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スペシャルを求めて  2009年05月16日(土)
過去に関わりを持った人たちとの最良、最高、特別な時間はもう終ってしまっている。もしかしたらそこへ回帰するチャンスや偶然がこの先にも用意されているのかもしれない、だけどそれは「〜かもしれない」ぐらいの可能性で、「かつてのあの日、あの場所で、あの人と」共有したスペシャルに匹敵するものかどうかは、全く定かじゃない。逆に、価値を損なうような再会になることも。

だから今を、今現在を生きなくてはと思う。未来、絶対に、再現も遭遇も不可能なぐらいのスペシャルが存在していたとしたら。どうしようもない。失われたものを取り戻すには莫大なコストがかかる。それに、そんなことが成功したら、今という時間を生きる必要がなくなってしまう。


スペシャルは存在する。事実だ。認めよう。
では。スペシャルを求めて。今を生きよう。

小説が幾らでも書けそうな、そんなスペシャルを求めて、今を生きよう。




ブーメラン・クラッシュ  2009年05月06日(水)
そして再びあの日に還ってきた。とうとう。もう他人事のフリでいたあの時間に身を浸せば後は恐ろしく速かった。破壊へ舞い戻るブーメラン。催淫剤で猛り狂って全身が性器になってるメスのように私は貪った。自分自身を。自分の魂を。自分の肉を。自分の脳を。食い尽くされてメインディッシュが懸命に食らう。一生を懸けて食らう。愛の全てと多少の攻撃性を以て食らう。手を休めることなくひたすら食らう。永遠の野獣。一秒一秒を噛み締めながらがつがつと食らう。そしてハッと振り返る。時計はひどい時間を示している。そんな馬鹿な――終わりかけている? 終わりかけると、途方もない喪失感が押し寄せてくる。その一分一秒に堪えられない。震えて怯える、逃げ惑う、まだ最高に美しく隠微な、破壊と快楽の狭間で悶える女王でいさせてほしいと願う。そして、延長。先送りにされた休息。この世で最も美しく吠える情欲の女王として返り咲く。ドロドロに輝く隠微な冠を返上するのは、日付が変わってからまだ先になるだろう・・・そして見事に越えてゆく。気付いた後にはずたずたに滅びた容器が横たわるだけ。クラッシュ、そして、朝が来た。もうそこには誰もいない。何もなく、ただ滅びた自分と乱れた自分の部屋があるだけだ。始めよう。何を? 一日を。無理だ。全部終わった。疲れた・・・これがあの日の真実。美化など出来ない。クラッシュに女王はいない。獣も、愛も、なんにも、ない・・・。




Trance  2009年05月05日(火)
Ram & Bas vs SMF - MDMA
Coburn - Razorblade (Play Paul Club Mix)
非常に良い。

「M D MA…」って連呼するのもどうかと思うがそれはそれで良い。
人としてたぶん間違ってるけどそれはそれで良い。
恍惚とスピード感と光沢が好き。
低くくぐもったところで鳴り響く高音キーが妖しくて好き。
もうひとつ別の世界へ立ち入っていく感じが好き。


原点回帰







待ち続ける  2009年05月02日(土)
私は待っている。彼方の黄金郷よりもたらされる福音を待ち望む哀れなドレイのように、ただ手を合わせて待っている。何を? 
悦楽の瞬間を。限りない快楽を。不吉な怪鳥が、呪わしい予言を告げに来る。引き換えに差し出すのは命。若さ。自己という唯一無二のものども。そういう感じ。

米が炊けたらとりあえず食おうと思う。だれも鳴らさなかったインターホン、静寂に溶けて消える期待をちりちりと燃やしながら、きっと明日も明後日も、来ない航空便を待っている。未来から使者が到来するのを待ち受けて。その福音に破壊されるのか、或いは満たされるのか、判ったものではない。

煎餅を食う、チョコレートを食うなどして一日を過ごす。布団カバーも干した。本も買った。映画情報をチラチラ見て「ミルク」(ゲイに関する映画)は観に行こうと決めた。チーズを食おう。酒は事情があって飲めない。ああ、消防車のサイレンが聞こえてきた。真っ白に照らし出される向かいの物件でベランダに立っているのは若い奥様だ、手旗信号でも振ろうか。や ら な い か。




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