2007年07月05日(木) |
Out/Odani Misako |
「ロックの」ピアノ・トリオ。 それも日本の、という条件を付けるとほとんどいないんじゃないかな。
「ピアノ・トリオ」であることと「ロック」であることが同じくらいにとても重要に思える、「小谷美沙子トリオ」である。
吸い上げている音楽のフィールドは、たぶんとても広く、何かに限定はできないとおもうけれど、 「音楽の立ち姿」というものがあるとしたら、バリバリのロックである。
京都府宮津市出身で、もう10年の音楽活動のキャリアがある。それをまとめたベスト盤もとてもいいけれど、 最新盤の「OUT」はその疾走感といい、切実さといい、迫ってくるものがあった。とてもいい。
強烈にドライヴするベースとタイトなドラムの上にピアノの音が乗っかる、という音楽は瞬間、ナンバー・ガールのように聞こえたり、バンブー茂のように聞こえたりもする。 だけど間違いなく小谷美沙子の音楽なのだ。
詞は望みと否定の中を揺れながら、不安を隠さない。 しかし今を諦めない。他者との繋がりを信じ続ける。 「〜たい」という望みのかたちで声がなんども伸びていく。
最後の「東京」という曲は、表現者になるべく東京に出て行った地方出身の若者たちの耳に届いてほしい曲だとおもった。
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