ができたから。

どんどん言えたし、変な不安みたいな気持ちにもならなかったし。




でも、今は会えない分、衝突は避けたいなぁって思う、あたしがいる。

内容も、くだらない事だしね。







「わかったよ。一緒になったときには、新しい軽(自動車)でも買ってください」

「うん、買うよー」

「その車で、あたしはHの夕飯の材料とか買い物に行くんだね」

「そうそう、それで、おいしいご飯作ってね」

「作るよー。楽しみにしてて」

「絶対ね!約束ね!楽しみー♪」





こんな言葉で、すぐ上機嫌になっちゃうあいつも、どうかと思うけど。

なんとなく。

操縦が分かってきたと言うか。

こう言えば、こう返って来る、とか。

そう言うのが、少しずつ分かってきた気がする。





何でもいいけど。

早く、運転上達して。

新しい車を見せてください。



2003年03月10日(月) ホワイトデーは何を貰いたいですか?

「あのアーティストのアルバム出るみたい!」

あたしが言ったら。

「なら、買ってあげるよ、ホワイトデーって事で」

ってあいつ。




「いらない」

「じゃ、何がいい?」

あたしは、しばらく考える。



顔を見たいなぁ。

って言おうかなぁって思ったけど、やめた。

調子に乗りそうだから。

それに、無理して来てもらったりするのも、悪いしね。





「あのね、りりかに手紙書いたよ。明日出すね」

日課の夜の電話の時に言われる。

そう言えば、さっきまでメールの返事も返ってこないな、って思ってたんだよね。

手紙書いてたんだね。



「なら、手紙14日につくんだね。ホワイトデーだ!嬉しい!」

「あ、そか。ちょうど、ホワイトデーになるんだねー」

「うん、だからホワイトデーは何もいらないからねー」

「(笑)手紙だけでいいんだ?」

「うん、充分だよ」



遠距離になって約1ヵ月半。

あいつから手紙は1通来た。

その手紙が来た時は、まだあたしはあいつの地元に行った事なくて。

どんなポストに入れたんだろう・・・(ポストなんてどれも同じだろうけど・・・)

駅前のポストとか言ってたなぁ。

周りはどんな感じなのかなぁ。



って、いろいろ想像できて、楽しかった。





で、今日書いてくれたのが2通目。

お友達や妹からは。

「毎日メールも電話もしているし、遠距離にしては頻繁に会っているのに、今度は手紙ー?よくやるわー・・・」

って言われたり、する(笑)。





一番なのは、会える事。

当たり前だけど。

会うのが一番、嬉しい。



電話は声を聞けるから、嬉しい。

メールも、楽しい。



けど、電話やメールより、手紙って嬉しい。

残るし、なんだかね、書くために、時間を割いてくれたって言うのが。





ホワイトデーに、手紙が到着予定。



充分、嬉しいからね。



2003年03月09日(日) 遠距離仲間。

あたしは、君に頼っていただけで。

そばにいない彼の、代わりにしようと思っていただけで。

本当に、最低だって思っているけど。

でも、やっぱり彼以外の人は見えないから。


本当に、ごめんなさい。






昼間、メールした。

遠距離同士、仲良くなった友達に。






遠距離になっている彼女とね。

あたしの気の強さが似ているんだって。

わがままなとことか、けど弱虫なとことか。

凄く、似ているんだって。




だから、彼は。

遠距離で寂しい思いさせちゃっている、自分の彼女に。

あたしを重ねちゃったんだなぁって思った。



会えない、離れている彼女も。

あたしがするみたいに。


笑ってたと思ったら、泣いたり。

平気だよ!って言ったそばから、寂しいって言ったり。



自分が見えない場所で。

しているのかなぁって。

重ねてしまったみたいで。





だからね。



それは、あたしに対する気持ちじゃなくて。

会えない彼女に対して。

してあげたいって気持ちなんだよって。

言ってあげたいって言う、君の気持ちなんだよって。



あたしは、言った。







好かれて。

嫌な気持ちになる人って、まずいないと思う。

あたしだって、正直浮かれたし。

もう三十路間近なのに。

まだ、あたしを好きって言ってくれる人がいるって言うことに。


ものすごく、浮かれてたし。





でも。

浮かれていたけど。

常に、やっぱり一番はあいつだったから。

一番なあいつを、嫌な気分にさせるのも、嫌だったから。





ちゃんと、言えたよ。






彼から、返事のメールが来た。

「俺も、寂しかったのかもしれませんね。寂しい気持ちを、りりかさんで埋めようって利用してたんだと思います。ごめんなさいは、お互い様ですね。また何かあったら相談させてください!遠距離仲間として。もちろん、りりかさんも、相談してくださいよー。のろけも聞いちゃうし!」





笑顔の絵文字が並んでた。




ふらふら、しない。

そう言うの、繰り返してたら、だめだよ。



ちゃんとしなきゃ。

だめだよ、あたし。



2003年03月08日(土) 賭けに負けたあたし。(シモネタっぽいので・・・)

卒業できなかったら、別れるからね!!!



去年の11月くらいかな?

