遺書

2006年11月30日(木) 1331 鶏鳴告ゲズ

言葉に紡いだ楽園は
誰かの言葉で崩されていく

目を開ければそこにあるかのように
感じられていた暖かさは
今では何もない冬の寒さだけ

君が口を開くたびに
世界は終わりを告げていく
そして、現実が始まっていく


言葉に紡いだ楽園は
自分自身に崩されていく

何も言わなければ役に立たないと殺されて
何かを呟けば邪魔だと殺されて

人のやることはいつだって
行き当たりばったりでね


私の言葉を静かに蝕む
君の言葉

責めてるの? 宥めてるの?
あなたはきっと、優しいの

本当に優しい人はみんな
私にとって優しくないから


言葉に紡いだ楽園は
私の目に映ることなく

君のリアリティで全部ぶち壊して



2006年11月29日(水) 1330 蝉の声、夏の恋人 C

いつもいつも
温めてきたそれを
口に出せば儚く

胸に秘めた思いを告げれば

大切な関係も、
思いも、
静かに崩れていく

蛹のままで居られたら
楽なのにね

その先に何があるのか
なんとなくわかっていても

蛹のままでは居られない

秘めた思いも
私自身も
いつしか、飛んでいく

そして

その先に何があるのか
わかっていたけど

なんとなく
みんなみんな死んでいく



2006年11月28日(火) 1329 Escape to thearth

心が軋んだその声は
音にならないSOS!
走り続けて逃げることは
出口のないEscape!

僕がどんなに恨み、拒んだとしても
此の世界はいつも僕と一緒で
逃げ切れない現実のour world!

走れど走れど同じ景色が続いている
後ろを見ればいつでも世界が笑っている
辿り着けないnew world!

嘲笑、嘲笑、嘲笑の連続
逃げるだけ無駄だといいたいのか
それとも、逃げることができないことを笑うのか

他人から見たら奇行
自分でも十分な奇行

SOS! SOS!
心が軋んで弾け飛ぶ
音にならずに消えていく

Escapeは叶わない
涙を拭って走り出す
意味のない現実からの逃走

辿り着けない
our new world .



2006年11月27日(月) 1328 福笑い

何度も何度も僕は誰かを突き刺して
涙を流して、流して、何処へ流していく?

落ちる場所のないそれは
どこかを漂って、消えることなく

何度も何度も僕は誰かを突き刺して
どこかへどこかへ涙を、涙を

僕は誰かの為なのか、僕の為なのか
それとも他の何かの為なのか

いずれは涙で溺れてしまいたい

僕は誰かを突き刺して、突き刺して
何を求めているのだろうか
何も求めていないのだろうか

わからない
ただ、何度も何度も泣いたり、殺したり



2006年11月26日(日) 1327 正義の味方もいませんし

良くないことの連続には、
たいした理由がない。
強いて言えば自分の所為であり、
運が悪いとか、不注意だとかで、
誰が悪いとかはまったくない。

この世に絶対の悪はない。
しっかりとした敵もなければ、
僕を狙う悪の組織もない。

平和を願う世界の中で、
明確に誰かの所為にできるもの。
悪の組織のようなものが居たらいいと、
願う人は、そう、少なくない。

他人の所為にできない臆病者だからこそ。
絶対的にうらめる悪を、望むのだ。



2006年11月25日(土) 1326 感情ラジオ

ラジオみたいな受信機は
誰も持っていないから

感情はただ流れていって
誰にも拾われない電波

誰かに届くまで届くまで
続く虚しい言葉の羅列
誰も、誰も拾ってはくれない
だから何処までも続く

ラジオみたいな受信機は
誰も持っていないけど



2006年11月24日(金) 1325 ひとりでに消えて

いつまで経っても朝は来なくて
暗い、暗い夜を過ごす
嫌気がさしたら夕焼けに
何もないとわかったら何度でも
夜を

君を待って
君を待って



2006年11月23日(木) 1324 Creative.

一貫性のない世界に
愛を語り、夢を語り
愛し、恋し

静かに、忘れていく
忘却確定の創造の繰り返し

形のない世界に
空を描き、君を作り
意味なき、恋を

静かに、忘れていく
傍若無人に想像の繰り返し



2006年11月22日(水) 1323 E.R.R // memorise .

