通りに金木犀の香りが漂っていて、気持ちのいい秋の風がながれている。 家の前を掃除していたり、ハナの相手をしていると旅行者の方からよく声をかけられる。
「●●寺へはどういけば」 というのが大半である。「碁盤の目」に添って説明できれば簡単なのだけれど、そうでない場合は骨が折れる。 ずっと昔からそういう経験をしていたせいで、ベンディング・マシーンという英単語を覚えたのははやかった。
目印にそれをいうことが一番多かったからだ。
北海道沖の悪魔のような低気圧のせいで、気圧配置は西高東低。冬型である。ずいぶん涼しくなった。ただし、明日から昼間はまだまだ暑いようだが。
こんな日に小説を読んでいるのはいかがなものか、ともおもうけれど、家人の病気とハナのことがあるから、家からなかなか離れることはできない。 ずっと吉行淳之介さんの小説を「書き」続けている。
若い人の小説だと本谷有希子さんの「生きてるだけで、愛」という、ずいぶんブルージィな小説を読み出したんだけど、 「大丈夫たよ」という言葉(同棲相手が「大丈夫だよ」をケータイメールで打ち間違えた部分)を読んだ途端、噴き出してしまい、笑いが止まらなくなって中断している。 ほんとは「すさんだ生活」がひりひりと描写されているんだけど、「大丈夫たよ」がおかしくて…。ツボに入ったというのかな。
妙な暑さがぶり返さず、このまま順調に寒くなれば今年はここ二、三年にない美しい紅葉になるかもしれない。 「ここ二、三年」でも綺麗なところは綺麗だったのだろうけれど、暑くてずいぶん枯れていたのが多かった。ずいぶんがっかりして紅葉を見ていたんだった。
息をのむような凄絶な紅が期待できる…かも。
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