学校にあまりにも行かない(もしくは遅刻)あいつに、あたしが言った言葉。



「なら、出来たらどうするよ?」

あいつが言ってきて。

「そんなの知らない」

ってあたしは言ったんだけど。

「別れるなんて凄い事賭けてるんだから、こっちもりりかにとって凄い事賭けなきゃ」

いつの間にか、賭けになってるし・・・。




その賭けは・・・。

はー・・・。

やだ・・・。

思い出したくない・・・。





あいつが無事に卒業出来たら。

「口でやる事」

(この言葉書くだけなのに、凄い勇気が要りました・・・)




そのときは、もう売り言葉に買い言葉的に、「おぅ、望むところだ!」くらいな勢いでしたが。

卒業決まっちゃった今となっては・・・。

ものすごく後悔していたりします。




ていうのも。

あたしは、そういう事したのが、この28年と11ヶ月の中で、1回きりでして。

しかも、大昔、まだ結婚もする前、(相手は元だんな様じゃないです)訳分からずやれって言われてやった、と言う程度でして。

全くの初心者なんです。




今まで、何回か「やって」と元だんな様にもあいつにも言われました。

けど。

断固拒否して来ました。



恥ずかしいって言うのもありますが。



あたしの口の中は、奥行きがないらしく、歯医者でも治療が大変です。

あたしの場合、奥歯はものすごく治療が大変なので、虫歯にしないでください、と言われました。

なので。

いっぱい詰め込む、とか出来ないんです。

吐きそうになっちゃうんです。




その、1回だけやったとき。

口に入れたと思った瞬間、相手の男性が、あたしの頭を押さえまして。

あたしは、吐いてしまったんです・・・。

で、その相手の男性は、えらく怒りまして。



まぁ。

いろいろあったんですね。

なので、ちゃんとやった経験は0回です。

で、それ以来したくない、と言うか、出来ないって気持ちの方が強くて。





あいつには、そう言う話してあるので、分かってはいてくれてます。

ので、今まで(その話をした後は)「して」と言われた事はありませんでした。



けど、今回、賭けにしちゃったわけです、卒業出来ちゃったわけです。(出来ちゃった、って言うのも変だな)





卒業決まって、それ以来、その話しのオンパレードです。

妹にまで「頑張れよ!大丈夫だって、やってみろって!」なんて励まされ。

(てか、大体なんでお前が知ってるんだよ・・・)

あたしは、妹に恥をしのんで、やり方を聞く始末。

妹は。

「500MLのペットボトル持ってこい。教えてやるから」

とか言っていました。

500MLのペットボトルほど、大きさはなさそうですが。




17日に会う約束をしているんですが。

卒業式前日って言う事で、泊まりに来るんです。

どうしても、先延ばし先延ばしにしたいあたしは。



「Hくん、卒業おめでとう飲み会」

を、開催する事にしました。

なので、大人数で朝まで飲み明かそう!って話しになりました。

とりあえず、17日は回避。





今日のあいつとあたしの会話です。


り:「ねぇ、ホントにやるの?」

H:「賭けだしね」

り:「まじでぇ・・・」

H:「先に、出来なかったらお別れね!って言ったのはりりかちゃんだよー(ニヤニヤ)」

り:「そうだけど、無理っぽい」

H:「ほらー。やる前から無理って言うの嫌いでしょー(ニヤニヤ)」

り:「・・・っ!分かったよ!やりゃーいいんでしょ!!!」



電話切りました。




会いたい、会いたい、言っていたあたしですが。

今はどうしても、二人で会いたくないです・・・。



2003年03月07日(金) 昼間のデート

(昨日の続きです)



