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ヨシオ戦記  2009年04月25日(土)
怠惰を美学に変えるのはたいへんに難しい。誰も美学と呼んでくれない。さみしいね。なので自ずから語るときにその修辞法が過剰になる。実態はただ家で一日中くそ眠りこいているだけですから、如何にして装飾するかが鍵になる。で、寝倒した一日の中身が「ヘロインやりまくって、脳内でクレオパトラと囲碁をした」「幻覚剤で夢に溺れ、反社会組織を結成して健常者差別団体クソギロチンの首領となった」等の、他人が真似できないほどの域に達しているならば価値があるのだが、さて・・・ 2ちゃん等でケミカルの効能レポをざっと読む限り、そこまでのくだらなさと無価値と非常識的な怠惰というのはなかなか見られなかった。

ヨシオが混成ケミカルのバスソルトを誤食、夢の中で遭う珍奇な第二熊野古道を歩いていると、森林管理局からやってきた天狗と名乗る契約社員が現われ、そこで壮絶なMUGEN格闘バトルとなる。辛うじてマキシマのモンゴリアン!で相手を打ち破ると熱湯が降り注いで道一面にぶよぶよの卵が発生、そこから真紅のヤドクガエルが何万匹と孵って、一斉に毒汁を煮詰めたような鳴き声の歌が始まった。「屑よ、土に還れ」と親に言われている気がしてヨシオは荷物をまとめ、カエルを踏み殺しながら次へと急いだ。
To be Con...






カリヌイ  2009年04月17日(金)
最愛の仲間に恵まれたって気づくのがいつも遅すぎて萎えるぜ。ははっ。俺はよくよく幸運な奴だっていつも思うわりにいつもそれを否定して生きている。ゼロの路傍に落ちた何かの破片でいたいと願ってしまう。いやな性癖だ。ひとりでこの世と交わることなんて何百回と擬人法を繰り返しても結構無理な気がしてきたよ、気が遠くなるぜ化け物め。さて、この目が正常に働くうちにいろいろと見ておかねばならないね。もっと彼らの顔を・・・日常がもっと加速して全てグダグダに忘れ去ってしまう前に、仮縫いでもいいから。





Lから始まる天使のように  2009年04月14日(火)
もし私が運命を司る人に出会ったなら言うべきことは決まっている。「私を創造的狂気の豊穣なる暴発に向かわせてくれ!!!」だ。そして私は、魔獣のように伸びてはうねる凶器の稲穂を永遠に育んでは刈り取って、市場に売りに出す。それは麦角に宿ったLから始まる天使のように美しく、ベールの剥ぎ取られた後の世界を約束する福音となるであろう! 私はその、通常の瞳では触れられるはずもなかった世界のむき出しへと向かって、この両手でタイプを始める。滅びゆく寸前のものこそ最も美しい、腐りかけの牛肉が美味であるのと同じように・・・光は闇に飲まれる寸前の明滅こそが美しいのだ。幻覚よりも確かで、現実よりもあやふやな、そんな開花を遂げた脳をこの片手に持ち運んで、私は何かを討伐する勢いで正体不明の言葉を述べ続けることができるであろう! 福音は強力であり、絶対だ。

脱退、死亡、脱水、昏倒、酩酊、錯綜、痙攣、人事不正・・・いくらでも夢の世界に切り込む船はあるのだ。不穏な名前を付けては意識に流れるゆったりとした大河に浮かべては、一滴、二滴と、絶望的破壊力を秘めた光る滴を垂らして、夢の終わりとベールの破綻を待ち受ける。やがて永遠の闇を語り得るだけの、深い漆黒に染まった破滅がやってくる。私はそれに向かって擬人化を込めて言う、「私を創造性へ向かわせてくれ!!!」願いは聞き入れられ、剥き出しになった世界へほうり込まれる、ヘイト・アシュベリーへ伝説の残滓を求めに巡礼に行った後は、かすかに漂う同族の香りを求めて、この世の横道へ逸れながら真っ直ぐ進むほかはなさそうだ。虚無が深淵に至る前に、有機物を高密度で蓄積し、暴発させるのだ。Lから始まる天使のように、いっそ私を高次元へ至らしめてくれるだけで良い。叶わなくば、さて、両目を開きながらも閉ざされた毎日が約束されているだけの、この、体。なんということもない。なんということもない。





2946  2009年04月10日(金)
高密度の肉汁から生み出された人工生命、オンニクスキーは自己のパワーを高めるために更なる肉汁を求めてラボの外へ出た。しかし彼は知らなかった。彼が実は生命汁開発機構「29-46」(Niku-Ziru)の作成したプロトタイプにすぎないということを。そして後発組であるニクエス、ニクス、ニクナムの3者が次々にオンニクスキーへ襲い掛かる。驚異のテクノロジーで生み出された肉汁由来の人工生命。彼らに明日はあるのか?




肉汁、という響きがいいなあと思って
つい。




Myself  2009年04月04日(土)
自分だけを信じろ、信じられるのは自分だけだ、なんてセリフを銃器のように手にして難局を切り抜けてみたいものだ。普通のテンションでは無理だ。運命の双子のように、戦いと孤独は常に共にあり、その逆の、平和と連帯も共にある。鮮烈な孤独は戦いの現場でこそ冴えて、光さえ帯びる。だが萎え切った、井戸端会議で馴れ合い、空気を読み合うだけの場所では、「自分だけを信じる」ことはなぜかひどく難しい。これが勘を鈍らし、人の眼から鋭気を奪う。腑抜けになった瞳から見える世界はどんな感じだろう。さあ、答えてくれ。ああ、答えよう。いっそ深夜まで不夜城の戦場になれば良い。そうなればなるほど、身の回りが死屍累々で、怒号と泣き声が聞こえてくるまでになればなるほど、俺は何だか自分を取り戻せそうな予感がする。

なあ、どんな感じだい。ああ。悪くはないかもしれない。

自分だけを信じろ。ああ。その気になってきた。




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