| 2005年01月04日(火) |
新年のアントニオ・カルロス・ジョビン |
新年によく聴いている音楽の二枚目です。 ボサ・ノヴァの創始者にして、最大の作曲者であるアントニオ・カルロス・ジョビンの作品。
タイトルは”The composer of desafinand,plays”1963年録音。 直訳すると『ちょっとおかしい作曲者、演奏す』とでもなるのかな。 『おかしい』というのは「調子っぱずれ」とか「ひょうきん」という意味。 (邦題は『イパネマの娘/アントニオ・カルロス・ジョビン』) 丁寧な解説が付いているから、ボサ・ノヴァ誕生前後の歴史もわかります。
ぼく自身はテレビのドキュメンタリー番組でみた、ジョビンがバスルームにこもってギターの練習をしていたというエピソードが強烈に残っています。 ボサ・ノヴァのサウンドを得るためになんでもしてたんだなあ、と。 ジョアン・ジルベルトに代表されるような呟くヴォーカルスタイルをフューチャーしたのもジョビンだったし。
柔らかで、クールで、おしゃれでセクシーな音楽。 呟きや吐息に一番近い音楽。シンプルで…スロウ。 サウダージと呼ばれる独特の「郷愁感」。 大好きです。
ジョビンのボサ・ノヴァ入門のための作品としてはA&M/CTIからでている”Wave”が有名ですが、それよりもこちらの方が好きです。
というか、ここに収められている楽曲の質といい、ボサ・ノヴァの代名詞にまでなってしまつたオーケストレーションによるアレンジといい、そしてバスルームで響いていそうなジョビンたちの演奏といい、これ以上のものはないと思います。
ジャズ演奏家たちのボサは結局、ジャズ・ボッサであって、本家本元のボサ・ノヴァというのはこれでしょう。
ここに収められている楽曲の多くは坂本龍一とモレレンバウム夫妻による”CASA”にも収められていて、アレンジの洗練という点でいけば、このアルバムと「対」で聴くのもおもしろいですよ。
「調子はずれ」というのはいろんな意味でボサ・ノヴァらしく、ジョビンのシングルトーンのピアノの独特の妙味にも通じるところがありますね。
全編イントゥルメンタルのアルバム。 明日はボサ・ノヴァ最大の作詞者の作品に取り組んだアルバムを紹介します。
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