想像力の衰えと共にまずやってきたのは嫉妬だった。認めよう。まずは才能豊かな連中へ、次に才能の如何に関わらずその分野で活躍している連中へ、そして最後には、まだ見ぬ可能性と時間を潤沢に無条件に与えられている若い連中全てへ向けられて、おれはどうしようもなくなってしまったのだ。罪の自白はこれでいいか? よし。まだ足りぬというのなら、更におぞましい、身に覚えのある限りの罪状を絞り出すように語ることにしよう。だが聞かせる相手に事欠くのは間違いないから、どうしようかとおれは考えた。考えるまでもなかった、おれという人間の頭を二つに割って、一人は語り部、一人は聞き手とすれば良かったのだ。絶妙なバランスで二つの役柄を演じ切り、おれは枯れ果てた空想界を喋りながら歩いて抜け出すのだ。誰にも聴かすに値しない罪刑の羅列、陳腐な物語を紡ぎ出して、時折感じるうすら寒い恐怖で二頭の竜となったおれは心底「生きている」ことを再認識するのだろうと思う。なんて言い訳だ。いいだろう。 |