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There is Any Musics.  2003年04月22日(火)
03.03.06(THU)


『何がどう変わったのかを、何処を基準にして見れば良いかが、まず解らないんだ。


何処も似たり寄ったりだし、今ここ、が、何処なのかが、少なくとも僕には不明だ。・・・戦争でも起きない限りは、社会や時代の明確な変化点を意識するのは、難しい』



『新たなビートが主旋律に加わり、突発的に擦りが入る。キョッ、キュッという空気を切り裂く音がする。

だがそれ自体が、曲を一気に破壊するのではない。曲は規則的にビートをまた、配列通りに刻む。

新しい転調が割って入って、何か全く新しい曲が始まるのかも知れないという予兆を、フロアの人間に伝える・・・』



『しかし、新しい音も、突発的に入れられた空隙も、バリバリと鳴る爆音も、永遠とも思える鉄のパターンを今まで以上に美しく見せるための働きをする。

パターンの反復が、規則的に、極めて正確に打ち出されてゆく。そして規則がはっきりと、明確であればあるほど、何故か気持ちが良い。意識をパターンの中に、トランスさせて、酩酊できる』



『カタストロフィーのような強い攻撃音、長いワープ、落とし込み。それらも、鉄のパターンに上乗せされるための音源に過ぎない。もしくは、規則的に連綿と打たれる旋律を場に、劇的に登場させるための準備だ』




