「場所」。 「トポス」。 そこになければそれは「小説」ではない。 或いはそれは「詩」でもない。
それは「作文」であり、「独り言」である。
「救い」。 人は文学に、突き詰めれば癒され救済されることを望んでいる。 それが文学の基にある。
これを「文学の基本」とする。 車谷長吉さんが小説で、エッセイで口を酸っぱくしておっしゃっていたこと。
車谷さんは母校、慶応大学の非常勤講師となられ、このことを講義された。
そのルーツが車谷さんが母校で講義を受けられた 現代詩の巨人、西脇順三郎さんの「詩学」によるものと知る。
それはいちど、婦人公論の選評で井坂洋子さんが読んでみよ、と勧められたことでもある。
その「場所」に立て、と二人とも結局同じことをおっしゃっているのだと気づいた。
肝に銘じる。
基本はもう一つ。 「他者」との関係性である。
詳しくは「新潮」2月号、226ページを読まれたし。
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