学校を後にしたあたしたちは。

それはそれは浮かれて。

何度も何度も、「卒業合格」の文字を読んで、二人で笑って。

あいつは、実家やお父さんに電話をして。

あたしも、ここまで全部をしってる友達(Mさん)や妹にメールして。



みんなが「よかったね」と言ってくれた。



車で、ブラブラ走って。

ちょっと遠いけど、車を走らせてあいつの行きたがっていた場所に行く。

ある施設の見学なんだけど。



あたし、笑ってばかりいた気がする。

嬉しくて嬉しくて。

見学コースの説明とか、全く聞いてなかった気がする。

それでも、楽しくて。

何でも、楽しくて。

繋いでいる手を、まじまじ見つめちゃったり。

説明を熱心に聞く、あいつをじっと見ちゃったり。


今日はいい事ばっかりだ。

なんて思ったりして。




夕方、妹と合流して、夕食。

あいつは、9時くらいには出るって言うから。

6時に待ち合わせして、2時間くらい、3人で夕飯しながらおしゃべりする。

この3人で集まるのも、久しぶり。

1ヶ月ぶりくらいかな。


妹にも「おめでと、よかったね」って言われて。

あいつも「ありがとうございます」って満面の笑み。




何か、妹が携帯をいじってて。

その間、あたしはあいつと話してたんだけど、あいつにもメールが届いたようで。

2人とも携帯をいじっているから、つまらなくて。

あたしは、「つまんなーい。あたしも誰かにメールしようかな」とかいって携帯を出したりして。




そしたら、あいつが携帯を見せてきた。

「ほら」

って、見せるから「なによー」ってちょっとふてくされた振りとかしてみた。

受信は全部妹。

「は?」

「だって、ひなちゃんからりりかの写真が送られてきたんだもん♪」

いつ撮ったやつよ??って見たら、たった今。

全く撮られてるの気づかなかった・・・。


「何で写真なんか撮るのよ・・・」

「だって、りりかちゃん、ニヤニヤしてばっかりいるんだもん♪」




あたしが、つまらないって言うから、面白がって二人でメールをしてたらしい・・・。

遊ばれてるなぁ。五歳下の二人に。




「私は、そろそろ帰るから、後は残った時間を二人でゆっくり使ってね♪」

妹が気を利かせる。

あたしは、恥ずかしさの余り。

「昼間ずっと一緒にいたんだし、いいよぉ」

って言ってるんだけど、あいつは普通にニヤニヤしてるだけだし・・・。

妹はさっさと帰って行ってしまった。



「俺たちも出るか」

「んー。だねー」


お会計の時。

「今日は卒業祝いって事で、あたしが出すね」

って言った。

あいつは。

「いいよー、卒業祝いはさー・・・」

とかなんとか、言ってたけど(詳しい話しは、明日の分で書きます)、押し切ってあたしが払った。

払った時「これでチャラになったと思わないでね」とあいつに言われたけど・・・。



あたしの車に乗る。

「ホントに、よかったね」

あたしが言う。

「うん、よかったよー。高卒になるか大卒になるかの違いは大きいからねぇ」

確かに。

しかも、彼の場合は5年も通っているんだし、出来なきゃ・・・ねぇ。





あたしたちが外で会うときは、雨って言う日がなくて。

今日も曇りだったんだけど、雨が降り始めてた。

今日は、ものすごく寒くて。





「もうすぐ、行かなきゃ?」

「うん、向こうは雪が降ってるかもしれないしね」

「そか・・・。次は、卒業式の日だね・・・」

「ん。そうだなー」

「あたしも、来週は休み無しで忙しいから、ちょうどよかったよ、気が紛れるよ」

「うん。がんばろうね。お互いにね」




あいつは、いつもこうやって。

「頑張ろう」

って言ってくれて。

あたしは、その言葉が、凄く安心出来て。

「一緒に、頑張ろう」

何度も何度も、いつも言ってくれてるよね。

そう、頑張るのは、あたしだけじゃない。

あなたも、一緒に頑張ってくれてる。

そう思えるから、あたしは、その言葉が好きで。

いつの間にかね。

仕事場でも「ほら、頑張ろうよ!」って言えるようになったよ、自然に。




初めて、頑張ろうって言ってくれたのは、あたしの生理が来なくなって、病院に通っているときかな。

頑張ろうって、言ってくれたんだよね。






俺は、楽しい事を提案したり、話を聞いたり、愚痴を聞いたりしか出来ないけど、少しでも力になれるように頑張る。

だから、りりかさんも頑張ろう。






どれだけ、あたしが救われたか。

一人で、頑張らないでいいって。

どれだけ、楽になれたか、分からないよ。




「雨、強くなってきたね」

「うん、俺もそろそろ行くよ」

「うん・・・」

あたし、寂しい顔しちゃったかな。

分からないけど。

珍しく、あいつが口じゃなくて、おでこにキスをして来た。



「りりか、大丈夫だよ」

頭を撫でられる。



何が、大丈夫なの?



聞こうと思ったけど、やめた。

寂しいかもしれないけど、俺はりりかだけだから、大丈夫だよ。

そんな意味あいだと思うから。



だから、頷いてみる。






帰り際、寂しくなるのは仕方ないけど。

今日は一日とっても楽しかったし、嬉しかったから。

よしと、しよっか。



「気を付けてね」

笑顔で頷いて、あいつは走って自分の車に乗った。








それから2時間半後。

「今ついたよ。雪が降ってるよー」

ってメールが来た。


こっちは雨のまま。

やっぱり、たった二時間半の距離でも、違うんだなぁって。



しんみり思ったよ。



2003年03月06日(木) 卒業合否

朝七時に起きて。

自然に目が覚めた時に、あいつが横にいる不思議。

あたしが洗面台で顔を洗ってたら、あいつも起きたらしく。

「おはよ」

って言われる。


最近は、「おはよ」は、メールの中だけだったから。

不思議な感覚に、またなる。



一日たっぷり、時間がある。

それは、ものすごく嬉しい。

ただ。

あいつの学校の用事・・・。

それは。


卒業の合否発表。


あいつは。

「大丈夫」

を連発するけど。

数日前にあいつが言った事が頭から離れない。




「卒業できなかったら・・・慰めてね」

「は?」

「卒業だよー、出来なかったら、慰めてねー」

「いやいや。出来ない恐れがあるの?100%平気、とか言ってきたじゃん!?」

「ううーん。テストの状況次第なんだよねぇ」

「ちょ、ちょっと待って!平気って言ってたよね?ぶっちゃけ、確率はどれくらいなの?」

「うーん。五分五分」

「はぁぁぁぁ???んで、もし出来なかったら六年生??」

「いや、やめるよ」

「ばーーーーーーか!!!!!!」



あたしがあまりにも動揺してたら。


「うそうそ、冗談だよ、大丈夫だって」

って言ってきたけど。

それはあたしの動揺を失くすために言ってるって事が、バレバレ。



確かに、後期のテスト、受け損なったのがあったなぁ。

レポートとして出したんだっけ・・・?



