散歩主義

2004年06月15日(火) 小川さんのデスク

よく作家などの書斎の写真が公開されると、とびついて見ています。
そこが「知的生産の現場」であり「降りてくる何かとの交流の現場」だという認識があるから。なにもなくてもオーラや「形跡」を感じるんです。写真だけでね。
何を大袈裟な、と思うかもしれないけれど、ぼくはそう感じています。

画板の上に原稿用紙を置いてソファで書く大江健三郎さん。(もちろんデスクでも書かれますが)緑溢れるアイスバーグ(薔薇です)のある庭のテーブルで書く高橋睦郎さん。(もちろんデスクでも書かれます)このふたりは前者が万年筆、後者がエンピツで書かれます。

PC系は、というとかなり昔になるけれど松本隆さんの書斎の写真を見たことがあって、なんにもないテーブルにノートPCが1台。それだけ。シンプルそのものだった。だけどなんともいえない雰囲気と松本さんの姿勢と考え方が見えた気がしました。

で、週刊ポストの今週号に小川洋子さんの愛犬とデスクが掲載されていました。小川さんは愛読している作家の一人です。
愛犬はラブラドールレトリバーのラブ君。で、大き過ぎて踏み台つきのデスクの上にはなんと「ワープロ」が。
現役の作家やライターに数少ないワープロ派がいるとは聞いていたけれど、小川さんがそうだとは。机の上はライト(2つあるところに注目!!)とワープロだけ。こちらもシンプルそのもの。

きのうも別の所で考えていた、「先鋭の道具」としてのパソコン。それがなければ多くの書ける才能が、もっとうずもれていただろうなという思いが、その簡素な机を見て思いました。原稿用紙や資料の散らかった場所というのは、主婦や勤め人にはそのこと自体が「贅沢」なことで、時間とお金と場所を合理化し、ようは書くアタマと手だけという状態にしておかないとなかなか大変だと思うんですよ。

ワープロでなくパソコンであれば原稿の整理と格納だけでなく、データベースやメモさえも管理できるという。つまり体一つで書く行為に向かえるというメリットがあると思うんです。
ぼくなんかはまだまだ使いこなせているとは思えなくて、これからさらにライティングに特化していこうと思っていますが。

小川さんは、作家であるけれど同時に普通の主婦でもあるわけで、朝の9時から夕方の5時までのあいだにしか書く時間が確保できない、と。
となるとやはりワープロという道具は威力を発揮するでしょうね。ワープロを開けて途中のページを呼び出し、そこへ入っていく…。
編集と管理が書きながら出きるわけですね。あとは作家のコンセントレーションでしょうか。

そうそう愛犬のラブ君の笑顔の写真もよかったです。でも散歩大変だろうな…。ラブ君は大きいからね。

最後に書く秘訣について(設問は主婦なのにベストセラーを書ける理由は?)
「書き始めたら、完成させること。執念ですかね」とのこと。
なるほどなるほど。
大きく頷くのでありました。

ところで今週号の週刊現代。一番最後の「おやじ、ありがとう」は松本隆さんです。
じんっときます。





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