『鉄のパターンが存在している。人々はその打ち込みの中に意識を突っ込んで、色んな微細な変化を感じ取り、快感を得る。


パターンの内部では目まぐるしく、半音上がったり、新たなハイスピードのビートが寄り添い、また別れて消えたりする』



『それは快感だ。

人の神経に過剰適応しているんじゃないかと思えるぐらい』




『現状を曲に例えてしまった。よく解らない話になってしまったね。僕にも殆どの事が整理の外にある。整理できるのは財布の中身や机の上ぐらいだ』


『電信柱にステッカーを貼り歩き、下りたガレージシャッターにロゴをマークしても、何かが変わったとか、何かを掴めたとは実感出来そうもない』


『こうしている間にも新しい命が生まれたりしているだろう。彼らにはどんな音楽を伝えればいいのだろうか。今の僕には思い付かない』



『絶望という言葉は、僕は好きではない。それを使えば、僕は全てに傷付き疲れ果ててしまいました、という意思表示をしてしまうから』


『思考停止、諦念の表明。それは危険なことだと思っている。何故なら、死んだも同然だからだ』



『国内で昨日、もしくは一昨日、どこかで規模の大小に関わらず、暴動や封鎖、爆撃の類は起きていただろうか。


僕はそういった知らせをここ数ヶ月ずっと、どのメディアからも聞くことが無かった』



『こんなことを"成人向け"な"日記"ジャンルで言ってるのは、ちょっと不必要だとは、僕も知っている。


この"エンピツ"という日記場に必要なのは、もっとみんなが、無条件に楽しめる内容。僕は僕自身の言葉の中に、陥り過ぎている』



『そう、ここで誉められるべき内容とは。まずは恋愛だろう。恋人や、愛人、2、3番目の恋人について。


若しくは、相手にとって使い捨ての端役に過ぎない扱いながらも、相手のことを好きになってしまった、己の、悲劇の身の上・・・。』




『状況はミニマルな急速展開を多発して、一大進化を次々に遂げたかのように見える。が、どうだろう。アイモード以降の携帯電話が人々の関係性を一変させたのは事実だ。

いつでもどこでもスイッチ一つで繋がっていられる関係を手にして、僕等は確かに20年前の連中とは別物になっただろう』


『だが、・・・寂しい奴や、不安な奴等の人数が、20年前と比べて、激減したとも、激増したとも、思えない』



『状況は一様に、同じだ。誰もが、恋人を3,4人引き連れていても、婚約者がいたとしても、寂しさは変わらず襲い続けているようだ』


『仲のいい友人が5人は居ても、ある夜いきなり手首を切ってしまう。

やらなきゃいけない事が目の前に山積していて、それを成し遂げれば確実に成功すると、解っていながら、指一本も動かなかったり、

思わずその指で、錠剤や粉末を口にしてしまう』



『一日24時間なんて、あって無いようなものだ。何だか僕は、怖くて、ここからどうすれば、

完璧に逸脱出来るのか、

そればかりを、考えている・・・』





セルフィッシュラバーズ  2003年04月17日(木)
03.02.24(mon)
ユウキドラッグ729

私は19の冬に従姉妹の姉に会った。
彼女は、私に似ていた。

自分自身に似た異性を
私は初めて見た。

まるで自分を女にしたような、
彼女はもう一人の自分のような。


女性として生まれ変わりたいと思った。
女性として私を求めたいと思った。


私は私しか愛せないとその時感じた。
私は永遠に自分のもう一つの可能性に対して
執着し続けて生きるだろう・・・その予感を
感じざるを得なかった。


ここにいる私は永遠に幻のようなもので、
不安定なフィクションに思える。
ここにいる私は具体的な、魅力を持たず、
私としての、資格も力も、持っていないように思える。


何が揃えば愛せるに足るのか。
姉貴を見ていてもそれは解らない。
姉貴は綺麗だった。
話し掛けられないほど惚れていた。
だが姉貴に・・・姉に人並みの想いがあったのではない。
私は気付いていた。


私は私の可能性を姉に投射して
気が狂いそうなエクスタシーを沸き立たせていた、
私にとっての最も魅力的な、自画像のモデルだ。



私自身が魅力に感じる私、は、私の中には無い。



それはいつも、永遠の異性として、限りなく外にある。



・・・私は私と言う異性と一つになるためにこんな、
こんなに気持ちのよくないことをずっとし続けている、
そんな気持ちで今は、一杯だ。


到底辿り着くことの無い相手に向かって私は
歩き続けて歩み寄ろうとしている・・・それは、
路上に映し出された己の影のようなものだ、
だが私は影とこの身とを一つにしなくては、ならない、


どうすればいいのか自分では、判らない。




射精でいいのか???  2003年04月16日(水)
03.02.22(sat)
ユウキドラッグ729

寝るだけでいいのか?
射精で満たされるのか?
それは本当なのか?
答えてくれ。

イッてくれたら本望だと
その瞬間は満たされると
言った奴等が見せる
途方も無い
寂しさはどうだ。
弱さはどうだ。
何が愛だ。

お前は綺麗だ、
強くて綺麗だ、
しかしどうしてそんなに、
怖いぐらいに、壊れてブッ壊れて
死んでしまいそうなくらいに
どうしてそんなに寂しそうなんだ。
何が愛だって言うんだ?


愛など、愛などと。

俺に何が解ったというのか、
その・・・その無防備な目を見ていると、
抱き締めたいとか、護りたいというのではない。
放たれた空がそのまま一気に
地上へ丸ごと落ちてくるようだ。


求め合ってる時には気付かない。
身体が微細な透明度や空虚を
受け容れる状態に来て・・・初めて、知る。

知ってどうにかなるのか、
手でも握ればマシだろうと思ったが、
瞳を直に見詰められて、にっこり笑われると
もう・・・終わりだ。
安定されていたものは覆される。 


俺は無力な・・・もういい、
理解している、もういい、
もういい、非常口は、無いのだ。
無力だ。


救命は手遅れだ。俺は愚かな・・・言葉の奴隷だ。
まだ考えようとしている、言葉で救いを作ろうと、
無い、無いに決まっている。
どんな国の言語文法にも
寂しさを消す言葉について・・・無いのだ。


射精の後に込み上げる冷たい振動、
細胞が脱力する。


終えた後には正しく二人して
別れて次からの時間を生きなくてはならない、
だが、しかしその、


恐ろしく無防備な寂しさは・・・どうだ。
俺は今まで、自分の目にさえ、

こんなに不条理な寂しさを見たことがない。



何が・・・何が愛だ。愛だと?
ああ、そうだ。
射精でいいのか? それでいいのか?


そうしてお前は肉を存分に振舞って
そんなに幸せそうな寂しさを
見せてしまうのだ、


俺は何も知らないのだ、
俺は何一つ知らない、
その寂しさと愛情が此の世の
何処から来るのか・・・足がずっと竦んでいる、

闇でも光でもないところから来たんだろうな、
だって俺の・・・趣味じゃない、
俺の知らないところだ、


そうしてお前は射精を受け止めた後で
息が止まるくらいに無造作な視線で
全ての愛おしさと寂しさを

射精した全ての男に見せるのだな。
命を・・・全てを、
開け放して、生きているのか、


お前には俺は・・・何一つ、及ばない、
俺は、お前を、愛せたと言うのか、
お前は、言う、イッてくれると嬉しいのだと、
射精でいいのか、
本当にそれでよかったのか!??
射精でいいのか???





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