あたしと過ごしてしまった、親御さんから頂いたラストチャンスの一年。

これで出来なかったら、明らかにあたしのせいではないでしょうか?




また、朝からそんな事を考え出して、止まらなくなる、あたし。

モーニングを食べながら、聞く。

「ねぇ。学校、何時くらいに行くの?」

「昼くらいまでには」

「大丈夫かなぁ・・・」

「俺を信じろって」

「出来ないよー・・・」

「とりあえず、これ食べたら行こうか?」

「どこに?」

「学校」

「は?あたしも?・・・やだ!行かない、あたしは待ってる。結果だけ連絡して!!!」

「そんな事言わないでさー」




結局連れて行かれる。

ほぼ、一年ぶりのあいつの大学。

去年来た時は、桜を見に来たんだった。

あいつの元住んでいた家の近くのファミレスに車を停める。



今日は、どんより、曇り空。

ものすごく寒いし。

去年と同じ道を歩いているのに。

足が重い。

これは、決してあたしが一つ年を取ったせいじゃなく、結果を見に行くのが嫌だから。



「歩きたくない・・・」

ここは本当に坂道が多くて・・・。

重い足にはこたえる。

「ねぇ、歩きたくない。疲れちゃったよ。ここで待ちたい」

疲れたのは、本当。

でも、歩きたくないだけじゃなく、行きたくない。

結果をリアルタイムで知りたくない。



あたしの中では、もうほぼだめなんだろう、と思って。

あいつは自信家で。

けど、その自信家が五分五分だと言う時点で、かなり自信がないんだろう、と。

だから、怖くて仕方ない。

どんどん歩くスピードが遅くなる。

止まっちゃうんじゃないか、と思うくらいに、のろのろ歩く。



「ほらー」

あいつがあたしの手を握って、あたしを引っ張る。

あたしはわざと、またゆっくり歩く。

手がどんどん、引っ張られる。

あいつが止まって、今度はあたしの後ろに回って、あたしの背中を押す。

「おぶってやろうか?」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

「疲れたより、見に行くのが怖いんだよ!」

年寄り扱いするな!とふてくされる。





学校に、ついてしまった。

あいつは、あたしの手を握ったまま、どんどん歩く。

あたしは「寒い」を連発する。

寒い、から、どこか暖かいところで、座って待っていたい。

結果だけ、教えてくれればいいから・・・。

こんなところに来ちゃってまで、まだあたしは駄々をこねる。

「寒い」って言ったあたしの手を、普通に自分のポケットに入れる。

若い大学生の子たちが、たくさんいる中で。

あたしは恥ずかしくなって、手を離す。

また手を繋がれないように、慌てて自分のポケットに入れる。




またのろのろ歩くあたしの腕を、強制的に捕まれて、進んで行くあいつ。

「ね・・・大丈夫だよね・・・」

近づいて来る結果に、怖くなって、何度も聞く。

「大丈夫だよ」



すっごく、優しい声で、あいつが言うから。

あたしは、逆にますます不安になる。

もっと強い口調で、「大丈夫だって言ってるじゃん!」とか言ってくれたら、逆に安心できるのに。

もしかしたら、あいつも、あいつ自身に、言ってたのかもしれないね。





「法学部はこちらです」

と言う看板の前で止まる。

何か、紙が張られてて。



え、え、どれが結果なの??

あたしは、あいつを見る。

あいつは黙って、少し笑って。

その笑顔は何?

と、あたしはパニくる。




「ごめんりりか」




なに・・・?

ごめんて、何?



完全に、訳が分からなく、なる。












「もうちょっと歩かなきゃ、だ」

「は?」

「ここじゃなかった」




看板に書いてあったのは、法学部の発表の部屋、らしい。

なんだよ、もーーーー!!!




