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ドラゴンヘッド  2009年12月30日(水)
想像力の衰えと共にまずやってきたのは嫉妬だった。認めよう。まずは才能豊かな連中へ、次に才能の如何に関わらずその分野で活躍している連中へ、そして最後には、まだ見ぬ可能性と時間を潤沢に無条件に与えられている若い連中全てへ向けられて、おれはどうしようもなくなってしまったのだ。罪の自白はこれでいいか? よし。まだ足りぬというのなら、更におぞましい、身に覚えのある限りの罪状を絞り出すように語ることにしよう。だが聞かせる相手に事欠くのは間違いないから、どうしようかとおれは考えた。考えるまでもなかった、おれという人間の頭を二つに割って、一人は語り部、一人は聞き手とすれば良かったのだ。絶妙なバランスで二つの役柄を演じ切り、おれは枯れ果てた空想界を喋りながら歩いて抜け出すのだ。誰にも聴かすに値しない罪刑の羅列、陳腐な物語を紡ぎ出して、時折感じるうすら寒い恐怖で二頭の竜となったおれは心底「生きている」ことを再認識するのだろうと思う。なんて言い訳だ。いいだろう。




uzuku.  2009年12月14日(月)
忘れていた震え方で疼きだす。何があるというのだろう。今さら、この夜に。何もない。また朝が来るだけだ。発想は手詰まりで、いつも通りにやれば太刀打ちできる、どうということのないそんな明日が来る。それだけのはずだ。だけど体は忘れていなかった。ただ単純に「今日」でも「明日」でもない、二つの世界に横たわる闇の空隙のことを。私が「私」をやらなくていい。私が私ですらなくなる。星間物質のような時間だ。この眼や耳はすっかり忘れていたけれど、どうやら体の至る所で名もなき素地が覚えていたらしい。なんとなく、感電しているような状態。何がそんなに嬉しい? さあ、しらない。けれど確かに疼く。まるで一人で世界の全てに立ち向かうような莫迦らしさと尊大さ。返り討ちに遭うのが嬉しくて仕方がない? かもしれません。





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