夢のまた夢

2003年11月30日(日) 閉じた眼

手にしたから、

失うことを知った。

存在に気づいたから、

挫折を知った。


それなら知らなければいい。

何も知らなければいい。
    
知らなければいい。



2003年11月24日(月) 夕闇の世界

死神よ。
明日なんていらないから、
その鎌を少しだけ貸してくれ。
死神よ。
鎌を一振りして、
世界を書き換えたいんだ。

蜘蛛が空を這い、
カラスが地を歩く、
夕闇の世界を。



2003年11月19日(水) 勇者

今、勇者は剣を持った。

盾なんていらないさ。

逃げ道なんて作らない。

あとは、ほんの少しの勇気だけ。



2003年11月12日(水) 散美歌

また一つ花が散った。

それを君は哀しまずにいられるかい?

それともこんな僕を嘲笑うかい?


でもね、

この花は青空に恋をしていたんだよ。

だから、

ほんの少し哀しんであげようよ。

ううん、

お願いだから哀しんでください。








2003年11月09日(日) 中途半端

三日月でもない、

満月でもない、

そんな月に、

君は僕の名前をつけた。


そんな今を笑える日が来るのだろうか?



2003年11月08日(土) 哀と愛と眼

月と星が踊る真夜中に、

善と悪を掌る妖精が、

輝く星を一つずつ消し、

鋭い月で僕を刺した。


天使は哀しみを湛え、

悪魔は喜びを浮かべ、

僕は宙を見つめていただけ。





2003年11月05日(水) 枯渇

雑巾の水を絞るように、

出した言葉は、


「忘れてしまおう」



もちろん、叩き壊したさ。



2003年11月02日(日) 海の抱擁

あれ?
なんで、ここに居るんだっけ?


そうだ、君を忘れるためだ。
この苦しみを、カモメよ。
おまえに運んでもらうためさ。

さぁ、そろそろ帰ろうかな。
君へのお土産は、潮風だよ。
君は笑ってくれるかな。


あれ?
なんで、ここに居るんだっけ?


 < 過去  INDEX  未来 >


風の使い [MAIL]

My追加