通り過ぎる学生たちが、みんな手に紙を持っている。

「あれ、卒業出来る人たちがもらえる紙?」

「え?ああ、違うよ、あの紙に合否が書いてあるんだよ」

「そーなの?張り出されるものじゃないんだ?」

「違うよ」

なんだ・・・。

高校とかの、合格発表みたいなの、想像してたよ。





で、ついた先で。

あたしは、廊下の長椅子に座って待った。


座って。

手を握って。

下を向いて。



もしも、神様がいるのなら。

お願いします。

あたしの大好きな人を。

卒業させてください。



神様も怒るかな。

こんなくだらない事、聞いてられない!って。



でも、真剣に祈ってた。


お願いします。

お願いします。

お願いします・・・。





数分待って。

あいつが、紙を持って来た。

あたしは、ゆっくり顔をあげる。

「ど、どう?」

「はい」

あいつがあたしに紙を渡す。

その紙を見たとき、「あ、この紙、去年あいつの部屋で見た事あった」と思い出したりした。




紙の横の方に。




「卒業 合格」

の、文字。


それを見つけたと同時に、あいつの声。

「合格です」




あたしは、本当は立ち上がって抱きつきたかったけど。

もう、力が抜けちゃって。

馬鹿みたいに、手を叩いて。

「おめでとーーーーー。よかったぁぁぁぁ」

涙目で、あいつを見上げた。



「だからー、大丈夫って言ったでしょ?」

「もぉぉ、だめだと思ってたの・・・。よかったぁぁぁぁ」

「信用ねーなー」



あいつが隣に座って、あたしの頭を撫でて。

一緒に紙を覗きこんでくる。



「ほら、こんなにたくさん単位取ったんだよ。こんなに超えてるじゃん?」

よく分からないけど、14単位多く取ったんだって。




ホントにホントに、よかった・・・。

これで、本当に学生、じゃなくなるんだね。




友達に。

「りりかの彼氏って何してる人?」

「学生・・・」

って言わないで済むように、なるんだね。



なんて、そんな事はどうでもいいんだけど。

本当に、安心しました。



よかったね。

おめでとう!



2003年03月05日(水) 特別なこと。

あたしの仕事が終わってから。

急いで買い物して部屋に帰って。

掃除したりして。

ドキドキしながら待つ。

「今出たよ」

ってメールが、いつ来るかって。

ワクワクしながら、待つ。




でも。

「今出たよ」

のメールが来る前に、「ただいま」のメールが来るはず。

仕事から帰ってきたよ、のメール。

それが、ない。

時間を見たら7時半。

通常なら6時半過ぎには、帰ってくるはず。



今日は、遅いのかな・・・


そう考え出してたら。


また、残業になっちゃって、今日は無理ってなっちゃうのかも・・・


なんて、考えてしまう。








7時半過ぎ。

着信。

凄く嫌な予感がした。

「やっぱり今日は無理」

そう言われるのが怖くて、出たくなかった。

だから。

出るとき、凄く暗い声になっちゃった。



「はい・・・」

「あ、りりか?」

「うん・・・まだ仕事中?」

「いや、終わったよ」

「今家についたの?」

「ううん、七時前にはついてたよ」

「・・・。ならなんで、メール来ないのよ!!」

いきなり、大声になっちゃう。

「何、何で怒鳴られてるわけ!!!???帰ってすぐ出られるように急いで支度とかしてて、今から出るよって電話したんだよー」

「また今日はだめだって言われるのかと思ったよ・・・」

「安心しなさい。何があっても行くから(笑)」





二時間半近くたって。

10時ちょっと前。

あいつが、到着。



一緒にお酒を買いに行く。


「りりかはどれ飲む?」

「俺はこれにしようかな」


普通の、今までだったら当たり前の会話なのに。

なんだか、特別な感じがしちゃう。

朝まで、時間を気にしないで、一緒にいると言う事が。

すごく、特別。





一緒に飲む。

いつもは、帰る時間を気にして、飲めないし。

少ししか寝ないで、仕事に行くのは、かわいそうって思って。

早く寝かせるようにしちゃうけど。

今日は、そんな心配もしないで、いいんだね。



「嬉しいなぁ。りりかと一緒に飲めてー。酒がうまいよ!」

何度も、何度も、そう言う。

あたしも。

何度も、何度も。

頷く。

本当に、あたしも嬉しいから。




「あと何時間で帰るんだね」

なんて、考える事はしないでいい。

それって、凄く幸せなことだったんだ。

失ってから、気づく。

あたしは、いつもそうだな、と思う。

失ってから。

気づく事が、多すぎる。




ソファーで二人で並んで飲んで。

飲みながら頭を撫でてくれるあいつに。

あたしは、キスをせがむ。

少し、酔って気持ちも大きくなっちゃって。

「もっと、キスしたい」

とか、言っちゃう。

自分から、抱きついちゃったりもする。




何度も、何度も。

抱きしめ合って。

何度も、何度も。

「愛してる」

って言う。




夜中の2時まで、話してた。

明日は、何しようか?って事とか。




朝。

起きても、一緒にいるって事は。

今となってはすごく、特別なことなんだよね。




寝ちゃったあいつを。

あたしは、ホッとしたような気持ちで、見る。

何で、ホッとしたような気持ち、なんだろう?