寂しさ、切なさ
君がくれた大切な現在、劣情

愛しさ、恋しさ
君がくれた取り戻せない感情

記憶の果てに花を添える

寂しさ、切なさ
突き動かす刹那の衝動

僕の手は、如何なる速さにも成れず
宙を舞って虚を掴む
添えた花はやがて枯れ

僕でさえ、君を忘れる

感情、劣情
大切なのはすべてさ
現状、日常
忘れてしまうこと、切なさ



2006年11月21日(火) 1322 あさに

つけっぱなしのテレビからは
悲しいニュースと暗いニュース

明日も昨日も人が死んで
静かに記憶に消えていく

僕もいつかは消えていく
冷たくて、何もない
記憶の果てで

みんなひとりになる



2006年11月20日(月) 1321 ふたり

日常、愛情
正常、感情

大切なのは
君と其処に在ること



2006年11月19日(日) 1320 シネマチズム日常

大切な思い出は
日常の彼方に沈み
思い出すことも
触れることもできない

だから僕らは
否が応でも前へ進んで
新しい想い出を手に入れて
消費して

笑い会えることを
生産していく



2006年11月18日(土) 1319 意味のある生を、俺は

どうせ死ぬのだから
それまでに、俺にしか作れないものを
この世界に、遺したい



2006年11月17日(金) 1318 少年と空と :re

青い空をバックグラウンドに
白い少女は僕と

静かな世界で
二人きり
何処までも続く青と
緑の重なり合う水平線

眺めて
思い出す

落ちていく涙の
理由は思い出せない
泣いている僕を
少女は抱いて

心地よい冷たさの中
目を閉じて
涙は君へと還る

夜の訪れを
ただ、閑な世界で

世界の終わりは
空の彼方から必ず、必ず僕たちに訪れると知りながら
訪れないことを望んでいる

何もないと、いいね
君に抱かれたまま囁いて
そうだね
って、叶うと知っているのに

笑ってくれた

笑顔は
世界の終わりが訪れても
覚えていたいと
思った



2006年11月16日(木) 1317 たいした幸せはないけど

今日も明日も毎日を
すごし続けて、happy day

自ら終えるほど
私は人生に飽きちゃいない



2006年11月15日(水) 1316 いつまでも一人だけど

世界には私だけで他の誰も居ないことを
悲しむのはやめた

静かな夜に沈んでいけ
ロンリー、ロンリー
一人ぼっちの世界を
大きく口を開けて満喫する
今日の味、今日の記憶



2006年11月14日(火) 1315 bath room

君の香りを抱いて沈む
水深70cm

ジャンプすれば届きそうな
世界と私の距離

それでも十分隔たれて
このままでは私は酸素を吸えず
息絶えてしまう

大切なものを握り締めて
想い出の海へと沈んでも
別の大切なものを失ってしまうから

結局私は
君の想い出を捨てた



2006年11月13日(月) 1314 無限の空白

言葉の入れ物が何処までも続いているから、
いつまでも、私は言葉を入れていく

それだけの作業



2006年11月12日(日) 1313 書き物バーサーカー

死んでいくことへのどうしようもない抵抗と
生きていることへのどうしようもない感謝

繰り返し続ける
無限の空白の隅っこ

いくら書いても埋まらないから
どこまでも僕は抵抗と感謝を
どれだけ書いたって

満たされも、責められもしない
自己満足の繰り返しは
やがて何か意味を持ってくれりゃいいや

ひたすら書いて、ひたすら書いて



2006年11月11日(土) 1312 dying message

世界の終焉はいつだって突然。
僕が目を閉じれば、それが最後かもしれない。
瞬きをするごとに、恐怖を抱く。
次の瞬間に僕の世界が終わってしまったら、と。
目を開けた瞬間に、誰かの世界が終わってしまったら、と。



2006年11月10日(金) 1311 catch

夏は過ぎて夢は終わり
残る、寂しげな私

遥か彼方思い沈み
残る、微かな感情


握り締めた右手を
二度と離さないように

掴み取った幸せを
二度と離さないように


記憶果てて誓い立てて
羅列、無意味な言葉

青い空の遥か彼方
笑う、君を想い続ける



2006年11月09日(木) 1310 doggy

物として存在しない心と、心
つながりあって、満たされるのも
物として存在しない心と、心

物として存在する体だけが
この世界には認識されて
心は、この世界には認識されないんだ

心だけで生きていくことはできない
身体だけでも生きていくことはできない

心を満たすために、
僕らは身体を動かして

満たされない身体、
満たされるのは心

どっちも大切なのに
僕たちは、意味のない愛を繰り返した



2006年11月08日(水) 1309 oh! boe.

