「淳之介流」を読みながら、メルマガの原稿書き。 家人の具合はほんの少しよくなったみたいだけれど、無理は出来ない。
「淳之介流」がいいのは吉行淳之介という作家の全貌が、生き生きと脈打つように伝わってくるからである。 吉行さんの作品全体にはマイナー・ポエットの底流がある。そのことをまた強くおもった。
全体主義への生理的嫌悪感を、高校生の頃から貫き通した人でもあった。 親友二人を長崎の原爆で失い、空襲で家を失い、病にいじめ抜かれた人の「明晰さ」をおもう。
それはことのほか重い。 が、そこには英語のreadが「学ぶ」という意味を含むように、読むことが重要に関わっているようだ。
妄信、盲進、猛進、盲信、付和雷同を拒否する。 まさにダンディである。
この本、村松さんの筆がとても渋く、冴え渡っている。
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