何でか分からないけど。

安心するような、気持ち。



2003年03月04日(火) 時間の使い方。

朝。

だいたい6時半ごろ。

「おはようー。今から出勤です、行って来るね」

っておはようメールが来る。



昼休みになって、食事してからの12時半頃。

「今日は天気がいいよー。風が強いけど。りりかは今頃一番忙しい時間だね。頑張ってー」

とかメールが来る。



夜7時半頃。

「ただいま。今帰宅しましたー」

ってただいまメールが来る。




その後は、ちょこちょこメールのやり取りして。

あいつはメールしながら、事務仕事を手伝ったりするらしい。




夜九時半過ぎ。

あたしが仕事じゃなきゃ、電話がなる。

あたしと話した後。

11時には「おやすみ」ってなる。




あいつは、ほとんど毎日、このサイクルで。






今日も、電話が来た。

夜10時。


「りりかー。明日、行くからね!」

「え?」

「明日、行くって言ってるんだよ」

「明日?明後日が学校の用事だったよね?」

「うん、だから明日の夜から行くから」

「ほんとー??」



凄く、嬉しい。

本当に?って、何度も何度も聞いちゃう。

あいつは嬉しそうに「本当だよー」って答える。




「一緒に飲もうよ。ゆっくり寝ようよ!」

あたしが、言う。

あいつも。

「うん、そうしよう!」

って、喜んでくれる。





「俺の自由に使える時間、全部りりかに費やしてるなぁって思う」

突然、言われる。

「そうなの?」

「うん、そう。だって、こっち帰ってきてから、友達とも飲みに行ってないし」

「行けばいいのにー」

「いや、帰ってきていろいろして、疲れて出る気にならなくてさ」

「そっかー。なら、明日も無理しないでいいよ?あたしは明後日でも充分よ?」

「俺が会いたいの!・・・って言わせないで・・・。恥ずかしいんだから」

「素直じゃん」

「俺はいつだって素直です。素直じゃないのは、りりかでしょ。それにね、使える時間、全部今はりりかに使いたいの」




何で?って聞くあたしに。

「今は、こうやって離れて暮らす事が始まったばかりで。りりかも不安だろうから。いっぱい安心させる意味でも、少しでもりりかと繋がっているほうが絶対にいいなって思ったから」

「りりかは、不安だよーってすぐ泣き声になるじゃん?」

ってあいつは笑いながら言うけど。


なら、あたしが離れている事に慣れたら。

そんな必要なくなるんだね、って言ってみた。



「慣れたら、終わりじゃないかな。それだけ相手に関心がなくなったという事になるんじゃない?」

「そうかなぁ?」

「そうだよ」




なら、君はずっと友達と飲みになんか行けないじゃん?って言った。

「ううん。1日くらい電話がなかったり、メールが少なくても、1日だけだから、ってりりかが我慢できるようになったら、安心して俺も飲みに行けるよ」

「別に今だって一日くらい我慢出来るけど???」

「今はまだまだ不安定だから。だから、それは出来ないなぁ。今基礎の時期だから。ちゃんと基礎が安定するまでは、こうやって毎日自由な時間は全部りりかに使わせて」





無理はしてないよ、って笑いながら言う。

無理なんか、してるはずないじゃん、って。





あいつは、一人でいる時間が好きだし。

いろいろと、やりたい事も、あると思うし。

それを、仕事終わってから電話とか。

しかも明日は、仕事が終わったら来て泊まってくれると言う。

明後日の朝ゆっくりでたって、間に合う。

学校は夕方までやっているんだから。

それを、わざわざ来てくれるって言う。





あたし。

そんなに不安定に見えるのかな。

あたしは。



重荷になってない?





