| 2006年08月02日(水) |
デッドエンドの思い出 |
文庫本主義者が文庫を持って現れた。 ぼくが吉田修一さんの文庫を三冊、ネットで注文したというと、ふんっといって馬鹿にする。
彼女には、本は書店で探し購入するものだという信念があるからだ。 ぼくが注文した三タイトルは全部書店にあったという。
あんたはほんとにアホだねえ、といいながら今日購入した文庫のうち、「翳りゆく時間」(江國さん、吉田さん、山田詠美さんなど7人の作家の短編が収められている)とよしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」を置いていくという。 置いていくということは「読め」ということだ。
吉田さんの著作が二、三日で届くからそれまでに読もうと手にとった。 何故これを、と聞くと本の帯を指さす。
<これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。 これが書けたので小説家になってよかったと思いました。 −よしもとばなな− >
こう書かれたら読まないわけにはいかないでしょう、という。 うむ。確かにそうだ。
他にもいろいろと話をしていて、たぶん作家というのはもの凄く読むのが早いに違いないという、なんだかわからない結論に達して、なんだかわかないうちに納得していた。
彼女も読んでいる本によっては、あ、ここははしょっても、とばして読んでも平気だというのがわかることがあるらしい。 そういうのも含めての「早さ」である。
で、一人になってから「デッドエンドの思い出」を読み出す。 まず「幽霊の家」から。 なにがいいって、ていねいだ。すべてが丁寧。
「光」「祝福」「魂」という言葉が登場するんだけれど、言葉が信じられる。 しっかり頷いてしまう。 ぼくはそういうタイプの人間なんだな、とニンシキする。
いい本に出会った。 また彼女に自慢されるなあ。きっと威張るんだろうな。 私の目に間違いはないでしょ、て言うんだろうなあ。 あたってるからしょうがないね。
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