廃墟の中で夕陽を見つめる
赤い絵の具をぶちまけた
負け犬の遠吠え

月は今にも落ちそうなほど大きい
白い白い光に照らされて
負け犬の遠吠え

指揮者が居るなら従って
何度も何度も踊ってやれるのに
負け犬の遠吠え

何処へも行ってもいい
だから、ボクは何処にも行けない
負け犬の遠吠え



2006年11月07日(火) 1308 If there is god in the world ,

あなたに出会えたことだけ、感謝してもいい。



2006年11月06日(月) 1307 mp

黒くて冷たいこの夜に

一人で寂しく震えているのは

僕だけでいい


遠い空の向こうで

君は誰かと二人、温めあって

笑っているといい


寂しいのも、悲しいのも

僕には一向に構わない


だけれど君には

寂しいのも、悲しいのも

ひとつもなければいい


ただ、僕は

願うことしかできなかったけれど



2006年11月05日(日) 1306 ドギー

寂しい亡骸を一人抱いて

浜辺を歩いて一回忌

君よりも一つ多くの夏を知り

君のいない夏をまた一つ多く知った



2006年11月04日(土) 1305 僕は此処に居た

死んでしまえば痛みも何も無く
何も無い、を感じることさえも無い

残るのは人々の記憶にだけで
遺品に関しても遺骨に関しても
自分の知るところではない

いくつもの死の積み重ね
それが生物の歴史

究極の自然の摂理に捕らわれて自分の死も特に意味も無く
一つの死として捕らえられることも無く
当たり前だと静かに忘れ去られていくのだろう

詩を書き続けるのは
そう言った死を

僕が恐れているからなのだろう

誰かの心の塵でも構わない
その場所で僕が居た、を証明できれば

死んでも、笑って逝けるよ



2006年11月03日(金) 1304 鳩サブレシンフォニア/1400works

#1 当方、現実を認識できません

甘ったるい思考回路に酔って笑うことがありました
甘ったるい思考回路が幻と知り泣くこともありました

笑いながら泣いて居たら
どちらかにしろと言われました
私は笑うのも泣くのもやめました
どちらか選べませんでした

一人の部屋の出来事でした

誰が私を呼んだのか
私が誰を呼んでいたのかは忘れてしまいました

甘ったるい思考回路の世界では
私は誰かに愛されて居ました
私も誰かを愛していました

でも現実に私は白い部屋にひきこもりっきり
窓の外に浮かぶ鳩さえいとおしい
誰を愛しても報われないと現実に知っていました

だから甘い甘い夢を見ます
いい加減現実を直視しなさいと聞こえましたが
私は聞こえないふりをしました

今日も一日が始まります
鳥の鳴き声さえ最近は耳に残りません


#2 当方、夢について忘れています

小さい頃には思い描いていた夢を
今の私には思い出すことはできません
あれほどに強く願っていたのに
今の私は微塵も思ってはいません

生きていく度に私は何かを失っていきます
何を得て失ったのかはわかりません
お金でしょうか
地位でしょうか
社会性でしょうか
いずれも大して欲しいとは思えません

望まずとも生きるをすれば手に入るそれを
捨ててまで望みたい夢は
今の私に思い描くことはできません

夜に見る夢は
成りそこないの願望なのでしょうか

欠陥しているんでしょうか
それとも完成しているんでしょうか
夢を見ることは欠陥で
建前をうまく使うことが完成なのでしょうか

生きていくを繰り返し続ければ
私は死んでいきます
生きていくをやめてしまえば
私は死んでしまいます

夢を見るためには
死んでいくしかありません
死んでいては夢を見ることは叶いませんのに


#3 先方、一人で詩を謳います

おうちに引きこもって思いをつづっていても
君の望みは叶わないというのに

君はいつまでもこの世界で
ひとりぼっちを繰り返す

外に出れば
冷たい観衆が君を見るけれど
中には君の求めるものが
あるという

君はいつまでもこの世界で
他人の訪れを待っている

助けての声を出さない代わりに
わかりにく暗号を叫ぶ
君のおうちには
誰も来てくれないという


#0 未理解詩/鳩サブレシンフォニア

君に愛されるがゆえに君のすべてを愛せる
そんなふたりのシンフォニア

奏でるのは少女のその、か弱い手
僕はただ、そのか弱い手を見守っているだけ

私を一人称としているのは
僕の中の少女の幻影

彼女がただ、幸せになれるように謳っている
彼女が謳っている、又は彼女の為に謳っている
どちらの意味でもあっている

彼女がいて、僕の歌がある

そんなひとりのシンフォニア



2006年11月02日(木) 1303 new your name.

大切なのは忘れたもので

必要なのは失ったもの


私の欺瞞に笑顔で答えた君は
きっと聖者なんだろう

だけど私に必要なのは
どろどろとした、気味の悪ささえ感じる


君じゃない誰かの
素肌や、髪の色

やわらかさが


いとおしい


もしも私が君に誰かの名前をつけるとしたら
きっと、私さえ感じることのない
遥か彼方の明日の午後
知り及ぶ事さえしない、見えない未来

知ったことか、
そういうメタファー


呟いたところで
失ったものは戻りはしないし、

忘れたものはもっと、

もっと増えるだけ


大切なものも必要なものも
今の私に

ありません

両手を挙げて
喜んで、どうか笑ってもらいたい

けれども嘲笑されることさえ
今の私に

ありません


(あなたの名前を口にする

 夢の遥か彼方)

名前さえも思い出せない

横顔が

まだ美しくて



2006年11月01日(水) 1302 mine new day .

僕が世界を作り続けるのは
その向こうに誰かが居るからであって、
その誰かはきっと今、読んでくれる人たちのことを指す

ありがとうを、誰かに


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