そう聞こうかと思ったけど。

聞くのをやめた。

きっと。

「んなはずないし」

って言うと思うから。



でもね。

気づいてないだけで、少しずつ。

ほんのちょっとずつ。


確実に、負担にはなってると、思うよ・・・。



2003年03月03日(月) 風船

今日、ライラが通っていた保育園から、電話が来た。

ライラがやめる前までに作った作品やお絵かきを、取りに来て欲しいということだった。

もう、3月。

クラスも来月から上がるから、毎年この時期は、1年間作ってきたものとかを配られる。



職場から車で15分のライラが通っていた保育園。

家からはちょっと遠いけど、職場からは近いから、ものすごく送迎が楽だった。

そんな事を思い出しながら。

久しぶりに、保育園の門をくぐる。




ライラがやめたのは、急だったから。

渡せずじまいだった、と先生は謝ってきた。

今回みんなの分の作品を綴るのに、ライラの分も一緒に綴ってくれたと言う。

ライラの名前が書いてある、ピンクの画用紙が表紙。

名前の下には「進級おめでとう」の文字。

本当なら、来年は年長さんとして、この保育園から卒園して小学校に入学するはずだった。




帰宅して、中を開けた。

4月から9月までの。

ライラの作品たちだった。

ライラはおねえちゃん二人の影響か、女の子や動物を書くのが好きだった。

女の子っぽい絵を書く子だった。




たとえば。

「ウサギを書いてごらん」

と、男の子、女の子にそれぞれ言うとすると。

本来理系の男の子は「ウサギは目が赤い。尾は丸くて・・・」と、実写的に書く。

文系の女の子は「ウサギさんがお洋服を着ているの」と、二本足でリボンとかを付けて立っているウサギを書くと言う。

でも、ライラは「お洋服を着ているウサギ」だった。




本当に女の子っぽい子だったから。

心配してた事もあったけど。

「優しい子なんだから、いいじゃん」って思ったりした。




一枚の絵が、目に止まる。

人物5人の絵。

先生が加え書きをしてくれたらしく。

「パパ・ママ・○○(長女)・○○(次女)・ライラ」

とあった。



家族五人の、絵だった。

絵の中のあたしたちは。

それぞれ違う色の風船を持っていて。

本当に、上手に書けていて。






なんだろう。

凄く、悲しくなった。

ライラが書きながら話している様子が、目に浮かんで。




「ママはね、赤が好きなの。だから赤い風船なの。パパは男だから、青。ライラは水色が好き。お姉ちゃんたちはー・・・」







この作品。

あたしが持っててもいいよね。

自分に、聞いてみる。

あたしが、持っていたい。

どうしても・・・。

だから、元だんな様には、内緒にする事にした。




その絵を。

携帯のカメラで撮って、待ち受けにした。




本来なら。

この絵のままの、家族五人の状態でいなければならなかったんだ、という事を。

忘れてしまわないように。



2003年03月02日(日) 喧嘩

ふとした事から、喧嘩になった。






今日は朝から夜中まで仕事。

夜九時の休憩で、電話をした。

「疲れた・・・10時間は立ちっぱなし、と言うか歩きっぱなし・・・疲れた」

「お疲れさま。大丈夫?」

「大丈夫じゃない・・・疲れたー」



そのあと、バイト仲間の話し。

あいつがここでバイトしてるときに最初お気に入りだった、Rちゃんの話し。

Rちゃんの彼はあたしより五歳上のバツイチの人。

その人と喧嘩して、別れるって言う話しになったんだって。

相手のバツイチの人は、あたしとは異性の関係を超えての親友。

だから、RちゃんもRちゃんの彼もあたしにはいろいろ相談して来てて。



そのRちゃんの彼が、あたしに。

「俺ー、Rと別れるの、惜しい気がするんだ・・・あ、て言うか失いたくないんだよ」

って言った。

あたしはそのときは聞き流した。

あとで考えて見たら。

「惜しい?」

って、何?

どういう意味で、「惜しい」って言う言葉を使ったの?




「でね、その惜しいって言う言葉について、どう言う意味なんだろう?ってあたしは思っちゃって。今更聞き返せないけど。どう思う?」

あたしは、あいつに聞いてみた。

「そりゃ、あれだ。あの人くらいに年行ってて、しかも10歳年下の子と付き合えるチャンスはもうほとんどないだろ。そりゃ惜しいよ」

「でも、年相応の人とだったら、あの人なら付き合うチャンスはあると思うよ?」

「馬鹿だなー。男って若いのがいいじゃん?若けりゃ若い方がいいんじゃない?」

「えぇー。若けりゃって中学生とかもアリなの?」

「そこまではいかなくてもさー・・・。でも、23歳の若い子と付き合うチャンスはもうないかもねー」

「てか。若いのがやっぱりいい物なの?」

「そりゃ、肌の質とかも変わってくるからねー」

「肌の質?」

「うん、あと胸のハリとか。全然違うでしょ。小さくてもハリがあったりするんだよ、若いと」

「・・・」

「弾力性があるって言うかー」

「・・・」

「20代前半と後半、三十代、って変わってきちゃうものなんだよ」

「・・・」

「聞いてる?」

「聞きたくない」


ここで、しまった!とあいつが思ったらしく。


「一般論だよ?一般論!俺の意見とかじゃなくてね。ほら、俺の場合は気持ちが最優先だから」

「何、気持ちが最優先って・・・?」

「俺の場合は、りりかの胸だから、大きかろうが小さかろうが、関係ないって事!りりかだから、いいの。分かるかなー?」

「全く分かりません!!!・・・あたし、Hなら胸触られても、全くOKじゃないけど、すっごく嫌!ではなくなってたんだ・・・でも、今はやっぱり嫌かも」

「だーかーらー!ね、りりかは気にしすぎ。いいの、関係ないの。りりかだからOKなんだから。ねー」

「やだ。触らないで欲しい」

「・・・。何で?俺だから触らせてもいいかなって、俺は特例だったわけでしょ?いきなり、だめになるわけ?」

「だって、若い子みたいにハリが無いどころか、胸がないもん!て言うかあたし、Rちゃんの年齢の時にはライラ産んでたし、もうハリも何もなかったもん!!!!」

「俺がそれでもいいって、関係ないよ、触りたいんだよ?って言っても?」

「うん、やだ」

「・・・。なら、今後は胸を触らせないんだ?エッチも何もしないんだ?決定なんだ?」

「うん、決定だね。何もしない」

「分かりました」

ピッ。




電話を切られた・・・。

一緒に休憩取って、一部始終聞いてた仲よしのMさんに「あたし間違ってる???」って半切れで聞いちゃった。

「いや・・・どっちも間違ってるような、間違ってないような」

Mさんは苦笑してた・・・。

「て言うか、お前ら子供ー(笑)」

とまで言われる。

うん、確かに。




でもホントに。

胸の話しだけは、あたしはだめ。

胸のせいで、幻滅されちゃうんじゃないか、とか。

他に胸が大きい人がいたら、そっちがよくなっちゃうんじゃないかとか。



前から考えてた事。

前から不安だった事。





でもさ。

今回のは、あたしもいちいちしつこく突っ込みすぎたかなぁって。

ちょっと反省した。

しかも今は、会えないんだから。

長引かせたら、だめだよ。

悪化しちゃう。

前までは、喧嘩してもすぐ会えてたから、仲直りできた部分もあったんだから。

別れたりするの、いやでしょ?

こんな事で、別れたりするわけはないんだけど・・・。

でもやっぱり、不安になっちゃって。



折り返し電話をかける。




・・・出ない。




何、こいつ!!!!

って、あたしは反省した気持ちはどこへやら、新たに怒り爆発。

そのまま、仕事に戻る。





仕事に没頭して、勤務時間は終わって。

後は事務処理だ、と思って店長室にこもっていたら。

店の電話が鳴った。

「はい毎度ありがとうございます。○○店です」

「○○さん(あたしの苗字)いますか?」

「あ、私ですが」

「知ってます」

「は・・・?」

「俺だよ、バーカ」



何、こいつ!!!!

