散歩主義

2006年10月14日(土) Blues

椅子に腰掛けて唄っていた
自分にも聞こえないくらい
自分にも判らないくらい
とてもとても小さな声で

くちびるが自然に尖っていく
なにしてるわけじゃない
ただ腰掛けて唄ってた
言葉の渦巻くまま
うっ うっと唄った

自分にも聞こえない
自分にも判らない
破れた声で

椅子に腰掛けて Blues
俺はここからどこにも動けない
力もなけりゃ 心もない
椅子に前には悪魔がいて
俺が立ち上がるのを待っているんだ

動いた途端奴が俺になる

あんたには見えないだろうが
俺には見える
肘をつき薄笑い浮かべた
透明な
悪魔

椅子に腰掛けて
俺の顔してる悪魔を見返していた
俺はここから動かないぞ
手も心も動かさないぞ
俺は茶色い溜まり水になるぞ、と念じた

奴は俺が動くのを待っている
椅子に腰掛けて Blues
奴のぶるぶる震える声を聴く
俺の顔をした悪魔が動くのを俺は待っている

俺なんてどこにもいねえ
そんなものは水たまりで溺れ死んだ
早くそうおもえ くそ悪魔

椅子に腰掛けて唄ってた
何唄ってたわけじゃない
泥を吐くように
うっ うっ
うっ うっ


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