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march forward.
りりかの独り言。

2002年01月31日(木) 未来

おととい、バイト先の男の子にいわれたことが、ずっとずっと引っかかってた。
だから、帰りがけ休憩室でバイト先の主婦(この人にはお互いいろいろと話し合っている仲なので)と話しているとき、「私が切らなきゃならないのかなぁ?」
と、つい口走ってしまった。
もちろん、あいつにも聞かれてしまった。
「誰が何を切るんですか?」
いつもの無邪気な笑顔はそこに無く、真剣にあたしを見る彼の目があった。
あたしは、しまった!と言う気持ちよりも、いい機会かもしれないと言う思いがあった。第三者もいることだしと。

「あたしたちに未来は無いと思うから。未来の事を考えたら、きっとあたしたちはまだ始まったばかりの今、終わったほうがいいのかもしれない。傷が浅いうちにね」
「はぁ!?」
驚くのも当たり前だろう。
まだ始まって3日だ。何なんだ、と思うだろう。

「それは、本心ですか?」
「本心・・・と言うより、きみのためだよ。」
「逃げているんじゃなくて?怖くて。先が見えないのが」

そうかもしれない。彼のためだと自分に言い聞かせているけど、
もし家族にばれたときのリスクとかを考えて、
怖いのかもしれない。

なんだか、ぐちゃぐちゃ同じことの言い合いになって、あたしは帰ってきた。結局答えは出ないまま。

夜、彼から電話があった。凄く酔っているのが、話し方で分かった。

「俺は嫌ですよ。待って待って、ずっと手の届かない存在だと
でも思い続けたいとがんばって。やっと手に入ったのかと思ったとたんに
失くすなんて。未来はありますよ、見えないって言うけど。ありますよ。
俺には、あなたと一緒にいることが、1時間でも1分でも未来なんですから。そんな未来を続けたいんですよ」

そのまま、電話は切られた。一方的に話したいだけ話して。
あたしは、久しぶりにだんなと一緒に寝て見た。
「抱きしめて欲しい。安心できるくらいに強く」
「何言ってるんだよ。疲れているんだよ。」
「どうしても、お願い」
おざなりに、抱きしめられただけだけど、なんだか少し安心出来たような気がした。でも、それは、あいつに抱きしめられていると思い浮かべている自分がいた。



2002年01月29日(火) 反対意見

昨日のことが、なんだか夢だったような、夢であったら楽かもしれないと、
ぽつぽつと考えながら家を出た。

今日もあいつと一緒の勤務だ。
あたしより早く仕事に来て、笑顔で迎えてくれた。
「おはようございます!」
「・・・。おはよう」

まともに顔なんか見れるはずも無く。
この笑顔を見ると、あたしは、間違っていなかったのか。好きだと言う気持ちを彼に打ち明けてよかったのか、凄く凄く考えてしまう。
あたしは、彼を不幸へと言う道へ、導いてしまったのかもしれない。

仕事が終わって、あいつは、同じバイト先の仲間とのみに行った。
あたしは、家に帰って普通に主婦として家事育児をやる。
メールが届いた。
「俺たちのこと、話しちゃいました!そういう関係もありなのかな?って言われました」
絶句した。同じバイト先の仲間に話さなくても・・・
明日からそういう目で見られるんだよ。分かっているの?頭の中がぐるぐるした。でも、話したくて仕方ない、みんなに聞いて欲しいと思う彼の気持ちもなんとなく嬉しかったりもした。

飲んだ後らしく、その話しを聞いたバイトの男の子からメールが来た。
「あいつ、凄く幸せそうに言うからいえなかったけど、俺的には、あなたのしている事はどうかと思います。いったい何なんだと思いましたよ。
切ってください、すぐに。あなたから。今はつらいかもしれないけど、結果的にはそれが二人の未来のためなんです」

分かってる。あたしが間違っている。知ってる。そんなこと。
あたしたちに未来は無い。
だったら、無い未来のことより、あいつの普通に幸せな未来を考えてあげたほうがいいに決まっている。
反対する人のほうが多いのは知ってる。アタリマエだもん。

でも、あたしが彼を受け入れたいと思った気持ち、彼が葛藤してもやっぱりあたしを好きで仕方ないと思う今の気持ちは、きっと反映されていない。
ここで彼を切った場合。
今の気持ちに素直になるのがいいのか、未来を見たほうがいいのか、どっちがいいのかなんて、本当に分からない。
でも、きっと、未来を見たほうがいいんだよね。



2002年01月28日(月) 始まり

あいつとあたしが一緒に勤務になることが増えてきた。
彼が合わせているのか、たまたまなのか。たぶん前者だろう。

「帰りに話して行きませんか?」
「何を?」
「いや、語り合いたいなぁって」
「暇だし、いいけど。」

彼の車の中で、仕事のこと、学校のこと、親のこと、色々とりとめも無い話を繰り返していた。
「きょうのあなたは、なんだかつらそうでした。何かあったんですか?」

昨日、だんなが会社に退職届を出してきた事を、確かに仕事中、何度か考え込んだりした。でも、そんなの気づかれたりしない程度のはずだ。

「別に、いつもと一緒だよ。」
こいつは、何で私の考えていることを読めるんだろう、と不思議に思ったけど、嫌ではなかった。
むしろ、嬉しいくらいだった。だから、あいつはあたしに暇なら話して帰ろうと言ったのか。気を紛らわせるために。

「ならいいんですけど。嫌なことあったら、何でも話してくださいね。」
無邪気に笑う彼に、また苦しい切なさを覚えた。
でも、今回はその切なさは自分の気持ちを知り始めていることも含めて。