声変えてんじゃん!!!




「何よ。電話でなかったくせに」

「トイレ行ってたんだよ。生理現象だろー」

「携帯持っていきなよ」

「何でだよ、トイレに携帯かよ!!??・・・ね、今の三村突っ込みぽくない?」

「古いよ・・・」


とか言いながら、笑ってしまう自分が嫌・・・。



「りりか、撤回して。胸触らせないとか、そう言うの、全部撤回して」

「・・・。ね、やっぱり胸が大きいほうがいいの?」

「そんなのどうでもいい。りりかがいい」

「ならさ。あたしが二人いて、大きいのと小さいのと二人いたら?」

「りりかと顔も体も性格も、全く同じ人間だったら、大きいのだろ、そりゃ。でも、一ミリでも違っていたら、やだ。りりかがいい」

「ふーん・・・」

「もー!分かってるの?りりかじゃなきゃだめなんだよ!って言ってるんだよ?俺はりりかが嫌いなその胸も、大好きなの!俺は大好きなんだから!!それでいいんじゃないの??」

「ああ、そう言うこと、去年の今頃かな?言われた覚えがある」

「あ、今俺もこういう事言った覚えがあるな、と思ってた(笑)」

「うん、覚えてる・・・少し自分の胸が気にならなくなった日だ。・・・意地悪言ってごめん」

「うん。大丈夫、俺は絶対に嫌いにならない自信あるから!気にするな!」



その後は、あたしは店のパソコンをいじりながら、普通に会話してた。



「さっき、電話切った後、むかついた気持ちといろいろなこと、メールに打ったりしたんだけど」

「うん?」

「けど、俺からメールするのも癪だ!こうなったら、明日のおはようメールもしないからな!とか考えてた(笑)」

「へー。で、あたしがそれでもメールも電話もしてこなかったら?」

「そしたら・・・。明日の昼休みに、何で連絡して来ないんだよ!?って切れながらメールしてたはず・・・」

「結局するんじゃん」

「うん、そう(笑)」

「バカっぽーい」

「うるさい!!」





明日も早い、あいつとは電話を切って。

あたしも残りの雑用を片付けて。

午前2時。

やっと帰宅した。




すぐに仲直り出来たけど。



したくないよね、やっぱ。




仕事と今日一日起きたいろいろな事。

考えながら、眠りについた。

あたしの見た夢は。




なぜか。

Rちゃんにあいつがよしよししている夢。

この夢見るのは二回目。

寝起きに不安になって、凄くあいつに会いたくてたまらなくなる。



「またRちゃんによしよししてる夢見ちゃったよー・・・やだーもう!」

て、メールしようかな、って思ったけど。



また言われちゃうかなぁ?

「りりかの夢まで、責任持てませんて(笑)」

しかも、すげー嬉しそうなんだよね、そういう風に言われる事が!



2003年03月01日(土) 貪欲

今日で1ヶ月。

あいつが、実家に帰ってから、1ヶ月が経った。




仕事始めたばかりの最初は、会う事は難しいって思ってた。

だって、慣れない仕事毎日してたら、疲れちゃうじゃんね。

けど。

四回もあいつに会う事が出来たんだし。

すごい、会えたんだね、会う事が出来たんだねって、思うようにしようって。




けど、やっぱりあたしは欲張りだから。

「少ない!」って思ってしまう。



最初は、もちろん、二月は日にちも少ないし、1回会えたらいいかな、位に考えてた。

バレンタインの1回会えたら、我慢しよう。

そう言い聞かせてた。




最初の1回目。

あいつが「往診だよ」って言ってきてくれた日。

ものすごく感動して。

何度お礼を言っても足りないんじゃないかって位に、嬉しくて。



大丈夫、あたしは、大丈夫、離れてても、頑張れるって。

思った。

思ってた、かな。




けど、欲がどんどん出てきちゃって。

もっと会える、もっと会いたい、って思うようになってしまった。



あいつの方が、あたしより五歳も若いんだし(こう言うときはここ強調)、出来るでしょ、会いに来てよ!


なんて。

もちろん、口に出しては言えないけど。

思ったりした事もあったのは、確か。




だめだよ、こんなんじゃ。

どっちかが、潰れちゃうよね。



どっちも、潰れちゃうよね。





あたしは、いつの間に、こんなに分からず屋になったんだろう。

あいつに対して、いつもあたしの方が余裕があったと思う。

今までは。



今は、無いから。

あいつには余裕があっても、あたしにはないから。

あいつを無理させる事で、あたしが欲を出す事で、それを適えてくれる事で。

自分自身、落ち着こうとしてた。


また、こうやって、こういう形で。

あたしは、あいつの愛情を計ろうとしちゃってた。



だから。


どうしたら、いいかなぁ。

あたしなりに、考えて見た。



きっとね。

慣れる事から、だよね。



イナイコトガアタリマエ



そう、慣れる事から。

始めてみよっか。


 < back  INDEX  next>


りりか [MAIL]

My追加
エンピツ