ずっと疑問に思っていた事を聞いて見ることにした。
「私が、結婚している、子供もいる主婦だって言うのは分かっているよね?何でそれで好きだとか言えるの?無理だなとか思わないの?」
「俺、去年の9月から、ずっと見続けてきたんです。もちろん、葛藤しまくりましたよ。友達にも相談しました。たいてい、相手にされないよ、って言うのと、やめろって言う意見でしたけど。でも、好きだって言う気持ちは結婚しているとかそういうの前提で起こるものじゃないでしょ?」

結婚していると言う事実を前提として、人を好きになるとか、ならないとかあるわけない。確かに正論だけど。
でも、一般常識から考えて、結婚している人を好きになるって言うのはどんなもんなんだろうか。
そんなことを、もやもや考えていたら、
「あなたは、好きになってくれないかもしれない。でも、俺はきっと、ずっとあなたが好きです」

あたしは。彼のこと、好きじゃないのか?いや、違う。きっと、あの観覧車の後から。ずっと気になる存在になっていた。そして、今の気持ちは。

もうひとつの疑問。
「なんで。どこがいいの?あたしの。顔だって十人並みだし、性格は男勝りできついし。あんたにもしょっちゅう、毒吐いているじゃない?」

「普通の女の子は弱い所を女の武器として
最大限に生かして使って、裏では凄く強かったり
男をばかにしているところがあったりするのに、あなたは逆で、男なんかぜんぜん見下してるって言う風にしているのに
本当は怖がりで、弱くて、一人でも平気って人を寄せ付けなさそうに
振舞っているのに実は一人が大嫌いなところを隠そうとする
部分と、空気です」

「空気?」

「はい。あなたがいるだけで、俺の中では空気が違うんです。二人でいてもみんなでいても、あなたがいるだけで、何か空気がちがくて、幸せな気分に慣れるんです。その空気がいつも傍にあったらなと思い始めたのが、気になり始めたきっかけですね」

すごく、喜んでいいような、感動していいような事をいわれている気がした。そして、そんな風にあたしを分かってくれている、彼をいとおしくも思えた。なんだか、涙まで出てきそうだ。

「あたしは。何もしてあげられない。もし、きみが、寂しくて悲しくてどうしても一人でいたくない時に、あたしは、家庭の事情とかでかけつけてあげることが出来ないかも知れない。きっと、あたしたちは与えてもらうだけ、与えるだけの関係になってしまう。あたしは、きみのことが、好きだけど」

一瞬間があって。彼のいつもの無邪気な笑顔があって。

「何か、今俺、死んでもいいかもしれない。」

あたしたちの関係は、ここから始まった。



2002年01月18日(金) 超えちゃいけない

「今度遊びに来ませんか?うちに」


あいつに、突然言われた。

あたしも、軽く冗談のつもりで


「そうだねー。じゃぁ、夕飯作ってあげるよ。家庭の味ってヤツ?まー、汚い部屋は嫌だから、掃除してあったらね」


「約束ですよ!!」


とか言ってた。


まぁ、ありえないだろうな、と思ってたんだけど。


危ないしね。


大学生の一人暮らしの部屋になんか、いけないっつーの。

何されるんだよ?

てか、何するつもり?




なのに。あたしが言った何気ない言葉で。


「こたつあるんだ?いいなぁ。うちないから。入りにいきたーい!」


それで、あいつは、必死になって掃除したらしい。


「いつでも来てください。なんなら今日!約束でしたよねー?」


びっくりした。この子は、何を言っているんだろう・・・

約束は確かにしたけど。

あれは、冗談でしょ?


なんていえなかった。


結局、あたしは、行かなかった。


行けなかった。




そんなことは、あっちゃいけない。


そう思ったから。






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「今度、バイトの仲間と一緒に行くよ!ね」


一人で行くなんて、そんなのおかしい。


あいつももしかしたら、気軽にこたつに入りに来てくださいって、言っているのかも知れないけど。


だめだよ。


そこは。



超えられない。



2002年01月07日(月) 葛藤・・・ゆらゆら

毎晩のように、ブルーなメールがくる。



「もう、諦めようと思うんです・・・振り向いてもらえないのなら、他に目を向けなきゃって思うんです」



とか。



こう言った感じのメールが毎晩毎晩。




あたしは、そのたびに心の中で

「初めからそう言っているじゃない」


と思っている。


でも、メールは返せないでいる。



突き放すのは簡単だけど。





本当に離れていかれるのが少し怖いのかもしれない。










彼が迷って、迷って。



葛藤している様子が。



手に取るように分かる。



ゆれているんだね。ゆらゆら・・・










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ごめんね。




朝になると、



「昨日の夜はヘンなメールをすいませんでした」



と、言ってくる。





夜中に。


人恋しくなるのは。




みんな一緒。



2002年01月01日(火) あきらめなさい

主婦だと言うのに、深夜勤務。
若いバイトたちが、一緒に年越しをしましょうよ、と、集まってきていた。
その中に、もちろん彼もいた。

「あたしは、しごとなんだからね」
「分かってますよ、混んできたら手伝うつもりだし。それに、俺の手作りの年こしそばを食べさせたくて」

ちょうど、新年にかかるとき、客はいなくなり、若者たちはここが仕事場だと言うことも忘れてカウントダウン。。。あたしも新年くらいはいいか、と一緒になって、飲酒勤務。

近くの神社に初詣に行ってきます、とバイトたちは出かけて行った。

長い長い夜中の勤務を終えて、初日の出は今年も仕事しながら見ちゃったな、と着替え終えて携帯を見ると彼からメールが。

「初詣に行って、おみくじを引きました。小吉だったんですが、恋愛の所に、あきらめよ、って出たんです。でも、いいことしか信じないポジティブな俺なんで。」

あきらめなさい。神様だってそういっているんだよ、あたしは心の中で彼に語って見た。


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